学校日記

おいしい給食「鉄ちゃん麻婆豆腐」

公開日
2025/09/09
更新日
2025/09/09

日々の様子

9月9日(火)

今日のメニューは、鉄ちゃん麻婆豆腐、麦ご飯、野菜のごま酢和え、牛乳です。

今日は、鉄分たっぷりメニューです!

人の身体は、不思議なもので、ただ栄養素を摂取すればよいわけではありません。

食べ合わせの相性なども重要です。

今回は、鉄分について考えてみましょう!

鉄分は、私たちの体にとって不可欠なミネラルの一つです。

主に赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、

肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運搬する重要な役割を担っています。

この酸素運搬能力により、鉄分は「スタミナ作りに欠かせないミネラル」とも言われています。

体内の鉄分は約3〜4g存在し、その大部分(約70%)は赤血球中のヘモグロビンとして機能鉄となり、

残りは肝臓などに貯蔵鉄として蓄えられています。鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られず、

酸素不足に陥り、疲れやすさ、息切れ、顔色の悪さなどの貧血症状を引き起こすことがあります。

鉄分の種類:ヘム鉄と非ヘム鉄

食品に含まれる鉄分は、大きく分けて「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。

ヘム鉄: 主に肉類や魚介類などの動物性食品に含まれ、タンパク質と結合した状態で存在します。

    ム鉄は体への吸収率が高いのが特徴です。

非ヘム鉄: 主に野菜類、豆類、海藻類などの植物性食品に含まれる無機鉄です。

    ヘム鉄に比べて吸収率は低いですが、工夫次第で吸収率を高めることができます。


鉄分を多く含む食品


ヘム鉄を多く含む食品

レバー (特に豚レバー、鶏レバー) 

赤身の肉類 (牛肉、豚肉) 

魚介類 (マグロ、カツオ、アサリ、カキ、イワシ) 


非ヘム鉄を多く含む食品

野菜類 (ほうれん草、小松菜、春菊) 

豆類・大豆製品 (納豆、豆腐、厚揚げ) 


海藻類 (ひじき) 

種実類 (ごま、アーモンド)


鉄分の吸収を助ける食品と注意点

鉄分の吸収率を高めるためには、以下の点に注意しましょう。


吸収を助けるもの 

ビタミンC: 非ヘム鉄の吸収を促進します。緑黄色野菜(ブロッコリー、パプリカ、ピーマン)、

     柑橘類(オレンジ、レモン)、イチゴ、キウイフルーツなどを一緒に摂りましょう。


たんぱく質: 肉や魚に含まれるたんぱく質も、非ヘム鉄の吸収を助けます。


クエン酸: 梅干しや酢に含まれるクエン酸も、胃酸の分泌を助け、鉄分の吸収を高めます。


鉄製の調理器具: 鉄鍋などで調理すると、食材に鉄分が溶け出すことがあります。


吸収を妨げるもの 

タンニン: コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるタンニンは、鉄と結合して吸収を妨げます。食事中や食後すぐの摂取は控えめにしましょう。

フィチン酸: 玄米や大豆の外皮に含まれます。吸収率を上げたい場合は、白米や発酵させた大豆製品(納豆など)を選ぶのがおすすめです。

バランスの取れた食事と、これらのポイントを意識することで、効果的に鉄分を摂取し、健康維持に役立てることができます。


ヘム鉄をしっかり摂れる!料理って!?

あさりとしめじの炊き込みご飯:

あさり(水煮缶でもOK)はヘム鉄の宝庫。しめじからも鉄分が摂れます。出汁の旨味で美味しくいただけます。

ポイント: あさりから出る汁も一緒に炊き込むことで、鉄分を余すことなく摂取できます。


豚レバーとニラのスタミナ炒め:

豚レバーは鉄分だけでなく、ビタミンB群も豊富で疲労回復に効果的です。ニラに含まれるビタミンCが鉄分の吸収を助けます。

ポイント: レバーの下処理をしっかり行い、臭みをなくすことが美味しく食べるコツです。


カツオのたたきサラダ:

カツオはヘム鉄が豊富で、DHA・EPAも摂れます。緑黄色野菜(パプリカ、ほうれん草など)をたっぷり添え、ビタミンCをプラスしましょう。

ポイント: ポン酢やドレッシングにレモン汁を加えても良いでしょう。


副菜や一品でプラス!非ヘム鉄&吸収アップ

ひじきの煮物:

ひじきは鉄分、カルシウム、食物繊維が豊富。大豆や人参など、他の野菜も一緒に煮ることで栄養バランスが良くなります。

ポイント: 鉄製の調理器具で煮ると、さらに鉄分を補給できます。


小松菜と油揚げの和え物:

小松菜は非ヘム鉄に加え、ビタミンCも豊富。油揚げのタンパク質も鉄の吸収を助けます。

ポイント: 梅干しやレモン汁を少し加えると、クエン酸の効果で吸収率がアップします。


ほうれん草のごま和え:

ほうれん草も鉄分とビタミンCを両方含みます。ごまは鉄分だけでなく、カルシウムやマグネシウムも豊富です。

ポイント: 醤油と砂糖だけでなく、少量の酢を加えるとさっぱりとして食べやすくなります。


厚揚げと野菜の甘酢炒め:

厚揚げは鉄分を含む大豆製品です。パプリカやブロッコリーなど、ビタミンC豊富な野菜と一緒に炒めることで、鉄分の吸収を促進します。

ポイント: 甘酢のタレに、少量のレモン汁やトマトピューレを加えるのもおすすめです。


汁物やデザートで手軽に補給

しじみの味噌汁:

しじみは鉄分だけでなく、オルニチンも豊富で肝機能サポートにも役立ちます。

ポイント: 汁ごといただくことで、鉄分を無駄なく摂れます。


プルーンジュース or プルーンヨーグルト:

プルーンは鉄分だけでなく、食物繊維やビタミン類も豊富です。

ポイント: ヨーグルトに混ぜると、乳酸菌も一緒に摂れてお腹の調子も整います。


コンビニや外食での賢い選び方

定食:

焼き魚(特にサバ、カツオ)、赤身の肉料理、レバーを使った料理などを選びましょう。副菜にほうれん草のおひたしやひじきの煮物があると◎。


丼・定食:

牛丼(赤身肉)、カツオのたたき丼、鉄火丼などがおすすめです。


惣菜:

ひじきの煮物、ほうれん草のおひたし、小松菜の和え物、レバニラ炒めなどは鉄分補給にぴったりです。


飲み物:

豆乳や野菜ジュース(ビタミンCが豊富なもの)を選びましょう。コーヒーや紅茶は食中・食後すぐは避けるのがおすすめです。


これらのメニューを参考に、日々の食事で美味しく鉄分をチャージしてくださいね!


現代では様々な栄養補給の手段があります。食材だけではなく、サプリメントなども主流となっています。

しかし、栄養素の効果的な吸収方法について知らないと、効果を期待することができなくなりかねません。

食品栄養学をはじめとした知識、そして自分と一生ともにあり続ける、食事。食べることは、生きることです。

これからも、自分の身体の中に吸収されていくものであるということを忘れずに、たくさんの

知識を学んでください。

学校給食では、栄養士さんが、すべてのバランスを調整して毎月献立を組み立ててくれています。

多くの人の手によって、みなさんの健康と成長が担保されているのですね。

そうしたことへの、感謝の気持ちを忘れずに、今日も元気に活動しましょう。

給食委員長はじめ、給食好きは、今日も天下盛りで、おいしく給食を頂いていました。


    記事 風見 一統