現在放映中の『ドラゴン桜』というTVドラマがあります。原作は漫画で、元暴走族という異色の経歴を持つ弁護士・桜木建二が主人公です。その桜木が、世間から「落ちこぼれ」と呼ばれる高校生を、東大に合格させる姿を描いています。
桜木が生徒に発する言葉は、教育者とは思えないほど厳しく辛辣なものばかりです。しかし、「勉強方法が、実際に役立った」「勉強を続ける上で、励みになった」などと、現実の受験生には好評を博しています。
実は、私も「なるほど」と思うような言葉がいくつかありました。
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【成功している人間は、それはもともと才能があったからで、自分はもともと平凡な人間だから、努力したって無理だ。そういう思い込みが、人の人生をどれだけ窮屈に縛りつけてることか。世の中に越えられない壁なんてねえんだ。だからおメエら、どんなことにも『できない』という先入観を持つな】
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言葉遣いは別として、この台詞も私が共感した言葉の一つです。
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『象の鎖』とか『エレファント・シンドローム(象・症候群)』などと呼ばれる話があります。
人間に調教された象は、片足を鎖に繋いでおくだけで、逃げ出すことはないのだそうです。あれだけ大きな体ですから、鎖を繋いである杭など簡単に引き抜くことができるのに、象はそれをしません。なぜなのでしょうか?
それは、その象が、小さい頃から常に片足を鎖につながれていたからです。はじめのうちは必死に鎖から逃れようとしますが、まだ体が小さいため鎖を繋いだ杭はびくともしません。そのうちに、象は「鎖は切れないもの」「杭は引き抜けないもの」と思い込んでしまいます。
その思い込みがあるがゆえに(鎖は切れないまでも)杭など簡単に引き抜けるのに、それをやろうともせず、繋がれた鎖の範囲内から出ないのだそうです。この話が事実なのか、一種の「たとえ話」なのかは知りませんが、私は先の『ドラゴン桜』に出てきた台詞を、この話に重ね合わせました。
象の「思い込み」は、桜木の「先入観」という言葉に置き換えられるでしょう。「先入観」とは「あらかじめ、そう決めつけているものの見方・考え方」といった意味です。さらにその「ものの見方・考え方」が凝り固まり変えられないほどになると、それは「固定観念」へと変質してしまいます。
「自分には、できない」
皆さんの中に、特に勉強についてそう決めつけ、はじめから諦めている人はいませんか。あるいは、そんな思い込み・先入観・固定観念を正義に、勉強しない自分を正当化している人は、いないでしょうか。
「自分には、できない」と、自分で自分の限界を決めてしまうのは、自分を見えない鎖で縛り付けてしまうようなものです。「できない」と思っていることについて、あなたは本当にそれを「できない」と立証したのでしょうか。「できない」と言い切れるほど、勉強を突き詰めたのでしょうか。
『ドラゴン桜』の中に、こんな台詞も出てきました。
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【まだやり始めて間もないじゃないか。これからなのに、どうして無理だとわかる。お前は結果を出すための手段を、完璧にやっているのか】
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自分で縛り付けた見えない鎖は、自分で断ち切るしかありません。そのためにも、まずは2週間後の期末考査に向け、一度自分を鎖から解き放ってください。
自分には、できない? 無理?
絶対にそんなことはありません。あなたには、できるのです。