『Let's search for tomorrow』~7E~
- 公開日
- 2025/10/22
- 更新日
- 2025/10/22
日々の様子
7年E組『Let's search for tomorrow』
作詞者: 堀 徹(ほり とおる)
実際には作曲者である大澤徹訓氏が、堀晃氏に了解を得てつけたペンネームです。
作曲者: 大澤 徹訓(おおさわ てつのり)
編成: 混声三部合唱(ソプラノ、アルト、男声)が一般的です。
発表年: 1989年の作品です。
特徴:
明るく前向きなメロディと歌詞で、「明日を探そう」「この広い世界で今こそその時 さあ みんなで旅立とう」
といった未来への希望と旅立ちを歌っています。
合唱曲「Let's search for Tomorrow」を歌う際の主な合唱のポイント
この曲は、未来への希望と旅立ちを歌った、ドラマチックな構成を持つ曲なので、
強弱の変化と前向きな表現を意識することが大切です。
1. 曲全体を通しての意識前向きなエネルギーと希望歌詞の内容(明日を探そう、限りない期待、希望と夢)を意識し、
曲全体を通して前向きで力強いエネルギーを表現しましょう。
強弱(ダイナミクス)のコントラスト楽譜に書かれている強弱記号($p$、 $f$、クレシェンド、デクレシェンドなど)の
変化を大げさなくらい明確につけ、曲にドラマを生み出します。
特にサビに向けての盛り上がりは重要です。
2. 各部分の具体的なポイント導入(「明日を探そう...」)ユニゾン(斉唱)をしっかり合わせる曲の冒頭は
全員が同じ旋律を歌うユニゾン(またはオクターブユニゾン)です。
音程、リズム、伸ばす音の長さ、休符の切り方を、全員で完全に統一させることが重要です。
ここが決まると、曲全体のまとまり感が生まれます。
繊細で希望に満ちた表現
最初の「明日を探そう」は、静かに($p$)しかし、光を見つめるような繊細で美しい響きを目指しましょう。
サビへの盛り上がりクレシェンド(だんだん強く)を効果的に
サビ(「僕たちのすばらしい希望と夢を」)へ向かう部分では、
クレシェンドをしっかりかけ、期待感がふくらむ様子を表現します。
ただ音量を上げるだけでなく、声を前に出す意識を持つと良いでしょう。
ハーモニー部分(サビなど)
ハーモニーを美しく響かせる混声三部合唱なので、ソプラノ、アルト、男声の3パートの響きが美しく溶け合うように意識します。
特に、主旋律以外のパート(アルトや男声)は、主旋律を引き立てつつ、和音の土台を支える意識が大切です。
パートごとの役割旋律を担当するパートは歌詞をはっきりと、和声を担当するパートは響きを意識して歌いましょう。
終盤(「Let's search for Tomorrow」の繰り返し)堂々と、力強く最後の「Let's search for Tomorrow」の繰り返しは、
曲のメッセージを締めくくる部分です。
力強く($f$)、確信に満ちた声で、堂々と歌い上げましょう。
休符の緊張感
繰り返しの中にある休符を大切にし、響きを切る瞬間の緊張感を表現することで、曲の終わりに向けた勢いを増します。
3. テクニックと指揮への対応
明確な発音(特に「ト」と「ツ」)「Tomorrow」や「旅立とう」など、言葉の響きをはっきりとさせましょう。
特に子音を意識すると、遠くまで言葉が届きやすくなります。
指揮をしっかり見るテンポや強弱の変化が多い曲なので、指揮者の表現をよく見て、
その指示に素早く反応することが、一体感のある演奏につながります。
特に2/4拍子になる部分と4/4拍子の部分の切り替えを指揮と合わせましょう。
これらのポイントを意識して練習することで、「Let's search for Tomorrow」が持つ
感動的でドラマチックな魅力を最大限に引き出すことができます。
合唱曲「Let's search for Tomorrow」の誕生秘話・制作エピソード
1. 作詞・作曲者の正体
作詞: 堀 徹(ほり とおる) 作曲: 大澤 徹訓(おおさわ てつのり)と、記載されていますが・・・・実は・・・
実際にはこの曲の作詞者と作曲者は同一人物です。えーーーー!!!?どういうことでしょうね。
「堀 徹」は、作曲者である「大澤 徹訓」氏が用いたペンネーム(別名)です。
2. ペンネームの使用
大澤氏がこのペンネームを使うにあたり、知人の作家である堀晃氏から名前の使用について
了解を得て「堀 徹」という名前が生まれました。
当時、音楽教育の現場では、作詞と作曲が同一人物であると、生徒たちが「音楽の先生が作ったもの」
として身近に感じすぎ、作品を客観的に捉えにくくなるという配慮がありました。
そのため、作詞者と作曲者を分けることで、生徒たちが先入観なく、
より純粋に作品と向き合えるようにという教育的な意図があったのではないでしょうか。
3. 作品の背景
この曲は1989年に制作されました。
具体的な制作時のエピソードとして、大澤氏がどのような思いで「明日を探そう、この広い世界で今こそその時」
という前向きなメッセージを込めたのかという詳細な記述はあまり公開されていませんが、
合唱曲として:中学生が持つ、未来への不安と期待・仲間と共に新たな一歩を踏み出す力
を表現する目的で書かれたことは明らかであり、そのメッセージ性の強さから、瞬く間に
中学校の合唱コンクールや卒業式の定番曲として広まっていきました。
つまり、「Let's search for Tomorrow」は、作詞・作曲を同一人物が行いながら、教育的な配慮からペンネームを用いた
というユニークな背景を持つ作品なのです。
「旅立ち」と「希望」というテーマを、ドラマチックに表現するための具体的なポイント
1. 徹底的な「言葉(歌詞)」の表現感動は、歌声に乗せられたメッセージが心に届くことで生まれます。
言葉への感情移入:歌詞に込められた「明日を探す期待」「限りない希望と夢」を、自分たち自身の思いとして共有し、
歌声にその感情を乗せましょう。
明確な発音とアクセント:特に「あしたをさがそう」「このひろいせかいで」など、言葉の核となる部分をはっきりと発音し、
聴衆に歌詞が明確に伝わるようにします。
2. ドラマを生む「ダイナミクス(強弱)」の演出この曲は、静けさから爆発的な力強さへ、
大きな強弱のコントラストを持っています。
静けさの表現 ($p$):曲の始まりや静かな場面($p$)は、ただ小さいだけでなく、「繊細さ」「緊張感」「光を求める静かな決意」
を感じさせる透明感のある響きを目指します。
ここがこの曲の「ボトム(底辺)」となり、後の盛り上がりを際立たせます。
サビへのクレシェンド($\curvearrowright$):サビ(「明日への 限りない期待ふくらませて...」)へ向かうクレシェンドは、
「期待がどんどん膨らんでいく」様子を表現します。
音量を上げるだけでなく、声の響きや圧力を徐々に増していくように意識しましょう。
クライマックスの力強さ ($f$):サビや終盤の「Let's search for Tomorrow」は、ただ大声を出すのではなく、
響きに満ちた力強い声で、「希望を掴んだ確信」や「旅立ちの決意」を堂々と表現します。
3. 一体感を生む「ハーモニーと響き」の統一感動的な合唱の基本は、パート間の調和がとれた美しい響きです。
ユニゾン(斉唱)の徹底:曲の冒頭のユニゾン部分(全員同じメロディ)は、音程、リズム、ブレス、
言葉の終わりを完全に一致させることが、その後のハーモニーの土台となります。
パートの役割理解:主旋律(メロディ)を歌うパートは、歌詞を伝える
責任感を持ち、他のパートは旋律を美しく包み込む和音の響きに
徹することで、立体的な音楽になります。
ブレンド(融和):各パートの音色がバラバラにならないよう、声を混ぜ合わせる意識を持って歌い、
一つの大きな響きを作り出します。
4. 楽曲構成を意識した「ストーリーテリング」
指揮者と歌い手が、曲の構成を通じて一つの物語を語ることが感動につながります。
速度変化の表現:テンポの速い部分、ゆったりとした部分、そして中間部からサビへの流れを、
ただ楽譜通りにこなすのではなく、「この場面は何を表現しているか」を明確にして歌い分けます。
終盤の圧倒的な高揚感:最後の「Let's search for Tomorrow, search for Tomorrow...」の繰り返し部分は、
全てのエネルギーを解き放ち、フィナーレへ向かう圧倒的な高揚感を創り出すことが、
聴く人に最も強い感動を与えます。
これらの技術と表現を積み重ねることで、「Let's search for Tomorrow」は、
聴く人の心に響く、ドラマチックで感動的な合唱に仕上がります。
明日を探そう この広い世界で 今こそその時 さあ みんなで旅立とう
明日を探そう この広い世界で 今こそその時 さあ みんなで旅立とう
明日への 限りない期待ふくらませて 僕たちのすばらしい希望と夢を
Let's search for Tomorrow search for Tomorrow Let's search for Tomorrow
この広い世界で 今 旅立とう 後ろ振り向かず
さあ すばらしい明日を探しに行こう
Let's search for Tomorrow search for Tomorrow Let's search for Tomorrow
この広い世界で
シンプルな歌詞の中に、旋律を奏でることで生まれる、絶妙な響きと深みが醍醐味です。
綺麗なハーモニーで、明日を探す希望を元気いっぱいの7年E組が、クラスの絆を紡いで
一体感をもって届けてくれると期待しています。
高音が綺麗に体育館に響き渡り、心地よい空間をぜひ演出してほしいと思います。
記事 風見 一統