おいしい給食「鴨南蛮風うどん」
- 公開日
- 2025/10/21
- 更新日
- 2025/10/21
日々の様子
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10月21日(火)
今日のメニューは、鴨南蛮風うどん、竹輪の磯辺揚げ、胡瓜と大根のピリ辛漬け、牛乳です。
「鴨南蛮風うどん」とは、伝統的な「鴨南蛮うどん」の美味しさを再現しつつ、家庭で手軽に作れるように工夫されたうどん料理のことです。
通常の「鴨南蛮うどん」と「鴨南蛮風うどん」の主な違いは、使用する肉の具材にあります。
1. 「鴨南蛮」とは
「鴨南蛮(かもなんばん)」は、鴨肉とネギが入った温かい蕎麦(そば)料理です。
「南蛮」とは、ネギを指す言葉の一つとされています。
鴨南蛮うどん: 鴨肉とネギを使用し、麺をうどんに変えたものです。鴨肉から出る濃厚な旨味(脂)が、風味豊かなつゆと焼きネギに溶け込み、深い味わいになります。
2. 「鴨南蛮風うどん」の具体的な意味
「鴨南蛮風うどん」は、「鴨南蛮うどん」の味わいを真似て(風にして)いる、という意味です。
鴨南蛮うどん(本物)鴨南蛮風うどん(風)主な肉鴨肉(マガモ、アイガモなど)鶏肉(鶏もも肉、鶏むね肉など)調理の意図伝統的な風味を
追求する手軽さ、経済性、調理しやすさを優先させてアレンジしています。
鶏肉の代用: 鴨肉は高価であったり、スーパーなどで手に入りにくかったりするため、鶏もも肉を代用することで、
手軽に鴨南蛮に近い風味を楽しむことを目的としています。
鶏肉でも、しっかりと焼き目をつけて香ばしさとコクを出すことで、鴨の脂の旨味に似た要素を出そうと工夫されます。
長ネギ(南蛮)の重要性: 「風」であっても、鴨南蛮の重要な要素である長ネギ(特に焼きネギ)は欠かせません。
長ネギをよく焼き、甘さを引き出すことが、風味の決め手になります。
つゆ: 醤油と出汁をベースにした温かいつゆに、肉の旨味が溶け込んだものです。
手軽に作る場合は、めんつゆを活用することもあります。したがって、「鴨南蛮風うどん」は、
「手軽な鶏肉などを使い、鴨南蛮うどんのような味わいに近づけたうどん料理」と理解すればよいでしょう。
「ちくわの磯辺揚げ」とは
概要: 魚のすり身を原料とした加工食品である「ちくわ」に、青のりを混ぜた衣をつけて油で揚げた料理です。
「磯辺揚げ」の意味: 「磯辺(いそべ)」とは、海辺や海岸という意味で、料理においては
「海苔や青のり、あおさなどの海藻の風味をつけた料理」のことを指します。
特徴:
ちくわの持つ弾力のある食感(もちもち感)と、衣のサクサクとした食感のコントラストが楽しめます。
青のりの豊かな磯の香りが、ちくわの魚介の旨味と相まって食欲をそそります。
醤油や塩をつけなくても、衣に味付けをすることで、そのまま美味しく食べられる手軽さも魅力です。
主な材料と調理法
【主な材料】
主役: 竹輪(ちくわ)
衣の材料: 小麦粉、水(または冷水)、青のり(またはあおさ)、その他(片栗粉、卵、マヨネーズなどを加える場合もあります)
【基本的な作り方】
ちくわを切る: 食べやすいように、斜め切り、輪切り、または長さを半分に切ってから縦半分に切るなど、切り方はお好みで工夫します。
衣を作る: ボウルに小麦粉、青のり、水を入れ、混ぜすぎないようにさっくりと混ぜて衣を作ります。
(混ぜすぎるとグルテンが出て粘りが出すぎ、サクサク感が失われるため)
揚げる: ちくわに衣を絡ませ、170〜180℃程度の油で揚げます。衣が薄く色づき、カラリとしたら油から取り出します。
二度揚げをすると、よりサクサクになります。
人気の理由とアレンジ
ちくわの磯辺揚げが多くの人に愛されるのには、理由があります。
手軽さと経済性: ちくわは安価で日持ちがし、下処理が不要なため、時短料理や節約料理に最適です。
お弁当の定番: 冷めても美味しく、味がしっかりついているため、日本のお弁当の定番おかずとして非常に人気があります。
豊富なアレンジ:
サクサク衣の工夫: 衣に片栗粉を混ぜたり、水ではなくビールや炭酸水を使ったり、少量のマヨネーズを加えたりすることで、
衣をサクサクに仕上げる工夫がよく行われます。
味付けのアレンジ: 衣に少量の塩や醤油、粉チーズなどを混ぜることで、風味を変化させることもあります。
具材の追加: ちくわの穴に、チーズ、大葉、明太子、きゅうりなどを詰めてから揚げるアレンジも人気です。
歴史的背景
磯辺揚げの調理法自体は、江戸時代から続く日本の練り物文化や天ぷら文化に端を発しています。
ちくわの磯辺揚げは、古くから存在する料理というよりも、戦後から高度経済成長期にかけて、
手軽で栄養価が高く経済的な食材であるちくわが一般家庭に普及し、その調理法の一つとして定着していったと考えられています。
現在では、家庭料理としてだけでなく、居酒屋のおつまみやお惣菜の定番として、広く日本人に親しまれています。
竹輪(ちくわ)の由来は、日本の伝統的な練り物である蒲鉾(かまぼこ)の歴史と深く結びついており、その形状に由来します。
1. 語源は「蒲鉾(かまぼこ)」だった
竹輪の原型は、もともと「かまぼこ」と呼ばれていました。
平安時代以前: 魚のすり身を細い棒(竹など)に塗りつけ、焼いたり蒸したりして作ったものが当時の「かまぼこ」でした。
「蒲鉾」の由来: この形が、川辺などに生える植物である「蒲(がま)の穂」の形によく似ていたため、
「蒲の穂」または「蒲鉾(かまぼこ)」と呼ばれるようになりました。
2. 「ちくわ」が生まれた経緯
現在見られる板状の「かまぼこ」が誕生したことで、区別のために古い形が「竹輪」と呼ばれるようになりました。
板蒲鉾の登場: 室町時代末期から安土桃山時代にかけて、すり身を板に盛り付けて蒸したり焼いたりする、
現在の「板付きかまぼこ」の原型が生まれて普及し始めました。
区別の必要性: この新しい「板かまぼこ」と区別するため、以前からあった竹棒に巻き付けた古い形の蒲鉾を、
棒を抜いた切り口が「竹の輪」に似ていることから、「竹輪蒲鉾(ちくわかまぼこ)」と呼ぶようになりました。
名称の定着: その後、「竹輪蒲鉾」が省略され、真ん中に穴の空いたものが「竹輪(ちくわ)」として定着し、現在に至ります。
つまり、歴史をたどると、「ちくわ」は「かまぼこ」の元祖の姿であり、後の時代に「かまぼこ」という名前を板状の練り物に譲り、
自らは形にちなんだ新しい名前「竹輪」を得た、ということになります。
すっかり、肌寒い日が当たり前になってきました。
明け方は、気温10度程度で、白い息が目に見える冷え込みです。
秋も深まりつつありますが、行事もいよいよ迫ってきています。
それと同時に、秋の味覚にもたくさん興味をもってもらい、
この時期ならではの、「旬」を、たくさん味わって欲しいと思います。
今日も、匠の味を提供してくださった、給食室のみなさんへの
感謝の気持ちを忘れずに、午後もしっかりと活動しましょう。
記事 風見 一統