学校日記

おいしい給食「びりん飯」~熊本郷土料理~

公開日
2025/12/05
更新日
2025/12/05

日々の様子

12月5日(金)熊本郷土料理メニュー

今日のメニューは、びりん飯、タラのしょうが風味焼き、せんだご汁、牛乳です。

はい、熊本県について郷土料理なども含めて詳しくご紹介します。


 熊本県の概要と特徴

熊本県は九州の中央部に位置し、豊かな自然と歴史に恵まれた地域です。

地理的特徴:

世界有数の大型カルデラを持つ阿蘇山があり、雄大な自然景観が広がります。

有明海、八代海、東シナ海に面し、天草諸島などの美しい島々があります。

「水の都」とも呼ばれ、阿蘇の伏流水など豊富な地下水に恵まれています。


歴史的背景:

特に戦国時代から江戸時代にかけて、加藤清正や細川家といった有力な大名が治め、

熊本城の築城や産業の振興など、現在の熊本の基盤を築きました。


 熊本県の主な郷土料理

熊本の歴史や風土に深く根ざした、代表的な郷土料理をいくつかご紹介します。


1. からし蓮根(からしれんこん)

特徴: 輪切りにした蓮根の穴に、味噌と和辛子を混ぜたものを詰め、衣をつけて揚げたもの。

辛子のピリッとした風味と蓮根のシャキシャキ感が特徴です。

由来: 江戸時代初期、病弱だった肥後細川藩の初代藩主、細川忠利公のために、

禅僧が進めた滋養強壮に良い食べ物として考案されたのが始まりとされます。

また、輪切りの断面が細川家の家紋「九曜(くよう)」に似ていたことから、明治維新まで門外不出の秘伝料理とされていました。


2. 馬刺し(うまさし)

特徴: 新鮮な馬肉を薄切りにして、薬味(主にニンニクや生姜)と甘めの醤油で食べる料理。

低カロリーで高タンパク、ヘルシーな食材としても知られています。

由来: 熊本の馬肉文化は、熊本城主・加藤清正公が朝鮮出兵の際に非常食として食したのが

始まりという逸話があります。熊本県は馬肉の生産量が日本一です。


3. 太平燕(タイピーエン)

特徴: 鶏ガラや豚骨ベースのスープに、春雨、エビ、イカ、豚肉、野菜など様々な具材が入った麺料理。特徴的なのは、

揚げて膨らませた虎皮蛋(フーヒータン)と呼ばれる揚げ玉子が入ることです。

由来: 明治時代に中国福建省から華僑によって伝えられた料理が、日本の食材に置き換えられて熊本で発展した

「熊本市民のソウルフード」です。学校給食にも登場するほど親しまれています。


4. ひともじのぐるぐる

特徴: 「ひともじ」と呼ばれる熊本特産のネギを茹で、根元の方から葉先に向かってクルクルと巻いて束ね、酢味噌をかけて食べる料理です。

由来: 江戸時代の倹約令の際に、手に入りやすいネギを使った酒肴として考案されたと言われています。


5. だご汁・つぼん汁

だご汁: 小麦粉などを練って作った「だご(団子)」を、季節の野菜と一緒に味噌や醤油仕立ての汁で煮込んだもの。家庭ごとに味が異なります。

つぼん汁: 人吉・球磨地方の郷土料理。鶏肉、かまぼこ、里芋、ごぼう、人参などの根菜を

たっぷり入れたお祝いの席などで出される汁物で、深めのつぼ(壺)に盛られたことに由来します。


6. その他の名物

南関そうめん: 江戸時代から伝わる手延べのそうめんで、コシの強さが特徴です。

阿蘇たかな漬: 阿蘇地方特有の高菜を漬物にしたもので、新漬け(浅漬け)と古漬けがあります。

いきなり団子: 輪切りにしたサツマイモと餡を小麦粉を練った生地で包んで蒸したお菓子。


 観光スポット

熊本城: 日本三名城の一つに数えられる名城で、加藤清正が築城しました。

2016年の熊本地震で大きな被害を受けましたが、復旧作業が進められています。

阿蘇山: 世界最大級のカルデラを持つ活火山。火口見学や草原でのドライブ、乗馬などが楽しめます。

黒川温泉: 阿蘇の北部に位置する、風情ある温泉街。

水前寺成趣園: 細川家ゆかりの桃山様式の回遊式庭園。

熊本県は、歴史的な背景を持つ郷土料理と、阿蘇の雄大さや水の恵みといった自然が魅力の場所です。


びりん飯

びりん飯は、主に熊本県宇城市(うきし)三角町(みすみまち)の戸馳島(とばせじま)に古くから伝わる郷土料理です。

ジャンル: 混ぜご飯(まぜごはん)

地域: 熊本県宇城市(特に戸馳島)および宇土・宇城地域

特徴: 肉の代わりに豆腐を主な具材として使った、素朴で風味豊かな混ぜご飯です。


1. 名前の由来

この「びりん飯」というユニークな名前は、料理を作る工程で出る音に由来するとされています。

音の起源: 主な具材である絞り豆腐(水気を切った木綿豆腐)を油で炒め、水分を飛ばすときに、

鍋やフライパンに当たる音が「びりん、びりん…」と聞こえることから、その名が付きました。


2. 料理の背景と用途

びりん飯は、特定の歴史的・文化的背景を持つ料理です。

精進料理: 仏事や法事の際に、精進料理として振る舞われてきた伝統があります。

そのため、本来は肉や魚介類を使わず、豆腐や野菜を中心としたヘルシーな料理です。


持ち寄り料理: 昔は、葬儀の際の食事(おとき)として、近所の主婦たちが各家庭の食材を持ち寄って手軽に作ったとされています。

具材: 具材には、主役の豆腐のほかに、ごぼう、にんじん、油揚げ、干ししいたけ、切り干し大根などの

乾物や根菜がたっぷり入ります。これにより、肉が入っていなくても旨味と食物繊維が豊富で、

しっかりとした噛みごたえがあります。


現代での変化: 学校給食などで提供される際は、子どもの成長を考慮し、

豆腐に加えて鶏ひき肉などを足してアレンジされることも多く、栄養価を高める工夫がされています。


3. 味の特徴

醤油やみりん、砂糖などで味付けされ、豆腐と野菜から出る旨味と、炒められた豆腐の香ばしさ、

そしてごまの風味が相まって、コクがありながらもどこか懐かしい味わいが特徴です。


食感: 豆腐をしっかり炒めて水分を飛ばすことで、ひき肉のようなポロポロとした食感になり、これがご飯とよく馴染みます。


このように、びりん飯は、熊本の特定の地域で仏事を通して育まれた、豆腐と野菜の旨味が詰まった伝統的な郷土料理です。


鱈(タラ)

鱈は、タラ目タラ科に属する魚で、世界の寒い海域に広く生息しています。

漢字の由来: 魚へんに雪と書く「鱈」という漢字は、雪が降る寒い季節に獲れて美味しくなること、

そして身が雪のように白いことに由来する和製漢字(日本で作られた漢字)です。

特徴: 一般的に体が大きく(マダラは1mを超えるものもいます)、背びれが3つ、しりびれが2つあるのが特徴です。

また、顎の下にひげが1本あります。

食性: 非常に食欲が旺盛で、他の魚やイカなどを丸ごと飲み込むほど大食いであることから、

「鱈腹(たらふく)」食べるという言葉の語源になったという説もあります。

 主な種類と特徴

日本近海でよく見られる「タラ」と呼ばれる魚は主に3種類あり、市場での用途が異なります。

マダラ(真鱈) 一般的に「タラ」と言えばこれを指します。

大型で、白身魚の中でも特に味が良いとされます。

 オスの白子(精巣)が非常に珍重されます。

鍋物(たらちり)、フライ、ソテー、ムニエル、煮付け、

白子料理(ポン酢、天ぷらなど)スケトウダラ(介党鱈) マダラよりもやや小型で、

水分が多く身が崩れやすいです。卵巣は塩漬けにされ、たらこや辛子明太子の原料となります。

すり身(かまぼこ、ちくわなどの練り製品)、

干物(棒ダラ、すき身ダラ)

コマイ(氷下魚) マダラ科の魚で、スケトウダラよりさらに小型。

北海道や東北地方で干物(氷下魚干し)や珍味として消費されます。

干物、珍味、一夜干しギンダラ(銀鱈)

注意: タラ科ではなく、スズキ目の魚で、タラの仲間ではありません。

深海魚で脂質が多く、煮付けや西京焼きにすると非常に美味です。

煮付け、西京焼き、照り焼き

旬と主な産地旬の時期: マダラの旬は、産卵期にあたる12月〜2月の冬です。

この時期は特に身に脂が乗り、オスは白子が大きくなります。

主な産地:北海道が全国漁獲量の約4割を占める最大の産地です。

その他、宮城県、岩手県、青森県など、主に日本の北部の海域(太平洋側、日本海側)で多く水揚げされます。

 栄養成分と効果・効能鱈は高タンパク・低脂肪のヘルシーな白身魚です。

栄養成分効果・効能タンパク質血液、筋肉、臓器など体を作る主要な材料となります。

低カロリーで良質なため、ダイエットや離乳食にも適しています。

ビタミンDカルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯を丈夫にする働きがあります。

骨粗鬆症の予防に不可欠です。ビタミンB12正常な赤血球の生成を助け、貧血の予防に役立ちます。

カリウム余分なナトリウム(塩分)を体外に排出し、血圧を正常に保つ働きがあります。

グルタミン酸・イノシン酸旨味成分で、淡泊な身に風味を与えています。

【注意点】白子やたらこは、プリン体やコレステロールが多く含まれるため、

痛風の方や健康診断で指摘がある方は食べ過ぎに注意が必要です。

 世界のタラ料理鱈は世界中で愛されており、特にヨーロッパでは重要な食材です。

フィッシュ&チップス(イギリス): 衣をつけて揚げたタラのフライとフライドポテトの組み合わせ。

バカリャウ料理(ポルトガル): 塩漬けにして乾燥させたタラ(バカリャウ)を使った料理。

365日毎日違うメニューがあると言われるほど種類が豊富です。

鱈は、鍋物だけでなく、ムニエルやフライ、煮付けなど、幅広い料理で美味しく食べられる万能な冬の魚です。


いよいよ三者面談最終日です。

特に9年生は、進路選択がそれぞれほぼ決するタイミングです。

目指す場所が、はっきりしたところで、受験からの逆算型戦略的目標達成指向で、

今後の計画と行動指針を決めて、毎日を積み重ねて欲しいと思います。


今日は、熊本に行ったつもりになれましたね。

味を如実に再現してくれた給食室のみなさんへの感謝の気持ちをもち、

この後の活動も、一生懸命に取り組みましょう。



         記事 風見 一統