学校日記

7年 美術

公開日
2025/11/06
更新日
2025/11/06

日々の様子

7年生の美術です。

彫刻刀をつかって、木彫りに取り組んでいます。

開始早々に、手を切ってしまった生徒もいましたが、

ものすごい集中力で、黙々と彫り続ける姿にびっくりしました。


中学校で使う彫刻刀は、主に以下の5種類です。それぞれの刃の形と用途を覚えることが基本です。

丸刀 先端が丸い(U字型)広い面を掘るとき、やわらかい凹面をつけたいとき。深さや幅によって、大丸刀・小丸刀などがある。一番使用頻度が高い。

平刀 先端が平ら(直線)広い面を平らに削りたいとき。彫り跡を整えたいとき。平面的な仕上げや、他の刀で削った面を滑らかにするときに使う。

三角刀 先端がV字型細く鋭い線(線彫り)を彫りたいとき。輪郭線や細かい模様、シャープな表現をしたいときに使う。

切出し刀 先端が斜めに尖っている図案の輪郭(仕切り)を入れるとき。細かい部分を削り出すとき。

木目に沿って削りやすく、木彫りの基本となる「仕切り」に必須。(小丸刀)丸刀より細い狭い部分や細かい部分を掘るとき。

細かい線や曲線を彫るときに便利。


彫刻刀の安全な使い方(最重要!)

彫刻刀は刃物なので、怪我をしないためのルールを厳守することが最も大切です。

1. 持ち方・力の入れ方基本は両手: 利き手で彫刻刀を持ち、もう片方の手の親指や人差し指を、

刃の進む方向とは反対側の木(または彫刻刀の柄)に添えるようにして使います。

ストッパー: 添えた指がストッパー(止め)の役割を果たし、刃が滑って暴走するのを防ぎます。

彫刻刀は「押す」のが基本: 基本的に彫刻刀は手前から奥に向かって「押して」使います。

手前に「引いて」使うと、刃が滑ったときに自分の体を切る危険があるため絶対に避けてください。

2. 板の持ち方彫らない手は刃の進行方向には置かない! 刃が進む先に手を置くと、滑ったときに大怪我につながります。

板を回す: 彫りにくい方向になったら、彫刻刀の向きを変えるのではなく、板(木材)の方を回して、

常に彫りやすい方向(手前から奥)で作業をします。

滑り止め: 机の上に滑り止めのマットを敷いて作業しましょう。


木彫りの主な技法

1. 片切り彫り(かたぎりぼり)特徴: 木彫りの基本となる技法です。

線の一方の側に段差をつけ、他方を斜めに削り取ることで、線がくっきりと浮かび上がります。

手順:仕切り(けじめ)を入れる: 切出し刀をほぼ垂直に立てて持ち、彫りたい線の内側に沿って、数ミリの深さで切り込み(仕切り)を入れます。

削り取る: 仕切りを入れた線に対し、平刀や丸刀を寝かせた角度で外側から入れ、仕切りに向かって削り取ります。これを数回繰り返し、

    徐々に深く彫り進めます。

2. 薬研彫り(やげんぼり)特徴: V字型の溝を彫る技法で、くっきりとした線や模様を表現できます。

手順:中央の仕切り: 切出し刀で、彫りたい線の中央に垂直に切り込みを入れます。

両側から削る: 中央の切り込みに向かって、平刀や丸刀を斜めに入れ、両側から削り取ります。

3. 浮き彫り(うきぼり)特徴: 彫りたいモチーフ(模様)の輪郭を残し、その周囲の地(じ)を彫り下げることで、

モチーフを浮かび上がらせる技法です。

手順:輪郭を仕切る: 切出し刀や三角刀で、モチーフの輪郭線の外側に切り込みを入れます。

この時、刃を外側(地の方)に傾けて入れるのがコツです。

地を彫り下げる: 丸刀や平刀を使って、輪郭の切り込みに向かって周囲の地を少しずつ削り下げていきます。

木目に注意!木目に沿う: 彫刻刀は木目(木の筋)に沿って進むと、スムーズに切れてきれいに削れます。

木目に逆らう: 木目に逆らって彫ると、力が入りすぎて刃が暴走したり、木がバキッと

      割れて欠けてしまう(逆目)ことがあるので注意が必要です。彫りにくい場合は、板を回して向きを変えましょう。



怪我には十分に留意して、納得のいく作品を仕上げてほしいと思います。



                    記事 風見 一統