9年 社会
- 公開日
- 2025/11/06
- 更新日
- 2025/11/06
日々の様子
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9年生は、公民の授業をスタンダードS形式で実施しています。
本時は、政府の役割について学習がすすんでいました。
経済における政府の役割は、主に市場の失敗を補い、公平で安定した経済社会を実現することにあります。
政府が果たすべき経済的な機能は、大きく分けて以下の3つの柱があります。
1. 資源配分の調整(市場の失敗の是正)
市場の自由な取引に任せておくだけでは、効率的な資源の配分が実現しない「市場の失敗」が起こることがあります。
政府はこれらを是正するために介入します。
公共財(サービス)の提供
公共財(例:道路、警察、消防、公園、国防)は、多くの人が同時に利用でき(非競合性)、
利用していない人から料金を取るのが難しいため(非排除性)、民間企業では利益が出せず供給されにくい性質があります。
そこで政府が税金を使ってこれらの公共財・サービスを国民に提供します。
外部効果への対応
外部不経済(例:工場からの公害や環境汚染)のように、経済活動が市場を通さずに第三者にマイナスの影響を与える場合、
政府は規制や課税(環境税など)を行います。
外部経済(例:森林の整備や予防接種)のように、プラスの影響を与える場合、補助金の支給などを行います。
独占・寡占の規制
一部の企業による独占や寡占が起こると、価格競争が失われ、企業が勝手に高い価格を設定し(管理価格)、
消費者に不利益が生じることがあります。
政府は独占禁止法に基づき、公正取引委員会を通じて不公正な取引やカルテルなどを規制し、自由な競争を促します。
2. 所得の再分配(経済格差の是正)
市場経済では、能力や努力、運などによって人々の所得(収入)に大きな格差が生じます。
政府は国民誰もが健康で文化的な最低限度の生活を送れるように、公平性の確保を目指し所得の再分配を行います。
累進課税制度
所得が多くなるほど税率が高くなる累進課税制度(主に所得税)を設け、高所得者からより多く税金を徴収します。
社会保障制度
徴収した税金や社会保険料を財源として、社会保障制度(年金、医療、介護、生活保護など)を充実させ、
低所得者や高齢者、病人などを支援し、所得格差の是正を図ります。
3. 経済の安定化
市場経済は景気がよくなったり(好景気)、悪くなったり(不景気)する景気変動を繰り返します。
政府は、景気の過熱や深刻な不況を防ぎ、経済を安定させる役割を果たします。
景気対策
不況期には、政府は公共事業を増やしたり(財政支出)、減税を行ったりして、経済活動を活発にするよう努めます。
好況期には、景気の過熱を抑えるために、公共事業を減らしたり、増税を検討したりすることがあります。
これらの役割を果たすために、政府は税金などを集め、財政(国の経済活動)を通じて経済に介入しているのです。
それぞれが、学習課題を把握し、セルフ・セレクトで探究方法を決定します。
先生も、巡回しつつ、フォローアップをしつつ、四方八方で学習に取り組む生徒の
支援にまわりながら、同じゴールに向かって道標となっています。
ある班では、生徒が先生役となり、他の生徒への支援を行っている班もありました。
自主的に、学習がすすんでいます。
全体で、共有する時間が楽しみです。
記事 風見 一統