学校日記

おいしい給食「ちゃんこ煮」~都民の日メニュー~

公開日
2025/10/02
更新日
2025/10/02

日々の様子

10月2日(木)

今日のメニューは、小松菜ご飯、ちゃんこ煮、糸寒天のごま酢和え、牛乳です。

今日は、昨日の「都民の日」にちなんだ、メニューになっています。

授業中に生徒と交わした話の中で、昨日の「夢の国」は、とっても空いていて、

存分に満喫できた1日だった模様です。

給食中に、「糸寒天」はどれ!?と聞いても、「これは春雨だ」「これはこんにゃくだ」などなど、

なかなか、「糸寒天」に触れる機会がないのか、よくわからないまま食べている生徒が多かったです・・・

もっと、食についての興味・関心をもってほしいなと・・・・・


都民の日とは

1.制定の目的と由来

日付: 毎年10月1日

制定年: 1952年(昭和27年)

由来: 1898年(明治31年)10月1日に、それまで政府の指導下に置かれていた「東京市」が、

   自治権を持つ一般の市として誕生し、市役所が設置されたことを記念しています。

   これ以前は「東京市自治記念日」として祝われていました。

目的: 「都民の日条例」に基づき、都民が共に一日を楽しみ、自治意識を高め、東京都の発展と福祉の増進を図ることを目的としています。


2.主な特典:都立施設が無料に!

「都民の日」の最大の魅力は、東京都が管理・運営する多くの施設の入園料や入場料が無料になることです。

特に人気の施設は、都民以外の人でも無料で楽しめます。

施設ジャンル 主な無料対象施設(毎年実施)

動物園・水族園 恩賜上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園

美術館・博物館 東京都美術館、東京都現代美術館、東京都写真美術館、江戸東京たてもの園 など

庭園・植物園 浜離宮恩賜庭園、六義園、小石川後楽園、神代植物公園 など

【注意点】

企画展は無料対象外になることが多いです(常設展のみ無料など)。

施設の運営状況や混雑緩和のため、プログラムの一部中止や入場制限が行われる場合があります。


小松菜の起原!

東京都と小松菜は非常に深いつながりがあり、小松菜はまさに「東京生まれ、東京育ち」の代表的な野菜です。

1.小松菜の歴史と名前の由来

発祥の地と歴史

小松菜は、江戸時代に現在の東京都江戸川区の小松川(葛西領)付近で栽培されていたのが始まりとされています。

もとは「茎立菜(くきたちな)」と呼ばれるカブの一種が品種改良されたものと考えられています。

名前が「小松菜」になった由来

最も有名なのは、徳川八代将軍・吉宗公にまつわる説です。

吉宗公が鷹狩りに小松川村を訪れた際、地元の農民がこの青菜を入れたすまし汁を献上しました。

吉宗公がその菜の美味しさを気に入り、名前がないことを知ると、地名にちなんで「小松菜(こまつな)」と名付けたと言われています。

この逸話により、小松菜はこの地の特産となり、江戸の庶民に広まっていきました。


2.東京都内の主な産地と特徴

小松菜は現在、全国で栽培されていますが、東京都は今も全国有数の小松菜の生産地です。

主要な産地

東京都内で小松菜の収穫量が最も多いのは、江戸川区です。

江戸川区: 都内全体の小松菜収穫量の約40%を占め、都内でナンバーワンの収穫量を誇ります。

その他の産地: 葛飾区、足立区、世田谷区、武蔵村山市、府中市など、都市近郊の広い範囲で栽培されています。


以前、江戸川区の町興しの一環で、「地産地消!地元小松菜を使用したフィナンシェ」を考案し、

江戸川の農家の方と、和菓子屋さんとコラボレーションする企画から商品化したときは、

とても人気になり、想像以上に反響があったことが、とても懐かしく思えます。


「江戸川区産」の美味しさの秘密

ミネラル豊富な土壌: 東京湾からの潮風の影響を受けた沖積土(荒木田と呼ばれる肥沃な土)がミネラルを多く含み、

          小松菜の旨みや甘みを高めています。

都市型農業の工夫: 住宅地に囲まれた環境で、ビニールハウス(施設栽培)での効率的な周年栽培(一年中栽培すること)が盛んです。

         これにより、新鮮さを保ったまま都内の中央卸売市場や学校給食などに安定供給されています。

地産地消の推進: 収穫してすぐに直売所で販売するなど、新鮮さ(鮮度)にこだわった出荷が行われています。


3.小松菜の栄養と用途

小松菜は、栄養価が非常に高く、都市農業の優等生と言えます。

豊富な栄養価

カルシウム: 緑黄色野菜の中でもトップクラスの含有量で、ほうれん草の約3.5倍も含まれています。骨や歯の健康に不可欠です。

鉄分: 貧血予防に役立つ鉄分も豊富です。

ビタミン: 皮膚や粘膜を健康に保つβ-カロテン(体内でビタミンAに変わる)や、免疫力を高めるビタミンCも豊富です。

料理での用途

クセが少ない: ほうれん草などと比べてアクが少なく、下茹でなしで使えることが多く、調理しやすいのが特徴です。

多様な料理: おひたしや和え物だけでなく、炒め物、煮物、汁物など、幅広い料理に使われます。

特に、東京の雑煮には欠かせない青菜としても知られています。

小松菜は、江戸時代から続く東京の農業の歴史と、現代の都市農業の工夫が詰まった、

まさに「とうきょうの恵み(TOKYO GROWN)」を代表する野菜です。


ちゃんこ煮

「ちゃんこ鍋」と呼ぶことが多いですが、これは相撲部屋特有の食事、ひいては力士の体を作るための栄養満点の料理です。

「ちゃんこ煮」という呼び方は、給食などでは具材をたくさん入れて煮込んだ汁物として提供されることもあります。

ちゃんこ(鍋)とは

1.ちゃんこの定義

本来の意味: 相撲部屋で、その日の「ちゃんこ番」(主に若い力士)が作る全ての料理のことを

      「ちゃんこ」と呼びます。鍋料理に限らず、和洋中どんな料理でも、部屋で力士が作れば「ちゃんこ」です。

一般に広まった意味: その中でも、一度に大量に作れて栄養バランスが良い鍋料理が最も有名で、

          これが「ちゃんこ鍋」として一般に広く知られています。


2.歴史と名前の由来

内容

【父公(ちゃんこう)説】 料理担当の古参力士や親方を「お父さん」の意で「ちゃん」と呼び、

            そこに「こ」を付けて「ちゃんこ」になったという説。

【中国語由来説】 江戸時代初期に長崎へ巡業した力士が、料理に中華鍋(チャンクォ)を使ったことから、

        鍋料理自体を「ちゃんこ」と呼ぶようになったという説。


3.ちゃんこ鍋の始まり

ちゃんこ鍋が相撲部屋の定番となったのは、明治時代後半に活躍した横綱・常陸山が所属していた出羽海部屋が始まりとされています。

当時、入門者が殺到し、一人ひとりに個別の食事を用意するのが大変になったため、大鍋で一度に大量に作り、

全員で囲んで食べる現在のスタイルが確立されました。これは、大人数を効率的に養うための合理的な方法でした。


4.ちゃんこ鍋のルールと特徴

ちゃんこ鍋は、寄せ鍋や水炊きと似ていますが、相撲界独自の縁起担ぎや目的があります。


1.出汁(ソップ)

ちゃんこの基本は、鶏ガラでダシを取った「ソップ炊き」です。

「ソップ」の由来: オランダ語で「スープ」を意味する"soep"から転じたと言われています。


鶏肉を好む理由(縁起担ぎ): 相撲では、土俵に「手をつく」=「負け」とされています。

鶏は二本足で立ち、手をつかない(四足歩行ではない)ため、縁起が良いとして昔から好んで使われました。


このため、かつては牛や豚などの四足歩行の肉を使うことは避けられていましたが、現在では、味のバリエーションとして使用されています。


ちなみに、細身の力士のことを、鶏ガラのように細いことから「ソップ型」と呼ぶこともあります。

※中台中のみなさんは、常盤山部屋との交流があるため、よく知っていますよね!?


2.具材と味付け

具材: 鶏肉、魚介類、季節の野菜(白菜、ネギ、人参など)、きのこ類、豆腐、油揚げなど、非常に多種多様な食材が入ります。

栄養バランスと、力士の体を大きくするためのカロリー摂取が目的です。

肉団子: 白星を連想させることから、鶏や豚の肉団子を具材として入れるのが定番です。

味付け: 決まった味付けはなく、相撲部屋によって代々受け継がれた独自の味があります。

醤油味(最もポピュラー)

味噌味

塩味

キムチ味など


3.食のスタイル

ちゃんこ鍋は、力士たちが一つの鍋を囲んで食べるため、連帯感を高め、師匠が弟子の食事稽古を見渡す上でも

合理的な食事形態だとされています。具材をたっぷりと煮込むため、栄養価が高く、お腹を壊す心配が少ないのも特徴です。

最近では、引退した力士が相撲部屋の味を再現した「ちゃんこ鍋店」を経営し、一般の人々にも広く親しまれています。


糸寒天

糸寒天(いとかんてん)は、日本の伝統的な食材である寒天の一種で、細く糸状に加工されているのが特徴です。

健康や美容に良いとして、近年特に注目されています。


糸寒天の基本情報と特徴

1.原料と製法

原料: 主に天草(テングサ)やオゴノリといった紅藻類の海藻を原料としています。

   特に、伝統的な製法で作られる糸寒天は天草100%のものが多いです。


製法:天草などを煮出して濾し、冷やし固めてところてんを作ります。

   そのところてんを、専用の道具(天突き器)で細く糸状に押し出します。

   これを野外の寒天にさらし、凍結・乾燥を繰り返す伝統的な工程を経て作られます。

   この昔ながらの製法は、特に信州(長野県)などの寒冷地で冬季に盛んに行われ、凍てつく寒さと日差しによって、

   独特の食感と栄養価が生まれます。


2.食感と料理での特徴

食感: 水で戻すと、弾力があり、ツルン、プリッとした独特の食感になります。

   この食感は、粉寒天や角寒天とは異なり、和菓子などのプロからも高く評価されています。

味・香り: ほぼ無味無臭で、他の料理の味や香りを邪魔しません。

調理の手軽さ: 水に戻してそのまま使える料理が多く、手軽に食物繊維を摂取できるのが魅力です。


糸寒天の栄養と健康・美容効果

寒天は、その成分のほとんどが食物繊維であり、非常にヘルシーな食材として知られています。


特徴 詳細

低カロリー・ノンカロリー 成分の大部分が食物繊維と水分なので、ほぼカロリーはゼロです。ダイエット中の食材として最適です。

豊富な食物繊維 寒天は水溶性・不溶性の両方の食物繊維をバランス良く含んでいます。

        特に水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。

整腸作用・便秘解消 食物繊維が水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やし、腸の動きを活発にすることで便秘解消に役立ちます。

          ただし、寒天を食べる際は水分をたっぷり摂ることが重要です。

生活習慣病予防 寒天を食事前に摂ることで、胃の中で膨らみ満腹感を得やすくなるため、食事量のコントロールに役立ちます。

        また、血糖値やコレステロール値の上昇を緩やかにする効果も期待されています。

アガロペクチン 伝統製法の天然糸寒天には、工場生産の寒天には少ないとされるアガロペクチンという成分が豊富に含まれており、

        これがコレステロール低下作用や美肌作用など、より高い健康効果をもたらす可能性が研究されています。


今日の給食には、東京都の想いがずっしりと詰まっていましたね。

もちろん、東京を代表するメニューは、江東区の深川めしや、練馬大根などなど、あげればきりがありません。

給食を通じて、郷土愛を深めることも、また味わい深いですね。

今日も、栄養士さんをはじめ、給食室のみなさんへの感謝の気落ちを忘れずに、

噛み締めていただきましょう。地元の味を!



      記事 風見 一統