学校日記

おいしい給食「スパゲティーあけぼのソース」BOOKメニューの日

公開日
2026/03/06
更新日
2026/03/06

日々の様子

3月6日(金)BOOKメニューの日「ふしぎな図書館」

今日のメニューは、スパゲティーあけぼのソース、かぼちゃのソース、牛乳です。

今日は、毎月恒例のBOOKメニュー給食。

今日は、村上春樹著の『ふしぎな図書館』です。

有名な作品なので、みなさんも知っていますね。

著者:村上春樹

村上春樹(むらかみ はるき)は、日本のみならず世界中に熱狂的な読者(ハルキスト)を持つ、現代文学を代表する小説家です。

彼のスタイルは「デタッチメント(関わりのなさ)」から「コミットメント(関わり)」への変遷、

そして現実と非現実が地続きになったジックリアリズム的な世界観が特徴です。


村上春樹という作家を理解するためのポイント


1. 独特な文学スタイル村上作品を形作る主な要素

翻訳調の文体: デビュー作『風の歌を聴け』を執筆する際、

一度英語で書いてから日本語に翻訳するという手法をとったため、

従来の日本文学にはない軽やかで無機質なリズムが生まれました。

「僕」と孤独: 初期作品の多くは、都会で一人静かに暮らす、少し冷めた独身男性の視点で描かれます。

メタファー(暗喩): 井戸の底、羊、壁、二つの月など、現実離れしたシンボルが物語の鍵を握ることが多いです。

西洋文化の投影: クラシック、ジャズ、パスタ、ウィスキー、海外文学など、西洋的な記号が物語を彩ります。

2. 代表作の分類

彼の作品は、そのボリュームやテーマによっていくつかに分けられます。

三部作『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』青春の喪失感を描いた、

いわゆる「鼠」シリーズ。

世界的ベストセラー『ノルウェイの森』100%の恋愛小説。

この作品で爆発的な人気を獲得。長編大作『ねじまき鳥クロニクル』『1Q84』『騎士団長殺し』

歴史的な暴力や悪の問題に深く切り込む重厚な物語。

短編集『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』短編の名手としても知られ、独特の不思議な読後感。

3. 作家としての横顔小説以外にも、彼のライフスタイルそのものが注目されることが多いです。

ランナー: 毎日10km近く走ることで知られ、走ることは執筆に必要な体力を

維持するための儀式のようなものだと語っています

(著書『走ることについて語るときに僕の語ること』に詳しいです)。

翻訳家: レイモンド・カーヴァーやフィッツジェラルドなど、アメリカ文学の翻訳も精力的に行っています。

ノーベル文学賞: 毎年、秋になると「今年こそ受賞か?」と世界中で話題になるのが恒例行事となっています。

村上春樹の作品は、論理的に理解しようとするよりも、

「心地よい音楽を聴くように、その世界観に浸る」のが一番の楽しみ方かもしれません。


ふしぎな図書館

1. 『ふしぎな図書館』について

この作品は、もともと1982年に発表された短編『図書館奇譚』をベースに、

村上春樹さんとイラストレーターの佐々木マキさんがコラボレーションして生まれた絵本のような一冊です。


あらすじと内容

設定: 主人公の「ぼく」が、オスマン帝国の税収政策について調べるために近所の図書館を訪れるところから始まります。


地下の迷宮: 案内された地下の107号室には、不気味な老人が。

老人は「貸し出し禁止の本だからここで読め」と言い、ぼくを迷路のような地下廊下の奥にある牢屋に閉じ込めてしまいます。


目的: 老人の目的は、「知識が詰まってパンパンになった人間の脳みそを吸うこと」。

ぼくは一ヶ月かけて本の内容を丸暗記し、その後に脳を差し出すよう命じられます。


協力者: 牢屋の中で、ドーナッツを運んでくれる「羊男」や、壁を通り抜けて現れる透明な「美少女」と出会い、

彼らの助けを借りて脱出を試みます。


【ポイント】

単なる児童書ではなく、村上春樹特有の「喪失」や「孤独」が漂うダークファンタジーです。

ラストシーンは、現実に戻ったのか、それとも別の世界に迷い込んだのか……読者に静かな衝撃を与えます。


2. かぼちゃのドーナッツについて

『ふしぎな図書館』を語る上で欠かせないのが、この「かぼちゃのドーナッツ」です。


作中の役割: 地下牢に閉じ込められた「ぼく」に、羊男が食事として運んできてくれるのが、揚げたての「かぼちゃのドーナッツ」です。


描写の魅力: 村上作品には魅力的な食べ物がたくさん登場しますが、このドーナッツもその一つ。

羊男が揚げたサクサクのドーナッツは、恐怖と絶望の中にいる「ぼく」にとって、唯一の安らぎとして描かれています。


シンボル: 羊男と「ぼく」をつなぐ、温かいコミュニケーションの象徴でもあります。


余談: このドーナッツがあまりに美味しそうに描かれているため、読者の間では「村上春樹レシピ」を

再現しようとする人も多く、かぼちゃを練り込んだ素朴なドーナッツはファンの間での定番メニューになっています。


おすすめの楽しみ方

『ふしぎな図書館』は、佐々木マキさんのシュールな絵と一緒に読むことで、その奇妙さがより際立ちます。

もし未読であれば、ぜひ絵本版を手に取ってみてください。


今週も、あっという間に金曜日を迎えました。

この後は、今年度最後の7,8年生の保護者会も予定されています。

学校も、残りは3週です。9年生は2週。

徐々に、次のステージに向けての足音が聞こえてきそうですね。


季節は巡りますが、人は、食べることに変わりはありません。

感謝の気持ちを忘れずに、美味しく頂きましょう。



                  記事 風見 一統