戦後80年の節目!ですね。
- 公開日
- 2025/07/04
- 更新日
- 2025/07/04
日々の様子
8年生の国語です。
夏休み前の今、学びたい!
「壁に残された伝言」
1. あらすじと構成
発見:広島・袋町小学校の階段近くで壁が剥がれ、白いチョークの文字が浮かび上がる(原爆直後に書かれたと推定)
保存の仕組み:「煤(すす)」で黒くなった壁に書かれたチョーク文字が、壁の剥離・再塗装などの偶然で、チョーク部分が保護され、白黒逆転して残った
筆者の感情:筆者は偶然の偶然を感じつつ、伝言に込めた「思い」に深く心を揺さぶられ、涙する。
伝えたいこと:「被爆体験の記憶を後世へ伝える“証人”としての役割」を、この「伝言」が果たしていると主張
2. 押さえておきたいポイント
発見のメカニズム:「煤壁+チョーク+数か月以上の放置+再塗装→剥離」で文字が浮かび上がる
筆者の心情:「驚き」「涙」「伝えたい思い」に注目。特に「涙を流した理由」は、書いた人の苦しみが伝わったから
筆者の意図:「これは単なる遺物ではなく、後世に“伝えるべき証言”である」という主張
3. よく出る設問と模範回答例
問題 回答例
漢字の読み書き 壁面(へきめん)、薄れて(漢字で「薄れて」)
語句の意味 「凄惨」:ひどくむごたらしいようす
筆者が「そのままにしてはいけない」と思った理由 戦争の記憶を後世に伝えるため
「涙を流した」理由 書いた人の無念や苦しみが伝わってきたから
「被爆の伝言」とは何か 「現代の私たちに、あの日のことを語ってくれる遺産であり、証人である」
4. 学習のコツ
段落構成:発見→保存メカニズム→感情→伝えたいこと、の構成を意識して読み解く。
記述対策:問いに対して「筆者がどう感じたか」「何を伝えたかったか」を具体的に抜き出し、自分の言葉で20〜30字以内にまとめる練習。
キーワード:「被爆」「伝言」「保存メカニズム」「証人」「後世へ伝える」。
おさらい編!
◆ 舞台
広島市にある「袋町小学校」。原爆の爆風で焼けた建物の中、50年以上経ったあとに壁の下から白い文字が見つかる。
◆ 発見された「伝言」
・文字はチョークで書かれたようで、
・「だれだれへ」「〇〇はここにいる」など、人を探したり伝えたりする内容。
・原爆投下直後、助けを求めたり、家族を探す人たちが書いたと考えられる。
◆ なぜ残ったのか?
・文字はすぐ消えるチョークなのに、なぜか残っていた。
・理由は:
- 壁に「煤(すす)」がついていた
- その上にチョークで書かれた
- そのまま壁が塗り直され、時間が経ち、塗装がはがれた
→ チョークの部分だけ白く残っていた(偶然の奇跡)
◆ 筆者の気持ち
・この伝言を見たとき、筆者は思わず涙を流した。
・それは、書いた人の「不安」「苦しみ」「家族への思い」が、時を超えて伝わってきたから。
◆ 伝えたいこと(主題)
伝言は、ただの落書きではない。
原爆の体験を語る「証人(しょうにん)」であり、戦争の悲惨さを後世に伝える大切な記録。
「この壁の文字を見た私たちが、しっかり受け止め、伝えていくべきだ」と筆者は訴える。
まとめ
「壁に残された伝言」は、原爆直後に人々が家族に思いを伝えようと書いたメッセージであり、戦争の記憶を今に伝える証人として大切に残すべきものだ、という筆者の思いをつづった作品。
とても、読み応えがあり、考えさせられますね。
昨年は、沖縄慰霊の日「平和の詩」~モンゴル800の詩に込められた願い~ 「字のない葉書」を通して、
実際に、沖縄戦や原爆についての「探究学習」を行いました。
今年は、戦後80年という節目の年です。
視点を変えて、様々な角度から、ぜひ探究してほしいと思います。
記事 風見 一統