26年ぶりの白衣
- 公開日
- 2026/01/19
- 更新日
- 2026/01/19
日々の様子
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9年生の理科です。
家庭科とコラボして、
なんとなんと、校長先生が授業を実施してくれました。
思い出に残る時間となりましたね。
今日のために、校長先生は、自宅のタンスの奥から
当時の白衣を引っ張り出して、持参してくださいました。
家庭科の先生と息を合わせて、生徒を笑わせながら、大切な話の時には、
生徒をひきつけて、メリハリある授業を実施していました。
今日は、家庭でよくある汚れを理科の力で落としましょう!ということで、
「汚いものを、綺麗にしちゃうぞ!」を旗印に、
生徒も活動に取り組みました。
中学校の理科で学ぶ「酸とアルカリの中和反応」の知識を、家庭科(お掃除)に活かすのは非常に賢い方法です。
こうした取り組みは、校長先生の発案によるもので、中台中が8年間研究実践し続けているコラボ授業の根幹です。
汚れには「性質」があり、反対の性質を持つ洗剤を使うことで、化学反応によって汚れを中和・分解して落とすことができます。
1. 汚れを落とす「中和」の基本
汚れの性質と、それを落とすための洗剤の組み合わせについて
汚れの性質 代表的な汚れ おすすめの洗剤(液性)
酸性 油汚れ、皮脂、手垢、焦げ付き アルカリ性(重曹、セスキ、石鹸)
アルカリ性 水垢(鏡や蛇口)、石鹸カス、尿汚れ 酸性(クエン酸、お酢、レモン汁)
2. 酸・アルカリ別:お掃除の実践ガイド
今回は、「リトマス紙」を利用して、「酸性」「アルカリ性」を判別しました。
【アルカリ性】で落とす(酸性の汚れに)
家庭で使いやすいアルカリ剤は「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」です。
キッチンの油汚れ: 換気扇のベトベトは、油(酸性)が主成分。アルカリ性のセスキ水で拭くと、油が乳化して溶け出します。
焦げ付き: 鍋の焦げに重曹を入れて煮立てると、アルカリの力で焦げが浮き上がります。
手垢・皮脂: ドアノブやスイッチの汚れも皮脂(酸性)なので、セスキ水が効果的です。
【酸性】で落とす(アルカリ性の汚れに)
家庭で使いやすい酸は「クエン酸」です。
水垢(シンク・鏡): 水道水に含まれるミネラル分が固まった「水垢」はアルカリ性。
クエン酸パックをすると、溶けてスッキリ落ちます。
ポットの洗浄: ポット内部の白いガリガリした汚れもアルカリ性なので、クエン酸を入れてお湯を沸かすと中和されます。
3. 絶対に守るべき注意点
化学反応を扱うため、安全のために以下のルールは必ず守りましょう。
「混ぜるな危険」: 塩素系漂白剤(アルカリ性)と酸性洗剤(クエン酸など)を混ぜると、
猛毒の塩素ガスが発生します。絶対に同時に使わないでください。
素材へのダメージ:
アルミはアルカリに弱く、黒ずんでしまいます。
大理石は酸に弱く、溶けてツヤがなくなります。
中和のしすぎに注意: 「重曹とクエン酸を混ぜて泡立てる」掃除法がありますが、
実は混ぜた瞬間に中和されて洗浄力が落ちてしまいます。「泡の力で浮かせる」目的以外では、別々に使うのが効率的です。
家庭では、やはり目につく場所といえば・・・
お風呂の鏡の白い「ウロコ状の汚れ」ですね。
これは水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が固まったもので、
性質は「アルカリ性」です。
理科の知識を活かすなら、「酸」の力でこのアルカリ汚れを中和して溶かすのが最も効果的です。
用意するもの
クエン酸(粉末またはスプレー)
キッチンペーパー
ラップ
水
「クエン酸パック」の手順
ただ洗剤をかけるだけでは流れてしまうため、「密着させて反応させる時間」を作るのがポイントです。
クエン酸水を作る
水200mlに対してクエン酸小さじ1杯を混ぜます(スプレーボトルがあると便利です)。
パックする(密着)鏡全体にキッチンペーパーを貼り付け、その上からクエン酸水をたっぷりスプレーして浸します。
蒸発を防ぐ(ラップ)さらにその上からラップを被せて密閉します。これにより、酸が汚れの奥まで浸透します。
放置(中和反応の時間)汚れの度合いによりますが、1時間〜半日ほど放置します。
こすり落として流すラップを丸めてスポンジ代わりにし、汚れを円を描くようにこすります。
最後は水でしっかり洗い流し、乾いた布で水分を完全に拭き取ってください(水分を残すとまた水垢になります)。
理科の視点で解説:なぜ落ちるの?
鏡のウロコ(炭酸カルシウムなど)に酸性のクエン酸を加えると、化学反応が起こります。
このように、ガチガチに固まった結晶を「溶かして崩す」のが中和掃除の仕組みです。
注意点
曇り止め加工鏡には注意: 特殊なコーティングがしてある鏡にクエン酸を使うと、コーティングが剥げてしまうことがあります。
隅の方で試してから行ってください。
絶対に混ぜない: カビ取り剤(塩素系)が残っている状態でクエン酸を使うと危険です。必ず別の日に行いましょう。
もしこれでも落ちない場合は…数年放置した非常に硬いウロコは、化学反応だけでは崩れないことがあります。
その場合は、ダイヤモンドパッドなどの「物理的な研磨」を組み合わせる必要があります。
今日は、9年生は、校長先生と一緒に、とっても賢くなれたことでしょう。
校長先生は、久しぶりの理科の授業で、とっても楽しかったそうです。
記事 風見 一統