おいしい給食「あげどん風ご飯」~BOOKメニュー~
- 公開日
- 2025/10/28
- 更新日
- 2025/10/28
日々の様子
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10月28日(火)BOOKメニュー
今日のメニューは、あげどん風ご飯、ししゃもの南蛮津漬け、吉野汁、牛乳です。
BOOKメニュー給食の日。
今日の本は、絵本『こんとあき』です。
絵本『こんとあき』は、林明子さん作・絵の、長く愛されている名作です。
『こんとあき』の物語
物語は、主人公の女の子「あき」と、あきのおばあちゃんが作った
キツネのぬいぐるみ「こん」の深い絆と冒険を描いています。
こんのほころび
こんは、あきが赤ちゃんの頃からいつも一緒。あきが成長するにつれ、
こんはだんだん古くなり、とうとう腕がほころびてしまいます。
旅立ち
こんは、「さきゅうまち」(砂丘の町)に住むおばあちゃんに直してもらおうと決心し、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とあきに告げて一人で出かけようとします。
しかし、あきはこんについて行くと言い、二人は一緒に特急列車に乗って旅に出ます。
汽車でのハプニングとお弁当
旅の途中、次の駅でお弁当を買うことになります。こんは「あきちゃんは まってて。
5ふんかん ていしゃだから だいじょうぶ」と言って、一人で買いに行きます。
しかし、お弁当を買って戻ろうとした際、列車のドアにこんのしっぽが挟まってしまうというハプニングが発生します。
無事に戻ったこんは、あきに「だいじょうぶ、だいじょうぶ。おべんとう、まだ あったかいよ」と言い、
二人はお弁当を一緒に食べます。
このお弁当が、きつねの好物の油揚げを使った「あげどん弁当」です。
砂丘での困難
「さきゅうえき」に着いた二人は、おばあちゃんの家へ向かう途中で砂丘に立ち寄ります。
そこで遭遇した犬に、こんが砂の中に埋められてしまうという大きな困難に見舞われます。
あきは懸命にこんを掘り出し、背中に負ぶって歩き続けます。
おばあちゃんの家へ
こんは小さな声で「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言うだけになってしまいますが、
あきは諦めずにおばあちゃんの家へ辿り着き、「おばあちゃん、こんをなおして!」とお願いします。
再生
おばあちゃんは、こんの腕を直すだけでなく、きれいに洗って毛並みを整えてくれます。
こんはまるで出来たてのようにきれいになり、尻尾も元通り立派になります。
次の次の日、こんとあきは元気に家に帰るのでした。
「あげどんふうべんとう」について
絵本の中で、こんとあきが汽車の中で食べるお弁当は、具体的な名前は出てきませんが、
こん(キツネ)が選んだお弁当であり、その後の関連企画や、絵本に登場する料理を再現したレ
シピなどで「あげどん(あげ丼)弁当」として親しまれています。
登場シーン:
こんが汽車を降りて買いに行き、しっぽをドアに挟まれながらも持ち帰るお弁当です。
このお弁当を、あきとこんが仲良く分け合って食べるシーンは、二人の旅のハイライトの一つです。
「あげどん」の特徴:
きつねの好物である油揚げを使った料理です。
一般的に「あげどん」のレシピは、甘辛く煮た油揚げ(お揚げ)を、
炒り卵などを混ぜたご飯の上にのせた丼(または弁当)の形で再現されることが多いです。
後日談・レシピとして:
福音館書店の特設サイトなどでは、おばあちゃんが帰りの汽車のために作ったという設定の
「あげどん弁当」のレシピが紹介されています。
このレシピでは、甘辛い油揚げの煮物をのせたご飯と、
おばあちゃん特製のスウィートポテト・プリンがセットになっています。
プリンは、絵本の中でお弁当と一緒に描かれていた描写に基づいているようです。
「あげどんふうべんとう」は、こんの好物であり、あきとの旅の思い出の味として、
物語を温かく彩る重要なアイテムとなっています。
給食では、卵そぼろのかわりにコーンを使っています。
吉野汁
「吉野汁(よしのじる)」は、日本の伝統的な汁物の一つで、その名前は奈良県の有名な特産品に由来しています。
1. 吉野汁とは
吉野汁とは、すまし汁にくず粉(葛粉)を溶いてとろみをつけた汁物のことです。
名前の由来: 葛(くず)の主産地として知られる奈良県の吉野地方にちなんで名付けられました。
「吉野〜」とつく料理には、葛粉を用いてとろみをつける「吉野仕立て」という意味合いがあります。
特徴:
葛粉によって生まれる、つるりとした滑らかな口当たりが特徴です。
とろみがついているため冷めにくく、特に寒い時期には体が温まる汁物として重宝されます。
すまし汁の風味を損なうことなく、献立に変化をつけることができます。
2. 具材(種)
具材(種)には、淡白な味のものが適しています。季節や好みによって様々なものが使われます。
魚介類: タイ、ヒラメ、ハモ、シラウオ、貝類、エビ、など。
肉類: 鶏肉(ささみ、もも肉など)。
野菜・きのこ類: 里芋、れんこん、たけのこ、しいたけ、にんじん、かぶ、そら豆など。
具材を煮て調味したすまし汁に、水で溶いた葛粉を加えてとろみをつけ、
最後に青ネギや生姜などを散らして仕上げることが多いです。
3. 吉野葛(くず粉)について
吉野汁の由来となる「葛粉」は、マメ科のつる性多年草であるクズ(葛)の根から採れるでんぷんを精製したものです。
吉野本葛(よしのほんくず):
吉野地方で、伝統的な製法である「吉野晒し(よしのざらし)」という、
寒中に何度も水にさらして不純物を取り除く工程を経て作られます。
これは葛でんぷんを100%使用した最高級品で、粒子が細かく、コシや粘りがあり、滑らかな食感が特徴です。
現代の代用:
葛粉は貴重で高価なため、現在では、手軽に手に入る片栗粉(じゃがいものでんぷん)で
とろみをつけることが一般的になっています。
片栗粉でとろみをつけた場合でも、慣習として「吉野汁」と呼ぶことが多いです。
このように、吉野汁は、葛粉のとろみによる「口当たりの良さ」と「保温性」が特徴の、
日本料理における上品な汁物です。
板橋区は、「絵本のまち板橋」を謳っています。
絵本=小さな子どもが読むものという固定概念がありますが、
実際に読んでみると、大人まで楽しめますよね。
今年は、東野圭吾さんも、人気シリーズの「クスノキ」の絵本を
発表しましたね。
小説の内容が、小さな子どもでもわかるように描かれていて
感動しました。
みなさんは、板橋区民なので、なおさら絵本にたくさんふれて、
郷土愛を高めていってほしいと思います。
今日は、夢がある給食メニューでしたね。
給食室のみなさんへの感謝を忘れずに、いただき、ぜひ帰ったら、
『こんとあき』をチェックしてみてくださいね。
みなさんから、栄養士さんへ絵本メニューリクエストがあってもいいんではないですか!?
記事 風見 一統