おいしい給食「衣笠丼」
- 公開日
- 2025/09/19
- 更新日
- 2025/09/19
日々の様子
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9月19日(金)☆彡修学旅行メニュー☆彡
今日のメニューは、衣笠丼、権座、京風味噌汁、牛乳です。
衣笠丼は、京都発祥のご当地丼として知られています。
甘辛く煮た油揚げと青ネギを、溶いた卵でふんわりととじたシンプルな丼ぶりです。
肉類を使わないのが特徴で、だしの味が染みた油揚げのジューシーなうま味と、優しい卵の味わいが楽しめます。
仕上げに粉山椒をかけると、風味が豊かになり、より美味しくなります。
名前の由来
衣笠丼という名前は、京都市にある衣笠山(きぬがさやま)に由来すると言われています。
平安時代、宇多天皇が真夏に「雪景色が見たい」と所望した際、家臣が山に白い絹の布をかけて雪山に見立てたという伝説があります。
この「絹を笠(かぶる)せた山」の様子が、白い卵と茶色い油揚げ、そして緑のネギがのった丼ぶりと似ていることから、
「衣笠丼」と名付けられたとされています。
この、風流な名前の由来もまた、京都らしい文化を感じさせます。
きつね丼との違い
衣笠丼と似た丼ぶりに「きつね丼」があります。両者は甘辛く煮た油揚げが具材である点で共通していますが、
一般的には以下のように区別されることが多いです。
衣笠丼: 油揚げとネギを卵でとじる
きつね丼: 油揚げとネギを卵でとじない(そのままご飯の上にのせる)
ただし、この呼び分けは地域によっても異なり、厳密な定義があるわけではありません。
京都ではこの「卵でとじる」タイプを「衣笠丼」と呼ぶのが一般的です。
素朴で優しい味わいの衣笠丼は、京都のうどん屋さんや食堂で昔から愛されている、地元に根付いた料理です。
奈良県の郷土料理である「権座」とはいったい・・・!?
どんな料理?
「ごんざ」は、大根、人参、里芋といった根菜類を中心に、厚揚げやこんにゃく、昆布などを入れた醤油味の煮物料理です。
いわゆる「ごった煮」のようなもので、具材の旨味がだしに溶け出し、素朴ながらも味わい深いのが特徴です。
名前の由来
「ごんざ」という名前の由来には、いくつかの説があります。
「ごった煮」がなまった説:
「ごった煮」が時代とともに「ごった」から「ごんざ」へと発音が変化したという説です。多くの具材を一緒に煮込む料理の様子をよく表しています。
「権座」の神事からくる説:
秋祭りなどの神事の際に、氏神様にお供えする料理を「権座」(神様が座る場所)と呼んだことに由来するという説です。
この説は、ごんざが単なる日常の食事ではなく、行事食としての特別な意味を持っていたことを示唆しています。
食べる時期と習慣
ごんざは、主に秋の収穫を祝うお祭りや行事の際に作られ、食べられてきました。
秋祭り: 奈良県の中央部にあたる大和国中(やまとくんなか)の農村では、秋祭りの宵宮(よいみや)に、
その季節に収穫された野菜を使って大量のごんざを作り、お神酒と共に氏神様にお供えし、
氏子(うじこ)たちで分け合って食べる習慣がありました。
十夜法要: 浄土宗の寺院で10月から11月にかけて行われる「十夜法要」という行事の際にも、小豆粥などと一緒にごんざが食べられていました。
このように、ごんざは昔から地域の人々が豊作を喜び、神様や仏様に感謝する気持ちを込めて作られてきた、
奈良の暮らしと信仰に深く結びついた郷土料理です。
「京風味噌汁」とは?
主に京都で食べられる味噌汁のことで、他の地域の味噌汁とは異なるいくつかの特徴があります。
主な特徴
白味噌の使用:
京風味噌汁の最も大きな特徴は、白味噌(西京味噌)を使うことです。
一般的な赤味噌や合わせ味噌に比べて、米麹の割合が多く、塩分が控えめで、まろやかな甘みが強いのが特徴です。
この甘みととろみが、京風の優しい味わいを生み出しています。
上品なだしの旨味:
京都の食文化は、素材の味を活かした繊細なだしが基本です。
京風味噌汁のだしは、昆布と鰹節を丁寧に合わせたものが主流です。
だしをしっかりとることで、味噌の風味を邪魔せず、全体の味を上品に引き立てます。
具材の選び方と盛り付け:
具材は、季節の野菜や京野菜、生麩(なまふ)、湯葉などがよく使われます。
具材はあまりごちゃごちゃと入れず、素材そのものを味わえるようにシンプルに盛り付けることが多いです。
お雑煮との関連:
特に正月のお雑煮は、白味噌仕立てが一般的です。丸餅を使い、具材は里芋、大根、金時人参など、縁起の良いものが使われます。
他の地域の味噌汁との違い
関東風:
味噌: 赤味噌や合わせ味噌が主流で、塩分がやや高めです。
だし: 鰹節をメインに使った、しっかりとした風味が特徴です。
具材: 豆腐、わかめ、大根など、定番の具材が多く使われます。
信州風:
味噌: 信州味噌(米味噌)が主流で、辛口で芳醇な香りが特徴です。
だし: 昆布と鰹節の合わせだしが一般的です。
京風味噌汁は、単なる味噌汁ではなく、千年の都で育まれた、素材を大切にする食文化や、
繊細で上品な美意識が凝縮された一品と言えるでしょう。
このように、京都には、長い歴史の中で育まれた独特の食文化があり、数多くの郷土料理が存在します。
これらの料理は、宮廷文化、寺院の精進料理、そして風土から生まれた知恵が結びついています。
1. 京野菜を使った料理
京都は盆地で、寒暖差が大きく、質の良い野菜が育ちます。これらの「京野菜」を使った料理は、京都の食卓に欠かせません。
賀茂なすの田楽(かもなすのでんがく)
丸く大きな賀茂なすを素揚げにし、甘い味噌を塗って焼いたものです。
賀茂なすは皮が柔らかく、身がしまっており、とろけるような食感が特徴です。
すぐき漬け
京都市上賀茂地方で栽培される「すぐき菜」を、乳酸菌で発酵させた漬物です。
独特の酸味と風味が特徴で、千枚漬け、柴漬けと並び「京都三大漬物」の一つとされています。
湯豆腐
京都には、良質な豆腐を作る店が多く、その豆腐を使ったシンプルな湯豆腐は、精進料理の流れを汲む代表的な料理です。
昆布だしの鍋に豆腐を入れ、ポン酢や薬味でシンプルに味わいます。
2. 豆腐・湯葉・生麩(なまふ)を使った料理
寺院が多く、精進料理が発達した京都では、肉や魚を使わない豆腐、湯葉、生麩などが重要な食材です。
湯葉料理
大豆を煮て豆乳を作り、その表面にできた薄い膜をすくって作られる湯葉は、
栄養価が高く、生や揚げ物、煮物など様々な形で料理に使われます。
生麩田楽
もっちりとした食感の生麩を焼き、田楽味噌を塗ったものです。よもぎ麩など、様々な種類があります。
3. 汁物と麺類
京風味噌汁
白味噌(西京味噌)を使った甘くまろやかな味噌汁です。具材はシンプルに、大根や里芋、豆腐などが使われます。
衣笠丼(きぬがさどん)
甘辛く煮た油揚げと青ネギを、卵でとじた丼ぶりです。肉を使わない、京都らしい一品です。
にしんそば
かけそばの上に、甘く煮たにしんの棒煮をのせたものです。魚が貴重だった内陸の京都で、
保存食である身欠きにしんを美味しく食べる知恵から生まれた料理です。
4. 鯖の棒寿司(さばのぼうずし)
かつて若狭湾から京都へ海産物を運んだ「鯖街道」の終点である京都では、鯖は貴重な食材でした。
塩で締めた鯖と昆布をのせた棒状の押し寿司は、京都を代表する名物の一つです。
これらの郷土料理は、単に美味しいだけでなく、京都の風土、歴史、文化、
そして人々の暮らしの知恵が詰まった、貴重な食文化遺産と言えるでしょう。
奈良は、古都として日本の歴史の中心であっただけでなく、
四方を山に囲まれた内陸の地であるため、独自の食文化が育まれてきました。
ここでは、奈良を代表する郷土料理をいくつかご紹介します。
1. 柿の葉寿司(かきのはずし)
奈良を代表する最も有名な郷土料理です。鯖や鮭などの切り身をのせた一口サイズの酢飯を、
殺菌効果のある柿の葉で一つ一つ包んで作られます。柿の葉の香りが酢飯と魚に移り、
さっぱりとした上品な味わいになります。元々は、祭りのごちそうとして各家庭で作られていましたが、
現在ではお土産としても人気があります。
2. 奈良漬(ならづけ)
奈良時代から伝わるとされる伝統的な漬物です。
瓜、胡瓜、茄子などの野菜を、酒粕に何度も漬け替えることで作られます。
独特の香りと深いコク、そして歯ごたえの良さが特徴です。
お茶漬けやご飯のお供として、また、お酒の肴としても親しまれています。
3. 三輪そうめん(みわそうめん)
日本三大そうめんの一つで、奈良県桜井市を中心とする三輪地方で生産される手延べそうめんです。
細く、コシが強く、滑らかな舌触りが特徴です。そうめん発祥の地とも言われており、
夏の暑い時期はもちろん、にゅうめん(温かいそうめん)として冬にも食べられます。
4. 茶がゆ(ちゃがゆ)
奈良の寺院で昔から食されてきたお粥で、「大和の茶がゆ」として親しまれています。
ほうじ茶で炊いたお粥で、ほんのりと茶の香りがするのが特徴です。
食欲のない時でも食べやすく、消化に良いことから、日常の食事としてだけでなく、病気の時などにも重宝されました。
5. ごんざ
大根や人参などの根菜と、こんにゃくや厚揚げなどを入れた甘辛い醤油味の煮物です。
収穫を祝う秋祭りなどの行事の際に作られることが多く、「ごった煮」がなまったもの、
あるいは神事の際の供物「権座」に由来するとも言われています。素朴ながらも、家庭の温かさを感じる味わいです。
6. きのこ汁
吉野地方に伝わる郷土料理で、里芋やこんにゃく、鶏肉などと一緒に、
地元のしめじや椎茸などを入れた汁物です。山で採れる食材をふんだんに使い、素朴ながらも深い味わいが楽しめます。
これらの郷土料理は、奈良の風土や歴史、そして人々の知恵が凝縮されたものであり、
奈良を訪れる際にはぜひ味わいたい食文化ですね。
給食も、9年生の修学旅行に向けた応援メニューになっています。
先取りで、京都・奈良の古都食文化を味わえたのではないでしょうか。
実際に、現地で食に触れる機会を大切にしてほしいと思います。
本場は、やはり格別です!
郷土料理を再現できる、栄養士さんをはじめ、給食室のみなさんへの
尊敬の念と感謝の気持ちをもって、特に9年生は、
来週からはじまる修学旅行を、五感でフルに堪能してきてください。
うらやましいぞー!いってらっしゃい!
記事 風見 一統