学校日記

おいしい給食「十和田ばら焼き丼」~青森郷土料理~

公開日
2025/11/20
更新日
2025/11/20

日々の様子

11月20日(木)青森郷土料理献立

今日のメニューは、十和田バラ焼き丼、せんべい汁、りんご、牛乳です。


青森県の概要

青森県は本州の最北端に位置し、津軽(つがる)、南部(なんぶ)、下北(しもきた)の

大きく3つの地域に分けられます。それぞれの地域で文化や方言、食生活に特色があります。


県庁所在地: 青森市

主な都市: 弘前市、八戸市など

自然:

世界遺産: 白神山地(しらかみさんち)のブナの原生林

湖: 十和田湖(とわだこ)、八甲田山(はっこうださん)

海: 津軽海峡、陸奥湾(むつわん)、太平洋に囲まれています。


 主な産業と特産品

青森県といえば、やはりりんごが有名です。

りんご: 生産量、作付面積ともに日本一。「ふじ」「つがる」「王林」などが特に知られています。

にんにく: 生産量が日本一です。

漁業: 陸奥湾のホタテ、大間のマグロ、八戸のイカ漁などが盛んです。

米: 「青天の霹靂(せいてんのへきれき)」や「まっしぐら」といったブランド米があります。


 青森県の郷土料理

新鮮な海産物や豊富な山の幸、そして寒い冬を乗り切るための知恵が詰まった料理が多いのが特徴です。

1.  八戸(はちのへ)せんべい汁

特徴: 鶏肉や魚、きのこ、野菜などが入った汁物で、専用の「かやきせんべい(おつゆせんべい)」

  割って入れ、煮込んで食べます。

ポイント: せんべいが汁を吸い、独特のモチモチとした食感になるのが特徴です。八戸を中心とした南部地方の料理です。


 2. 貝焼き味噌(かやきみそ)

特徴: 大きなホタテの貝殻を鍋代わりにして、だしで溶いた味噌とホタテやネギなどの具材を煮込み、最後に溶き卵でとじた料理です。

ポイント: 陸奥湾周辺の漁師料理がルーツとされ、特に滋養があることから、昔は病人のための料理としても作られていました。


3.  けの汁(けのしる)

特徴: 大根、人参、ごぼうなどの根菜や、わらび、ぜんまいなどの山菜、凍み豆腐、豆などを細かく刻み、味噌仕立てで煮込んだ汁物です。

ポイント: 津軽地方で主に作られ、小正月に神様にお供えする行事食でもあります。具材を細かく刻むのは、

    手間はかかりますが、体が温まり消化にも良いという知恵が込められています。


4. いちご煮

特徴: ウニとアワビを使った高級な潮汁です。

ポイント: 汁の中に沈むウニの姿が、野いちごのように見えることからこの名前がついています(実際にいちごは入っていません)。

主に八戸や三陸海岸沿いの地域で食べられます。


 青森県の文化と祭り

ねぶた祭り: 青森市の「青森ねぶた」、弘前市の「弘前ねぷた」、五所川原市の「立佞武多(たちねぶた)」が有名です。

巨大な武者人形や扇型のねぷたが街を練り歩く、夏の代表的な祭りです。

津軽三味線: 独奏や激しい演奏スタイルが特徴的な、青森県発祥の三味線音楽です。


観光スポット

奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)・十和田湖: 美しい自然の景観が楽しめる場所です。

弘前城: 江戸時代から残る天守を持つ城で、特に春の桜は圧巻です。

三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき): 縄文時代の巨大な集落跡です。


青森県は、豊かな自然と独自の食文化、そして力強い祭りが魅力的な場所です。


十和田バラ焼き

十和田バラ焼き(とわだバラやき)は、青森県十和田市を代表するB級グルメ(ご当地グルメ)であり、

それを熱々のご飯に盛り付けたものが「十和田バラ焼き丼」です。

シンプルながらもパンチの効いた味付けで、ご飯がすすむ「ソウルフード」として地元で愛されています。


 十和田バラ焼き丼の特徴

十和田バラ焼き丼は、次の2つのシンプルな食材と甘辛いタレが決め手となります。


1. 牛バラ肉と玉ねぎ

具材: 牛バラ肉と大量のタマネギがメインです。豚バラや馬肉を使う店もありますが、基本は牛バラ肉です。

調理法: 鉄板の上で、牛バラ肉とタマネギを炒め焼きにします。

ポイント: タマネギをじっくり炒めることで、甘みが引き出され、牛バラ肉の旨味と合わさってコクのある味わいになります。


2. 甘辛い醤油ベースのタレ

味付け: 醤油をベースに、にんにくや生姜、砂糖(またはすりおろしりんごなどの甘み)を合わせた甘辛いタレで味付けされます。

ご飯との相性: このタレが肉とタマネギにトロリと絡み、そのまま熱々のご飯にのせることで、

タレがご飯に染み込み、箸が止まらない絶品丼になります。


3. バラ焼き丼のアレンジ

ご飯に盛り付けるバラ焼き丼は、さらに豪華にするために、温泉卵や卵黄(月見)、

刻みネギなどをトッピングすることが一般的です。

とろとろの卵を絡めることで、味がマイルドになり、より深い味わいが楽しめます。


 発祥と歴史

十和田バラ焼きのルーツは、戦後の混乱期に三沢市で生まれたとされています。

発祥の地: 青森県の三沢市(米軍三沢基地の周辺)にある屋台が発祥といわれています。

誕生の背景: 戦後、高価だった牛肉の中で、米軍から安く払い下げられていた脂身の多い「牛バラ肉」や

ホルモンなどを美味しく食べるために工夫されたのが始まりとされています。

プルコギなどの朝鮮半島の食文化がヒントになったという説もあります。


十和田市への広がり: やがて、隣接する十和田市に伝わり、畜産が盛んだった十和田市の食文化に根付き、

         十和田市のソウルフードとして定着しました。


B-1グランプリでの活躍: 「十和田バラ焼き」は、ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」で

広報活動が行われ、全国的な知名度を獲得しました。

(第9回B-1グランプリin郡山でゴールドグランプリを受賞しています)


十和田バラ焼き丼は、地元で愛され、今や青森県南部地方を代表するご当地グルメとなっています。


せんべい汁

青森県八戸市周辺の郷土料理である「せんべい汁」について詳しくご説明します。


せんべい汁とは?

せんべい汁は、青森県の八戸市を中心とした南部地方で古くから食べられている伝統的な郷土料理です。


1. 具材とスープ

スープ: 鶏肉、魚(ウグイやカニなど昔は川魚)、豚肉、または煮干しなどからとっただしをベースにした、醤油味の汁物です。

具材: ゴボウ、ニンジンなどの根菜、きのこ類、ネギ、鶏肉や豚肉などが一般的な具材として使われます。


2. 最大の特徴:「おつゆせんべい」

最大のポイントは、汁物専用に作られた「南部せんべい」を割って汁に入れ、煮込んで食べることです。

このせんべいは「おつゆせんべい」や「かやきせんべい」とも呼ばれます。


食感: 煮込んでも溶け崩れず、だしをたっぷり吸って、まるでうどんやパスタの「アルデンテ」のような、

ツルツル・モチモチとした独特の食感になるのが特徴です。


 発祥と歴史的背景

せんべい汁は、この地域の厳しい気候と「粉食文化」が深く関わって誕生しました。


冷害と粉食文化: 南部地方は、夏場に「やませ」(冷たく湿った北東風)の影響を受けやすく、稲作に適さない土地でした。

そのため、冷害に強い小麦やそば、雑穀などの栽培が盛んになり、米の代わりに粉物を主食とする「粉食文化」が発展しました。


起源: 江戸時代にはすでに食べられていたとされ、当初は、収穫したありあわせの野菜や、

川で獲れた魚、山で獲った鳥獣などを煮込んだ汁物に、

小麦粉で作った南部せんべいをちぎって入れて食べていたのが始まりとされています。


地域おこし: 長い間、地元の家庭でひっそりと受け継がれてきた日常食でしたが、平成に入ってから

「八戸せんべい汁研究所」(通称:汁゛研)という市民団体が中心となって地域おこしのためにPR活動を展開。


全国区へ: 2012年の「B-1グランプリ」(第7回)でゴールドグランプリを受賞したことにより、

全国的な知名度を一気に高めました。


せんべい汁は、寒さを乗り切るための栄養源であり、八戸の知恵と歴史が詰まったソウルフードです。


今日は、校内研修会もあり、給食後にひとクラスを除いて下校です。

しっかりと自主学習に励みましょう。

今日は、青森のソウルフード特集でした。

食材豊かで、青森の良さが前面に押し出されたおいしい給食でしたね。

給食室のみなさんへの感謝を忘れずに、この後も元気に活動しましょう。


 

               記事 風見 一統