おいしい給食「むらくも汁」
- 公開日
- 2025/11/19
- 更新日
- 2025/11/19
日々の様子
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11月19日(水)
今日のメニューは、ご飯、赤魚の塩麹焼き、切り干し大根の和え物、むらくも汁、牛乳です。
むらくも汁
むらくも汁とは、溶き卵をだし汁に流し入れて作る汁物です。
名前の由来
汁の中に溶き流した卵が薄い膜状に広がり、それが空にうっすらとたなびく
「叢雲(むらくも)」のように見えることから名付けられました。
叢雲とは、高積雲の一種で「まだら雲」や「ひつじ雲」とも呼ばれています。
特徴とポイント
とろみをつける: 多くのレシピで、水溶き片栗粉でだし汁にとろみをつけてから溶き卵を流し入れるのが大きな特徴です。
これによって卵が汁の中でふわふわと、または薄い膜状に美しく広がり、「叢雲」のような仕上がりになります。
具材: 鶏肉、豆腐、にんじん、玉ねぎ、長ねぎ、ほうれん草、小松菜、チンゲンサイなど、様々な具材が使われます。
特に給食の献立としてもよく登場するため、野菜をたっぷり摂れる汁物としても知られています。
味付け: かつお節や昆布でとっただしをベースに、しょうゆ(薄口しょうゆを使うことが多い)と塩で調味されます。
薄口しょうゆを使うのは、卵の色をきれいに見せるためです。
作り方の基本的な手順
だしをとる: かつお節や昆布などでだし汁を作ります。
具材を煮る: 鶏肉や硬い野菜(にんじん、玉ねぎなど)をだし汁で煮ます。
調味し、とろみをつける: しょうゆや塩で味を調え、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。
溶き卵を流し入れる: 汁を静かにかき混ぜながら、溶き卵を少しずつ回し入れ、卵が固まりすぎないようにふわっと仕上げます。
仕上げ: 最後に青ねぎや葉物野菜などを加えて仕上げます。
主に給食の定番メニューとしても人気があり、子どもたちにも食べやすい、栄養満点で体が温まる汁物です。
塩麹
塩麹とは塩麹は、米麹(こめこうじ)、塩、水を混ぜて発酵・熟成させた、日本の伝統的な万能調味料です。
みそやしょうゆと並ぶ、日本古来の発酵調味料の一つで、東北地方の伝統的な漬物床である三五八漬けがルーツといわれています。
塩麹の主成分とメカニズム
塩麹の最大の特徴は、麹菌が持つ強力な酵素の働きにあります。
米麹: 蒸したお米に麹菌(アスペルギルス・オリゼー)を繁殖させたもので、塩麹の「うま味」と「甘み」の源です。
麹菌は2006年に日本醸造学会で「国菌」に認定されています。
酵素: 麹菌が作り出す酵素(主にプロテアーゼとアミラーゼ)が、食材の成分を分解します。
プロテアーゼ: 肉や魚などのたんぱく質を分解し、アミノ酸(うま味成分)を生成します。
これにより食材が柔らかく、旨味がアップします。
アミラーゼ: 米麹のでんぷんを分解し、糖(甘み成分)を生成します。
この酵素の働きにより、塩麹はただの塩味ではなく、まろやかな旨味と甘みを備えた調味料となります。
塩麹の使い方(万能調味料として)塩麹は様々な料理に使うことができ、その調理効果が非常に優秀です。
用途
肉・魚の下味旨味アップ・肉質軟化鶏肉や豚肉、魚の切り身に重量の約10%の塩麹を塗り、
1時間~半日漬け込んでから焼く・揚げる。
野菜の漬物まろやかな塩味・旨味きゅうりや大根など好みの野菜と塩麹を揉み込み、冷蔵庫で半日~漬け込む。
炒め物・スープコク出し・風味付け塩の代わりに適量(塩より少なめ)加えて炒めたり、汁物の味付けに使う。
ドレッシング旨味・乳化補助オリーブオイルや酢などと混ぜてドレッシングのベースにする。
ポイント:
塩麹は焦げやすい性質があるため、漬け込んで焼く際は、
表面の粒を軽く拭き取ってから加熱すると焦げ付きを防げます。
健康・美容効果塩麹は栄養価が高く、健康や美容に役立つ効果も期待されています。
消化吸収のサポート: 酵素(アミラーゼ、プロテアーゼなど)の働きで、一緒に食べる食材の消化を助け、
栄養を吸収しやすい形にしてくれます。
疲労回復・美肌効果: 麹菌の代謝過程で生成されるビタミンB群(B1、B2、B6など)が豊富に含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、疲労回復を促します。ビタミンB2やB6は、たんぱく質の代謝に関わり、
肌や粘膜の健康維持を助けます。
腸内環境の改善: 善玉菌のエサとなるオリゴ糖などが含まれており、継続的に摂取することで整腸作用が期待できます。
減塩効果: 塩分自体は含まれますが、酵素の力で食材の旨味とコクが引き出されるため、
通常の塩よりも少ない量で満足感のある味付けができ、結果的に減塩に繋がります。
塩麹の簡単な作り方
塩麹は家庭でも簡単に作ることができます。
【基本の材料と分量】
米麹:100g塩:30〜35g(米麹に対して30~35%程度)
水(ミネラルウォーター推奨):100〜130ml(麹がひたひたになる程度)
【作り方】
混ぜる: 清潔な容器に米麹と塩を入れてよく混ぜ、水を加えてさらに混ぜます。
発酵・熟成: 蓋をゆるめに閉め(ガス抜きのため)、直射日光の当たらない常温の場所に置きます。
毎日かき混ぜる: 1日1回、清潔なスプーンなどで全体を混ぜ合わせます。
完成の目安: 熟成期間は夏場で約1週間、冬場は10日~2週間程度です。
麹の粒が柔らかくなり、ドロリとして、塩の角が取れてまろやかな旨味が出てきたら完成です。
保存: 完成したら冷蔵庫で保存し、約1ヶ月~数ヶ月を目安に使い切ります。
塩麹は、料理の腕を上げ、健康にも役立つ、素晴らしい日本の発酵調味料です。
昨日の「味噌」から今日は「塩」でしたね。
とても食べやすい魚と汁がよく合いましたね。
今日も、給食室のみなさんへの感謝の気持ちを忘れずに、
午後の活動も元気にがんばりましょう。
記事 風見 一統