『HEIWAの鐘』~8B~
- 公開日
- 2025/10/17
- 更新日
- 2025/10/17
日々の様子
8年B組『HEIWAの鐘』
合唱コンクールや卒業式などで非常に人気の高い、平和への力強いメッセージが込められた楽曲です。
基本情報
作詞・作曲仲里 幸広(なかざと ゆきひろ)
編曲白石 哲也原曲シンガーソングライター仲里幸広氏によるソロシングルとして2000年5月にリリース。
合唱曲として2000年7月に沖縄で開催された九州・沖縄サミットで紹介されたことで注目を集め、
その後、白石哲也氏によって合唱曲に編曲されました。
編成混声三部合唱版、同声二部合唱版などが広く歌われています。
教科書掲載高等学校の音楽の教科書にも掲載され、広く普及しました。
楽曲の特徴と魅力
「HEIWAの鐘」は、沖縄出身の仲里幸広氏が、沖縄の歴史や平和への強い願いを込めて作った歌です。
力強いメッセージ性:歌詞は、沖縄戦の歴史や、武器を持たないことを伝えた先人たちの声、そして繰り返される戦争への強い批判と、
未来への希望をストレートに訴えかけます。「ぼくらの生まれたこの地球(ほし)に 奇跡を起こしてみないか」
「平和の鐘は 君の胸に響くよ」という前向きな呼びかけが、特に若者に響く魅力となっています。
勢いのある曲調:曲全体を通して、エネルギッシュで勢いがあり、平和の実現に向けた強い意志と活力が感じられます。
沖縄民謡のようなリズムやメロディラインの影響も見られ、どこか力強く、親しみやすい曲調です。
合唱の構成:掛け合い: 女声と男声が交互に歌い継ぐ「掛け合い」の部分が多く、曲に躍動感とドラマが生まれます。
この掛け合いを正確に行い、声を響かせることが、感動的な表現に繋がります。
クライマックスの盛り上がり: テンポの速いリズムに乗りながら、ハモリと声量を重ねて力強く歌い上げるサビは、
合唱曲としての最大の聴かせどころです。
この曲は、戦争の悲惨さよりも、「平和の力」と「個人の意志」に焦点を当てた、
ポジティブで情熱的な平和の歌として、全国で愛されています。
1. 歌唱(合唱)のポイント
この曲は「平和への決意」を歌うため、勢いと一体感が特に重要になります。
リズムと発音の明瞭さ:
テンポが速く、16分音符など細かい音符が多いので、リズムを正確に刻み、言葉(歌詞)を明確に伝えることが大切です。
特に「唄い踊り 助け合った」のような早口の部分は、滑舌(かつぜつ)の練習を徹底し、言葉がもたれないようにしましょう。
「鐘」の響きと勢い:
曲の出だしやサビなど、音符にアクセントがついている箇所は、ピアノの「鐘の音」のイメージに合わせて、
鋭く、強く、遠くまで響くような発声を意識します。
全体的にエネルギーが必要な曲なので、体力勝負の側面もあります。最後まで声量と集中力を切らさないことが重要です。
掛け合いのタイミングと役割:
男女声が交互に歌う「掛け合い」の部分では、自分のパートが
メイン(主旋律)なのか、サブ(合いの手やハーモニー)なのかを理解し、
役割に応じた音量バランスを意識します。
次のパートへ、メッセージを「受け渡す」気持ちで歌うと、音楽に流れが生まれます。
言葉の対比(表現):
「脅かすことでしか 守ることができないと くり返す戦争(つみ) 忘れゆく 愚(おろ)かな権力(ちから)よ」のような、
戦争の否定的な側面を歌う箇所は、強い怒りや悲しみを込めつつ、
後半の希望的な歌詞へ繋がるよう、感情をコントロールします。
2. 伴奏(ピアノ)のポイント
ピアノは、リズムを引っ張り、曲の躍動感を生み出すドラムのような役割を果たします。
「鐘」の表現:
曲の冒頭や間奏に出てくる、アクセントのついた和音は、まさに「平和の鐘の響き」です。
力強く、脱力を使って、音を遠くに飛ばすようなイメージで演奏します。
リズムの正確さ(左手):
左手が8分音符などで刻むリズムは、この曲の土台です。
シンコペーション(食い込み)を伴うリズムを正確に刻み、合唱に推進力を与えるように演奏します。
伴奏パターンの変化の意識:
全体はリズミカルな伴奏ですが、「脅かすことでしか...」のような歌詞の箇所で、
伴奏が少しなめらかなレガート系に変化することがあります。
この変化を意識的に行うことで、曲の緩急やムードの違いが明確になります。
終わり方:
ノリの良い曲のため、最後の音符までテンポを緩めすぎず、ビシッと力強く締めくくると、かっこいい演奏になります。
3. 指揮のポイント
力強いメッセージとアップテンポな曲調を、どう表現するかがカギとなります。
リズムとテンポの主導権:
速めのテンポを正確に保ち、歌い手がリズムに乗りやすいように、力強く明確な拍(ビート)を打ち出します。
腕を大きく、力強く:
曲調に合わせて、腕全体を大きく使い、特にサビなどのエネルギーが必要な箇所では、大きなアクションで合唱を引っ張ります。
歌詞と表現の誘導:
言葉一つ一つの意味を理解し、その感情の変化に合わせて、表情やジェスチャーで歌い手にメッセージを伝えます。
例えば、「愚かな権力よ」の部分では沈み込むような表現を、「奇跡を起こしてみないか」では前向きに訴えかけるような表現をします。
ブレスの指示:
勢いを保ちつつ、フレーズの切れ目では、全員が揃って息を吸えるように、
ブレス(息を吸う)のタイミングを明確に指示することが重要です。
よみがえれ あの時代(とき)へ 武器を持たぬことを伝えた 先人たちの声を永遠(とわ)に語り継ぐのさ
脅(おびや)かすことでしか 守ることができないと くり返す戦争(つみ) 忘れゆく 愚(おろ)かな権力(ちから)よ
いつか <自由な空が> 虹かかる <翼ひろげゆく> 風に <高く大きな> 幸せ贈るだろう
ぼくらの生まれたこの地球(ほし)に 奇跡を起こしてみないか 拳(こぶし)をひろげて つなぎゆく
心はひとつになれるさ 平和の鐘は 君の胸に響くよ
唄い踊り 助け合った 振り向かず 笑い続けた 誇る島の魂を 永遠に守り抜くのさ
銃声が鳴り響き 海や大地が砕け散る 正義の叫び こだまする フェンスを飛び越えて
君が <一人立てば> 変わるのさ <明日(あす)へ輝いて> ずっと <未来の夢を> ここに残してゆこう
ぼくらの生まれたこの地球(ほし)に 奇跡を起こしてみないか 拳(こぶし)をひろげて つなぎゆく
心はひとつになれるさ 平和の鐘は 君の胸に響くよ
(繰り返し) ぼくらの生まれたこの地球(ほし)に 奇跡を起こしてみないか 拳(こぶし)をひろげて つなぎゆく
心はひとつになれるさ 平和の鐘は 君の胸に響くよ
平和の鐘は 君の胸に響くよ
ララララ ラララララララ ラララ ララララ ラララララララ ラララ
元気な8年生にぴったりな曲調です。
昨年度に、沖縄の戦争の歴史や、平和記念式典についての学習を深めているため、それぞれが、
歌に想いを込めて、熱唱できるのではないしょうか。
アップテンポにも関わらずに、とても感動的な歌詞が巡る楽曲に仕上がっているため、
中学生の一生懸命に、すべてのメッセージが宿ることでしょう。
ぜひ、最高の一曲を、当日披露してほしいと思います。
記事 風見 一統