学校日記

9年 道徳

公開日
2025/10/08
更新日
2025/10/08

日々の様子

9年生の道徳です。

ローテーションで授業が進んでいます。

今日は、大ベテランの先生による、

「風に立つライオン」の道徳授業でした。

さだまさし・・・と言っても、なかなか今の中学生にはピンときませんね。

(本名:佐田雅志)は、1970年代から活動を続ける日本のシンガー・ソングライターであり、

小説家としても成功を収めている国民的アーティストです。

彼の音楽は、叙情的で繊細な歌詞と、ユーモアあふれる軽快なトークが特徴で、

コンサート開催回数は日本のソロアーティストとして史上最多記録を更新し続けています。

「関白宣言」は、社会現象を巻き起こすほどでしたね!今となっては・・・・時代が変わりましたね。

今回の教材は・・・

「風に立つライオン」は、実在の医師の活動に着想を得たさだまさしさんの楽曲、および小説・映画を基にした題材で、

主に「人間の持つ気高さ」や「強い意志と信念を持った生き方」について考えることを目的としています。


1. 背景とあらすじ

この物語は、アフリカ・ケニアで国際医療ボランティアに従事した実在の医師、柴田紘一郎さんにインスパイアされて作られました。

主人公:日本人医師の島田航一郎(または「柴田紘一郎」をモデルとした人物)。

舞台:1980年代後半、ケニアの医療研究施設から派遣された国境近くの戦傷病院。


物語の概要:

航一郎は、現地で内戦による過酷な現実、特に麻薬で戦場に立たされた少年兵たちの姿を目の当たりにします。

彼は、深い心の傷を負った少年兵ンドゥングと真正面から向き合い、献身的な治療と温かい心で接し続けます。

その結果、心を開かなかったンドゥングは救われ、後に自らも医師を目指すまでに成長し、

東日本大震災後の日本を訪れるなど、航一郎の「滅私」の精神と志が受け継がれていく様子が描かれます。


2. 道徳的な主題

主題:「人間の持つ気高さ」

困難に立ち向かい、強い信念を持って生きる人々の姿を通して、人間としての崇高な生き方や、他者への深い思いやり、使命感について考えます。


学習の主な視点

強い意志・信念   困難(風)に直面しても、信念や生きがいを貫き、周りに流されない強い心を持って行動することの大切さ。

献身と奉仕      自分の安全や幸せよりも、他者の命や心を救うために尽くす主人公の生き方から、

            真の優しさや奉仕の心とは何かを考える。

希望の継承    航一郎に命と心を救われた少年兵が、成長して医師となり、

         今度は東日本大震災後の日本を訪れるなど、受け継がれていく「志」について考える。


自分にとっての「風に立つライオン」 主人公のような生き方を踏まえ、

「自分にとっての困難(風)とは何か」、そして

「自分はどのように風に立ち向かい、どんな生き方をしていきたいか」を自己を見つめながら具体的に考える。


3. 道徳の授業で重視される点

多面的な視点:単に感動で終わるのではなく、主人公の内面の葛藤(日本に残した恋人との別れ、過酷な現実への絶望など)にも目を向け、

多角的に物事をとらえる力を養います。


主体的な考察:物語の内容を追うだけでなく、「自分事」として捉え、「もし自分だったらどうするか」

「この物語から自分の生き方で何を大切にしたいか」を自己の生き方に結びつけて深く考え、意見を交流します。


「がんばれ」の意味:作品の中で「がんばれは人に対して使う言葉でなく、自分に対しての言葉」


という解釈などが示されることもあり、安易な励ましではなく、真に人を励まし、支えるとはどういうことかを考えます。



曲を聴きながら、9年生は、じっくりと自分自身と向き合い、未来に想いを馳せているようでした。

朝から、とても有意義な時間となりましたね。



     記事 風見 一統