学校日記

おいしい給食「冬瓜の味噌汁」

公開日
2025/09/12
更新日
2025/09/12

日々の様子

9月12日(金)

今日のメニューは、ご飯、のりの佃煮、あんかけ卵焼き、冬瓜の味噌汁、牛乳です。

今日は、なかなか聞きなれないかもしれない「冬瓜」

読めましたか!?「とうがん」です。「かぼちゃ」ではありませんよ。かぼちゃは、「南瓜」です。

冬瓜(とうがん)について、特徴、効能、食べ方、そして簡単なレシピをまとめてご紹介します。


冬瓜とは

冬瓜は「冬の瓜」と書きますが、旬は夏です。

名前の由来は、丸ごと冷暗所に保存すれば冬まで日持ちすることから来ています。

水分が約95%と非常に多く、低カロリーで、淡白な味わいが特徴です。煮物、スープ、炒め物など、様々な料理に活用できます。


分類: ウリ科トウガン属の一年草。学名は Benincasa hispida。

原産地: 東南アジア、インドなどが原産地とされています。

日本への伝来: 奈良時代には中国から伝わっていたと考えられており、古くから日本で栽培されています。

関西地方では「かもうり(賀茂瓜)」、沖縄などでは「シブイ」とも呼ばれます。


冬瓜の特徴

形態: つる性の植物で、夏に開花し、果実をつけます。果実の表面には産毛(白毛)が生えているのが特徴ですが、成熟するにつれてなくなります。

果実:水分量: 約95%と非常に水分が多く、低カロリーです。

味・食感: 淡白であっさりとした味わいで、加熱すると透明感が増し、柔らかくなります。シャキシャキとした食感を生かした食べ方もあります。

色: 果肉は白色。皮の色は品種によって緑色や白粉を帯びたものなど様々です。

生育: 高温を好み、生育適温は25~30℃です。耐寒性はなく、栽培期間中に気温が15℃以下になると生育が著しく低下します。


冬瓜の栄養と効能

冬瓜は低カロリーでありながら、栄養価も豊かです。

カリウム:体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出し、むくみの改善や高血圧の予防に役立ちます。

腎臓の働きを助け、老廃物の排出を促す効果も期待できます。

ビタミンC:美肌効果や免疫力向上に寄与します。

コラーゲンの生成に不可欠で、皮膚や血管の健康維持に役立ちます。

葉酸:ビタミンB群の一種で、DNA合成や細胞分裂に関わり、貧血予防や体の発育に重要です。

食物繊維:腸内環境を整え、便秘の改善に役立ちます。

低カロリー・高水分:満腹感を得やすく、ダイエットに適した食材です。

体の熱を冷ます効果があるとされ、夏の暑気あたりや喉の渇きを癒すのに適しています(薬膳では「涼」の食材とされる)。


冬瓜の品種

様々な品種がありますが、代表的なもの。

大丸冬瓜(だいまるとうがん): 一般的な品種で、丸型。

長冬瓜(ながとうがん): 細長い円筒形。

琉球冬瓜(りゅうきゅうとうがん): 沖縄でよく栽培される品種。

姫冬瓜(ひめとうがん): ミニサイズで家庭菜園にも向いています。

沖縄小型冬瓜(おきなわこがたとうがん): 小型で貯蔵性に優れます。


冬瓜の選び方

丸ごと: ずっしりと重みがあり、皮全体に粉を吹いている(白毛が多い)ものが完熟で、味が乗っています。皮に傷が少ないものを選びましょう。

カット品: 果肉が白く、みずみずしいもの。種がしっかりと詰まっているものが良いでしょう。


冬瓜の保存方法

冬瓜は保存性に優れていますが、保存方法によって長持ちさせることができます。


丸ごとの場合:新聞紙に包み、風通しの良い冷暗所(10~15℃程度が理想)で立てて保存します。

      適切に保存すれば、数ヶ月(場合によっては半年以上)保存可能です。

      真夏など気温が高い時期は、冷蔵庫の野菜室に入れるのがおすすめです。


カットされている場合:種とワタをスプーンできれいに取り除きます。

断面にラップをぴったりと貼り付け、さらにフリーザーバッグなどに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。

カットした部分は傷みやすいので、2~3日を目安に早めに使い切りましょう。

冷凍保存:皮をむき、種とワタを取り除いて、使いやすい大きさにカットします。

    冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍します。

    一度軽く茹でてから冷凍すると、解凍後も食感が損なわれにくく、調理にすぐ使えて便利です。

    冷凍保存期間は1ヶ月程度が目安です。冷凍した冬瓜は、解凍せずに凍ったまま煮物やスープに使うのがおすすめです。


冬瓜の効能

冬瓜は、水分が豊富であるだけでなく、様々な健康効果が期待できる栄養素を含んでいます。

むくみ解消・高血圧予防: カリウムを豊富に含み、体内の余分な塩分(ナトリウム)を

水分と一緒に体外へ排出する働きがあります。これにより、むくみの改善や高血圧の予防に役立ちます。


夏のほてり解消: 薬膳の世界では、冬瓜は体を冷やす「涼」の性質を持つ食材とされています。

体内の余分な熱を冷ます作用があるため、夏の暑気あたりや、のどの渇きにも効果的です。


美肌効果: ビタミンCが含まれており、肌の健康維持や抗酸化作用が期待できます。


便秘改善: 食物繊維も含まれており、腸内環境を整え、便通を促す効果が期待できます。


冬瓜の食べ方・下処理

冬瓜は、調理前に少し手間をかけると、より美味しく仕上がります。


皮をむく: 皮は硬いので、包丁で厚めにむきます。煮崩れを防ぎ、翡翠色を活かしたい場合は、ピーラーで薄めにむくのも良いでしょう。

種とワタを取る: スプーンで種とワタをきれいに取り除きます。ワタの部分も食べられますが、料理によっては取り除いた方が食感が良くなります。

面取りをする: 煮物にする場合、切った冬瓜の角を薄くそぎ落とす「面取り」をすると、煮崩れしにくくなります。

下ゆでする: 煮物やあんかけに使う際は、下ゆでをすることで、冬瓜特有の青臭さが和らぎ、味が染み込みやすくなります。

冬瓜は生でも食べられます。薄くスライスして、サラダやマリネにしてもシャキシャキとした食感を楽しめます。


冬瓜のおすすめレシピ

淡白な味わいなので、和風、中華、洋風など、どんな味付けにもなじみます。


1. 冬瓜と鶏ひき肉のあんかけ煮

【材料】

冬瓜:1/4個

鶏ひき肉:100g

だし汁:300ml

醤油:大さじ2

みりん:大さじ2

酒:大さじ1

片栗粉:大さじ1

水:大さじ2

【作り方】

冬瓜は皮をむいて種とワタを取り、一口大に切る。

鍋にだし汁、醤油、みりん、酒、冬瓜を入れ、冬瓜が柔らかくなるまで煮る。

鶏ひき肉を加えて、アクを取りながら火を通す。

水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、全体を混ぜ合わせる。

お好みでショウガの千切りやネギを添える。


2. 冬瓜と豚バラ肉の中華スープ

【材料】

冬瓜:1/4個

豚バラ薄切り肉:100g

ショウガ:1かけ

ごま油:小さじ1

水:500ml

中華スープの素:小さじ2

塩・コショウ:少々

ネギ(小口切り):適量

【作り方】

冬瓜は皮をむいて種とワタを取り、薄切りにする。

豚バラ肉は食べやすい大きさに、ショウガは千切りにする。

鍋にごま油を熱し、ショウガと豚バラ肉を炒める。

水と中華スープの素、冬瓜を加えて煮る。

冬瓜が透明になったら、塩・コショウで味を調える。

器に盛り付け、ネギを散らす。


3. 冬瓜のポタージュ

【材料】

冬瓜:1/4個

玉ねぎ:1/2個

コンソメ:1個

牛乳:200ml

バター:10g

塩・コショウ:少々

【作り方】

冬瓜は皮をむいて種とワタを取り、薄切りにする。玉ねぎも薄切りにする。

鍋にバターを溶かし、冬瓜と玉ねぎを炒める。

ひたひたになるくらいの水とコンソメを加えて、冬瓜が柔らかくなるまで煮る。

粗熱を取り、ミキサーにかける。

鍋に戻し、牛乳を加えて温める。

塩・コショウで味を調える。冷製スープにしても美味しいです。


豆知識編

「瓜」がつく野菜

ウリ科の野菜(キュウリ科)

本来「瓜」という言葉は、ウリ科の植物全般を指す場合が多いです。そのため、ウリ科の野菜には「瓜」がつくものが数多くあります。


キュウリ (胡瓜): 最も身近なウリ科野菜。

カボチャ (南瓜): 当て字ですが、「瓜」が使われています。

スイカ (西瓜): 夏の代表的な果実ですが、野菜としても扱われます。

メロン: スイカと同様に果実ですが、野菜として扱われることも。

冬瓜 (とうがん): 夏に収穫されますが、冬まで保存できることからこの名前がつきました。

夕顔 (ゆうがお): 昼顔とは異なり、夕方に咲くことから。果実(実)を食用とする場合もあります

       (乾麺の「かんぴょう」は夕顔の果実から作られます)。

マクワウリ: 日本在来のメロンの一種。

シロウリ: 漬物などに利用されます。

ヘチマ: 食用にする場合、若い実を「ナーベラー」などと呼び、沖縄料理でよく使われます。

ツルレイシ (ゴーヤ/ニガウリ): 名前に「ウリ」が入っており、苦味が特徴です。

その他、名前に「瓜」がつくもの

シマウリ: 沖縄などの離島で栽培されるウリ科の野菜。

カンピョウ: 上記の夕顔の果実を細長く削って乾燥させたもの。

このように、「瓜」がつく野菜は、ウリ科に集中している傾向があります。それぞれの野菜で形や味、

食感などが全く異なるのが面白いところですね。


野菜ひとつとっても、奥深いですね。日本そして、世界には、まだまだ

自分が知らない食材がきっと数えきれないほど存在していることでしょう。

多くの食材と出会い、それらについて、知り、実際に食べて、

食生活を充実させられる大人になれると、毎日に彩りが増しますね!


今日も、給食室のみなさんが、真心こめて、美味しく仕上げてくださいました。

感謝の気持ちを忘れずに、おいしくいただきましょう。


   記事 風見 一統