7年 音楽
- 公開日
- 2025/09/08
- 更新日
- 2025/09/08
日々の様子
2学期の音楽の授業です。
10月24日(金)に行われる合唱コンクールに向けての学習が幕を開けました。
1学期に、各クラスの自由曲が決定したため、音楽の先生は、
学年合唱の3曲と全14クラス分の自由曲、合計17曲を、これから大忙しで
指導していきます。
授業の回数は限られているため、一回の授業への準備や集中力が、
先生も生徒も求められています。
それぞれの立場から、事前準備を整えて、当日の感動的な合唱を創るために
集中し取り組んでいって欲しいと思います。
合唱コンクールの起源と発展
大正時代: 社会全体で合唱活動が盛んになり、多くの合唱団が誕生しました。
この時代には、現在も続く「全日本合唱コンクール」の前身となる「合唱競演大音楽祭」(1927年)や、
「NHK全国学校音楽コンクール」の前身となる「児童唱歌コンクール」(1932年)が始まります。
しかし、この頃はまだ、学校の全生徒が参加する「行事」としての合唱コンクールは
一般的ではありませんでした。
戦後〜1970年代: 戦後の復興期を経て、教育現場では協力や団結が重視されるようになりました。
1950年代後半からは、一部の音楽教師たちが主導し、各地の公立学校でクラス対抗の
合唱コンクールが広まっていきました。これは、一人ひとりの生徒が協力して
一つの目標に向かう機会として、また、合唱を学校全体に根付かせるための取り組み
として始まりました。
この時期、音楽の教科書では外国曲が主流でしたが、変声期の男子生徒にも
配慮した中学・高校生向けの混声三部合唱曲が次々と作られました。
1970年代には、クラス合唱用の楽曲集も多く出版され、合唱コンクールは新しい歌を歌い、
文化を生み出す場としての役割も担うようになりました。
1980年代: 校内暴力などが問題視されたこの時代には、合唱コンクールが荒れた学級をまとめ、
団結を深めるための有効な手段としても注目されました。
1990年代〜現在:
1998年の学習指導要領解説では、「合唱祭」が特別活動の一つとして位置づけられ、
学校行事としての公的な存在が認められました。
一方で、音楽の授業時数が削減されたり、2008年の学習指導要領では中学校音楽科から「合唱」の文言が
削除されるなど、音楽教育における合唱の位置づけには変化も見られます。
このように、中学校の合唱コンクールは、単なる歌の発表会にとどまらず、生徒たちの協調性、表現力、
そして学校文化の醸成といった多岐にわたる教育的意義を持つ行事として、その歴史を紡いできました。
合唱コンクールは、単なる歌の発表会ではなく、
生徒の成長に多角的に貢献する教育的意義を持っています。
協調性と社会性の育成
合唱は一人では完成しないため、生徒はクラスや学年といった集団の中で、自分の役割を自覚し、
他者と協力する力を育みます。音程やリズムを合わせるだけでなく、意見を出し合い、
時には対立しながらも一つの目標に向かって努力する過程は、社会性を養う貴重な経験となります。
達成感と自己肯定感の向上
練習の成果が形となり、美しいハーモニーを奏でる瞬間は、大きな達成感をもたらします。
特に、クラス全員で力を合わせて一つの作品を作り上げる経験は、個人の成功とは異なる集団としての
達成感を生み出し、生徒の自己肯定感を高めます。
表現力と感受性の育成
合唱では、歌詞の意味を理解し、その感情を声や表情で表現することが求められます。
生徒は歌を通して、言葉や音に対する感受性を高め、豊かな表現力を身につけます。
これは、音楽の授業だけでなく、国語や他教科の学習にも良い影響を与えます。
責任感と規律性の涵養
コンクールに向けて、練習時間を守る、自分のパートを完璧にする、といった規律性や
責任感が自然と身につきます。それぞれの生徒が自分の役割を果たすことで、
全体の成功につながることを実感し、集団の中での自分の行動の重要性を学びます。
多様性の理解
合唱曲には、様々な言語や文化の歌が含まれることがあります。
生徒はそうした曲に触れることで、異文化への理解を深め、多様性を尊重する心を育みます。
また、クラス内でも、得意な生徒と苦手な生徒が互いに助け合うことで、
個性の違いを認め合う機会となります。
当日を楽しみに、学校全体で、最高のハーモニーを奏でる一日を創造していきましょう!
記事 風見 一統