学校日記

8年 日本文化体験

公開日
2026/02/18
更新日
2026/02/18

日々の様子

8年生は、日本文化体験です。

家庭科部でも講師を務めて頂いている、華道の先生をお招きしての授業です。

華道~小原流

華道(いけばな)の中でも、小原流(おはらりゅう)は非常に人気があり、

現代の生活空間に馴染みやすいスタイルを確立した流派です。

伝統を重んじつつも、常に「新しさ」を取り入れてきた小原流の魅力

1. 小原流とは?

その成り立ち19世紀末(明治時代)、日本の住空間に西洋の花(西洋花)が

輸入されるようになった時期に、流祖・小原雲心(おはら うんしん)によって創始されました。

それまでのいけばなは、床の間に飾るための背の高いスタイル(立花や生花)が主流でしたが、

雲心は「もっと自由に、広がりを持って花をいけたい」と考え、新しい形を生み出しました。

小原流の最大の特徴

「盛花(もりばな)」小原流を語る上で欠かせないのが「盛花」です。

それまでの細長い花瓶ではなく、広く浅い器(水盤)に、剣山を使って花を「盛る」ようにいける手法です。

これにより、花材の立体感や奥行きを表現できるようになりました。

2. 小原流の主な表現スタイル

小原流には、大きく分けて4つの表現カテゴリーがあります。

特徴

盛花(もりばな)水盤を使い、色彩の美しさや自然の景観を表現する。

小原流の原点。瓶花(へいか)背の高い花瓶にいける。花の自然な立ち姿や枝の美しさを強調する。

花意匠(はないしょう)現代の住空間(玄関やリビング)に合う、コンパクトでデザイン性の高いスタイル。

花奏(はなかなで)複数の花材が交差するようにいけ、立体的でモダンな動きを表現する新しい形式。

3. 小原流の哲学:

写景(しゃけい)小原流の真髄は、「写景盛花(しゃけいもりばな)」にあります。

これは、単に花を美しく飾るだけでなく、器の中に「自然の風景」そのものを再現する手法です。

遠景・中景・近景を意識する植物が自生している環境(山、水辺、里など)を理解して

生ける季節の移ろいや風の流れを感じさせるこのように、自然を観察する目を養うことが小原流の醍醐味といえます。

4. 小原流を学ぶメリット

初心者でも始めやすい: 最初のステップである「花意匠」は、少なめの花材で短時間にいけられるため、

忙しい方でも続けやすいです。

季節に敏感になる: 四季折々の植物に触れることで、日常の中に小さな変化を見つける楽しみが増えます。

感性が磨かれる: 引き算の美学や、空間の使い方が身につきます。次の一歩として小原流の作品は、

写真で見るとその「奥行き」や「水面の美しさ」がより伝わります。


5. 小原流を支える「三種の神器」的な道具

小原流を始める際に、まず手にすることになる基本的な道具です。


水盤(すいばん)

小原流の代名詞。広くて浅い器です。水面を「空間」として見せるため、この器の広さが表現の幅を広げます。


剣山(けんざん)

水盤の中に置き、花を刺して固定する土台です。小原流はこの剣山を巧みに使い、花を斜めに寝かせたり、

横に広げたりする自由な造形を可能にしました。


花ばさみ

植物の導管を潰さずに切るための専用のハサミです。


6. 「盛花」と「瓶花」の違い

この2つは、器の形が違うだけでなく、「花の留め方(固定の仕方)」の技術が全く異なります。


盛花(もりばな)

水盤に剣山を置き、花を「盛る」ようにいけるスタイルです。


視点: 上から見下ろしたり、横から眺めたりと、立体的に楽しめます。


特徴: 「水面(みなも)」もデザインの一部です。水が見えることで、涼やかさや景色の広がりを表現します。


難易度: 剣山に刺すだけなので、初心者の方でも形を整えやすいのが魅力です。


瓶花(へいか)

背の高い花瓶(投入花)に、剣山を使わずにいけるスタイルです。


視点: 主に横から、あるいは斜め前から鑑賞します。


特徴: 枝の自重や、器のふちを利用して花を固定します。「留め(とめ)」という技術(枝を折ったり、添え木をしたりする技)が必要になります。


難易度: 剣山がない分、思った場所に花を止めるのが難しく、中級者以上の腕の見せ所となります。


7. 小原流のユニークなカリキュラム

小原流のお稽古は、階段を登るように体系化されているのが特徴です。


花意匠(はないしょう)

まずは「かたち」を覚えます。少ない花材で、どこにでも飾れるモダンなスタイルです。


盛花・瓶花

基本の形を学び、植物の「役目(主枝・客枝など)」を理解します。


写景盛花(しゃけいもりばな)

植物の生態を知り、器の中に山や川の情景を描き出します。


豆知識:なぜ小原流は「水」を大切にするの?

流祖・小原雲心は、自然を愛した人でした。水盤の広い水面は、

池や湖、あるいは海を表しています。

花だけでなく、その下の「水」があることで、

植物が生き生きとして見えるという考え方が根底にあります。


家庭科部の生徒以外は、ほぼはじめての経験でしたが

みんな一生懸命に、学習したことを実践して花を生けていました。

材料は一緒ですが、材質は一本一本異なるので、それぞれが、

個性を発揮して素敵な小原流で、完成させることができました。

日本の伝統文化を、しっかりと継承して、後世に繫いで欲しいと

思います。


                           記事 風見 一統