おいしい給食「柚香漬け」BOOKメニュー
- 公開日
- 2026/01/30
- 更新日
- 2026/01/30
日々の様子
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1月30日(金)8年生 鎌倉校外学習につき不在
今日のメニューは、にんじんご飯、肉じゃが、柚香漬け、牛乳です。
今日の題材となる絵本は、
『小さな雪の町の物語』作者は、杉みき子さんです。
杉みき子さんといえば、情緒あふれる美しい日本語で、
雪国の情景や人々の心の機微を描く名手です。
お話のひとつの「ゆず」は、冬の寒さの中でパッと灯がともるような、非常に温かみのある短編です。
「ゆず」のあらすじ
物語の舞台は、しんしんと雪が降る、静かな雪国の町。
ある日、雪道を歩いていた主人公(あるいは語り手)は、
雪の中にぽつんと落ちている、鮮やかな黄色の「ゆず」を見つけます。
真っ白な雪の世界の中で、その黄色はまるで小さな太陽のように輝いて見えました。
そのゆずは、誰かが買い物かごから落としてしまったものでした。
物語は、その一粒のゆずを拾い上げたことをきっかけに、
雪国で暮らす人々のささやかな優しさや、冬を越えるための知恵、
そして家族の温もりを、ゆずの爽やかな香りと共に描き出していきます。
この物語のポイント
色彩の対比: 「雪の白」と「ゆずの黄」のコントラストが、
読者の頭の中に鮮明なイメージを浮かび上がらせます。
この黄色は、厳しい冬の中にある「希望」や「温かさ」の象徴として描かれています。
五感を刺激する描写: 杉みき子さんの筆致により、雪の冷たさだけでなく、
ゆずを手にした時の皮の質感や、鼻をくすぐる特有の芳香が伝わってくるような描写が特徴です。
「小さな幸せ」の再発見: 大きな事件が起きるわけではありませんが、
日常の中に落ちている落とし物一つから、人の心の通い合いを感じさせる、
静かで深い余韻が残るストーリーです。
収録されている本について
このお話は、主に以下の書籍などで読むことができます。
『小さな雪の町の物語』(偕成社など) 杉みき子さんの代表的な短編集です。
この本には「ゆず」以外にも、雪国を舞台にした珠玉の短編が多く収められており、
教科書などにも採用されるほど評価の高い文学作品です。
豆知識: 杉みき子さんは新潟県上越市のご出身。そのため、
描写される雪の町の風景には、実際に雪国で生活している人ならではの「実感」がこもっています。
杉みき子さんの『小さな雪の町の物語』に登場する「柚香漬」は、
読んでいるだけで鼻の奥に爽やかな香りが漂ってくるような、とても印象的な小道具ですよね。
作中での描かれ方や、その背景にある情緒について
1. 「柚香漬」とはどんなもの?
物語の中に登場する柚香漬は、単なる保存食という枠を超えて、
「雪国の冬の贅沢」として描かれています。
作り方: くり抜いたゆずの皮の中に、刻んだ大根や人参、
あるいは甘く煮た実などを詰め、砂糖や酢、塩などで漬け込んだものです。
描写の美しさ: 雪に閉ざされたモノトーンの世界で、
食卓に出された柚香漬の「透き通るような黄色」は、まるで宝石のように輝いて描写されます。
2. 物語における役割
このお話において、柚香漬は単においしい食べ物としてだけでなく、
以下のような象徴的な意味を持っています。
「光」の象徴: どんよりとした雪空が続く冬の町で、ゆずの鮮やかな色は
「春への期待」や「太陽の光」を象徴しています。
雪国の人々の知恵と愛情: 新鮮な野菜が手に入りにくい冬の間、少しでも食卓を彩り、
香りで心を楽しませようとする、雪国の人々の細やかな暮らしの
知恵(文化)として描かれています。
記憶を結びつけるもの: 香りは記憶と強く結びつきます。作中では、
ゆずの香りが過去の思い出や、大切な人との繋がりを呼び起こす
スイッチのような役割を果たしています。
3. 杉みき子作品特有の「香り」の描写
杉みき子さんは、この「柚香漬」の香りを表現する際、
ただ「良い香り」とするのではなく、「冷たく澄んだ冬の空気」と
一緒に吸い込む香りの鋭さや清々しさを丁寧に言葉にされています。
読者はその文章を通じて、雪国の家の中の、少しひんやりとした、
でも温かい独特の空気感まで追体験することになります。
あの描写を読むと、自分でもゆずを手に取ってみたくなりますよね。
毎月恒例になっているBOOKメニューは、ただ食べるだけではなく、
絵本作品を通して、自分が知らない世界観や価値観に触れることができ、
次はどうしようという意欲をかきたてますね。
みなさんは、再現したい作品や
メニューのリクエストは、
ありますか!?
今日も、難しいレシピをなんなくこなして再現してくださった給食室のみなさんへの
感謝を忘れずに、存分に絵本の世界に飛び込みましょう。
8年生は、今頃、鎌倉料理を満喫していることでしょう・・・
どんな物語を紡いでいるのか。
記事 風見 一統