おいしい給食「板橋産大根グラタン」
- 公開日
- 2025/11/28
- 更新日
- 2025/11/28
日々の様子
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11月26日(水)板橋ふれあい農園会給食
今日のメニューは、黒砂糖パン、板橋産大根グラタン、大根葉っぱ入りABCスープ、牛乳です。
板橋産大根
板橋産の大根について
板橋区には、江戸時代から続く伝統的な大根の品種があり、近年復活に向けた取り組みが行われています。
主に知られているのは、「志村みの早生大根(しむらみのわせだいこん)」という伝統野菜です。
志村みの早生大根(別名:清水夏大根)
分類 江戸東京野菜(東京の伝統野菜の一つ)
起源 江戸時代、板橋宿の北側にあった清水村(現在の板橋区志村町周辺)で、「みのきち」という人が栽培を始めたとされる。
練馬大根から選別された早生種(早く育つ品種)とされています。
歴史的用途 江戸時代中期には、夏の暑さに強い「清水夏大根」として知られ、秋の「べったら市」に出荷される
べったら漬けの原料として重宝されていました。
主な特徴 早生(わせ)種:種まきから約2か月(55〜60日程度)という短期間で収穫できるのが大きな特徴です。
夏の暑さに強い:名前の由来にもある通り、夏の栽培に適しており、暑さに強い品種です。
形状:現在の主流である青首大根より細めの、白首系の大根です。
肉質と辛味:肉質は緻密で水分が非常に多い、ジューシーな大根です。
辛味が強いのが特徴で、江戸時代にはそばなどの薬味(大根おろし)や漬物(べったら漬け)に利用されていました。
加熱すると苦味が旨味に変わり、甘みが出るため、煮物(おでんやふろふき大根)にも向くとされています。
復活への取り組み都市化の進展や病害に弱い性質などから、一時期は栽培が途絶えていました。
しかし、板橋区ではこの伝統野菜を復活させようという取り組みが、
地元の農家やJA(農業協同組合)によって進められています。
収穫時期:本来は夏が主な収穫時期でしたが、研究の結果、秋にも栽培可能と判断され、
現在では夏と秋に収穫・販売されるようになっています。
イベント:板橋農業まつりなどの地元のイベントで販売されたり、収穫体験が行われたりするなど、
地域のブランド野菜として普及が進められています。
板橋区では、この「志村みの早生大根」のほかにも、新鮮な青首大根などが生産量第1位の野菜として、
区内の直売所などで販売されています。
地産地消
地産地消(ちさんちしょう)とは、地域で生産された農林水産物などを、その地域内で消費することを指します。
これは、食の安全や地域経済の活性化、環境負荷の低減など、多様な側面でメリットをもたらす取り組みとして、日本各地で推進されています。
地産地消の目的と具体的な活動
地産地消は、単に「食べ物を近くで買う」という行為に留まらず、生産者と消費者が顔の見える関係を築き、
地域の食や農業を守り育てることを目的にしています。
主な活動例・活動の場具体的な取り組み
直売・流通道の駅や農産物直売所での販売、スーパーでの地元産コーナー設置。
公共施設学校給食や病院、高齢者施設などの給食に、地元の食材を積極的に利用。
外食・加工地元食材を使った郷土料理を提供する飲食店や、地場産品を利用した加工品の開発・販売。
交流・食育地域の生産者と消費者の交流イベント、農作業体験(グリーンツーリズム)、伝統的な食文化の継承。
地産地消の主なメリット地産地消は、「消費者」「生産者」「環境・地域」の三者に多くの利点をもたらします。
1. 消費者にとってのメリット新鮮で安全な食材の入手:収穫から消費までの輸送距離が短いため、より新鮮な食材が手に入ります。
安心感の向上:直売所などを通じて「生産者の顔が見える」関係が築けるため、
栽培方法や品質に対する信頼性が高まります。
食育の機会:地域の農業や旬、食文化について学ぶ機会が増えます。
2. 生産者・地域社会にとってのメリット流通コストの削減:中間流通を介さず直接販売することで、輸送費用や時間を削減できます。
所得の向上:生産者が自ら価格を設定できるため、比較的高い利益率を確保しやすいです。
地域経済の活性化:地域内でお金が循環することで、関連産業の発展や雇用創出につながります。
食品ロスの削減:規格外の農産物も直売所で販売できる機会が増えます。
3. 環境にとってのメリットフードマイレージの削減:食料の輸送距離が短くなるため、
輸送に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できます。これは地球温暖化防止に貢献します。
旬産旬消:旬の食材を選ぶことで、ハウス栽培や長期保存にかかるエネルギーも抑えられます。
地産地消の課題とデメリット地産地消を普及・継続させるためには、いくつかの課題があります。
安定供給の難しさ:特定の地域だけで必要な品目や数量を安定して確保することが難しい場合があります。
特に学校給食など大量に必要とする施設では大きな課題です。
価格競争力:大量生産・大量流通による安価な食材と比較して、価格が高く感じられ、
消費者にとって継続的な購入のハードルになることがあります。
生産者の負担増:生産・加工・販売(直売所の運営や情報発信など)に、農作業以外の能力や労働力が必要となり、
生産者一人の負担が増えることがあります。
地産地消とSDGs地産地消の推進は、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に多方面から貢献しています。
特に以下の目標達成に寄与するとされています。
目標2:飢餓をゼロに(持続可能な農業の推進)
目標8:働きがいも経済成長も(地域経済の活性化、雇用の促進)
目標12:つくる責任 つかう責任(食品ロスの削減、資源の効率的な利用)
目標13:気候変動に具体的な対策を(CO2排出量の削減)地産地消は、消費者が日々の食生活を通じて、
持続可能な社会づくりに貢献できる重要なアクションの一つです。
みなさんは、板橋区民なので、ぜひ地元への愛を食を通じて深めていって
ほしいと思います。
地元の農家の方々が、日々苦労を重ねながら生産している野菜を
次の世代も大切に扱うことで、これからも板橋の名産は輝き続けることでしょう。
今日も、感謝の気持ちを忘れずに、おいしくいただきましょう。
記事 風見 一統