学校日記

おいしい給食「金時豆ご飯」

公開日
2025/11/28
更新日
2025/11/28

日々の様子

11月25日(火)和食の日メニュー

今日のメニューは、金時豆ご飯、白身魚の紅葉焼き、ごま和え、けんちん汁、牛乳です。

和食は、2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

単なる料理ではなく、「自然を尊重する」という日本人の精神に基づいた食の習わしや文化全体を指します。

和食の4つの主な特徴

ユネスコ無形文化遺産登録の際に評価された、和食の代表的な特徴は以下の4点です。

多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重南北に長く四季が明確な日本の自然が育む、海・山・里の多様な食材を活かします。

素材の持ち味を最大限に引き出す、独自の調理技術(生食である刺身など)や調理道具が発達しました。

健康的な食生活を支える栄養バランス一汁三菜(いちじゅうさんさい)を基本とし、

主食(ご飯)に汁物1品、おかず3品(主菜1品、副菜2品)を添えるスタイルで、理想的な栄養バランスを実現しています。

「うま味」を上手に使うことで、動物性油脂の少ないヘルシーな食生活を可能にし、日本人の長寿にも貢献しています。

自然の美しさや季節の移ろいの表現季節の「旬」の食材を積極的に取り入れ、料理の盛り付けや器、

食卓の設えなどで四季の美しさや変化を表現します。

正月などの年中行事との密接な関わりお正月にはおせち料理やお雑煮、節句にはちまきや桜餅など、

年中行事と結びついた食文化が育まれ、家族や地域の絆を深める役割を果たしています。

 和食の代表的な料理和食には、日常の家庭料理から特別な日の饗応料理まで、多様な種類があります。

一汁三菜を基本とする食卓で、煮物、焼き物、和え物、汁物などが並びます。

寿司・刺身新鮮な魚介類をそのまま、または酢飯と合わせて食べる代表的な日本料理。

麺類うどん、そば、ラーメンなど、出汁や調味料、具材のバリエーションが豊富です。

天ぷら魚介や野菜に衣をつけて油で揚げた料理。素材の味を活かします。

伝統的な形式本膳料理(儀礼的な料理)、懐石料理(茶の湯の前の軽い食事)、

会席料理(宴席の料理)、精進料理(仏教に基づく肉魚を使わない料理)などがあります。

 和食の歴史

縄文時代: 煮る・茹でる調理法が可能な土器が発明され、木の実や魚介類を食べる。

弥生時代: 稲作が伝わり、米が主食となる「ご飯とおかず」のスタイルが始まる。

飛鳥・奈良時代: 仏教伝来により肉食禁止令が出され、穀物や野菜中心の食生活が促進される。

中国の影響を受けた大饗料理が公家で広まる。

室町時代: 武家社会で厳格な作法の本膳料理が完成。昆布と鰹節による出汁が使われ始め、味付けが深まる。

安土桃山時代: 茶道と共に、質素で一汁三菜を基本とする懐石料理が誕生。

江戸時代: 都市文化の発展とともに、現在の宴会料理の原型である会席料理が普及。

寿司、天ぷら、そば、うなぎなどの庶民の食事が発達し、一日三食の習慣が定着する。

和食は、日本の豊かな自然と、それに寄り添い、感謝する人々の心が育んだ文化です。


金時豆

金時豆の基本情報金時豆は、インゲン豆(菜豆)の一種で、日本国内で最も広く栽培・消費されているインゲン豆の代表的な品種です。

インゲン豆(菜豆)の仲間特徴鮮やかな赤紫色で、形は短楕円形または腎臓形。大粒で形が良く、食味が優れている。

主な用途煮豆(甘煮)、甘納豆、豆パン、洋風煮込み料理(チリコンカンなど)

主要品種大正金時(たいしょうきんとき)が最も有名で、生産量も圧倒的。

主な産地北海道(国内生産の約7割を占める)別名赤インゲン豆(レッドキドニービーンに似ている)

特に有名な品種である大正金時は、昭和初期に北海道の十勝地方で発見・量産されたことが名前の由来とされています。

 金時豆の栄養と健康効果金時豆は、炭水化物とタンパク質が主成分で、ビタミン、ミネラル、

食物繊維を豊富に含む、栄養バランスに優れた食材です。

主な効果・効能タンパク質筋肉や免疫物質の材料になり、体力や免疫力の維持・向上をサポート。

脂質が少ないため、ダイエットにも適している。

食物繊維ごぼうの約2倍以上含まれており、腸内環境を整え、便秘解消や血糖値の急上昇を抑える。

カリウム体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助け、むくみや高血圧の予防に役立つ。

鉄分貧血予防に効果的。ビタミンB群エネルギー代謝を助け、疲労回復や集中力アップに貢献する(特にビタミンB1が豊富)。

ポリフェノール鮮やかな赤紫色の皮に含まれ、抗酸化作用により老化や生活習慣病の予防、眼精疲労の改善に役立つ。

 失敗しない煮豆のコツ金時豆の定番料理といえば「甘煮」ですが、乾燥豆から煮るにはいくつかのポイントがあります。

1. 丁寧な水戻し水洗い: 豆を軽く洗い、4〜5倍の水に浸します。

浸水時間: 夏場は6時間程度、冬場は8時間〜一晩(8〜12時間)が目安です。

ポイント: 豆を完全に水戻しすると煮崩れしやすくなるため、わずかにシワが残る程度(8〜9割)で

浸水をやめると、皮が破れにくくなります。

2. アク抜きと下茹で茹で始め: 浸け水ごと中火にかけます。

アク抜き: 沸騰したらアクを取り除き、茹で汁を半分ほど捨てて差し水をする

(この工程で豆のえぐみが取れて、すっきりとした味になります)。

本茹で: 再度沸騰したら、豆が踊らない程度のごく弱火にし、豆が常に煮汁に浸っているように差し水をしながら、

豆がやわらかくなるまでじっくり煮ます。

3. 砂糖を加えるタイミング鉄則: 豆が芯まで完全にやわらかくなってから砂糖を加えます。

理由: 豆が硬いうちに砂糖を一度に加えると、浸透圧により豆の水分が外に出てしまい、

煮汁が染み込みにくく、豆が硬く仕上がってしまいます(シワの原因)。

方法: 砂糖は2~3回に分けて加え、その都度10〜20分ほど煮て、味を徐々に染み込ませるのが成功の秘訣です。

4. 仕上げ火を止めた後、そのまま煮汁ごと冷ますことで、さらに味が染み込み、美味しくなります。

金時豆は、日々の健康をサポートしてくれる美味しい食材です。


紅葉焼き

紅葉焼きは、主に和食の焼き物に使われる献立名・調理法です。

 紅葉焼きの概要

1. 定義

「紅葉焼き」とは、料理の表面を、秋の紅葉(もみじ)を連想させるような赤っぽい色やオレンジ色に仕上げる焼き物の総称です。


2. 名前・由来

秋に色付く美しい紅葉の葉の色を、料理の色合いや見た目で表現することから名付けられました。季節感あふれる和食の表現方法の一つです。


3. 主な調理法(現代・給食など)

最も一般的な調理法は、魚の切り身などに「人参(にんじん)」をペースト状またはすりおろしたものを混ぜたソースを塗り、焼く方法です。


 人参ソースの例

にんじん + マヨネーズ:まろやかで子どもにも人気の味付け。

にんじん + 味噌 + マヨネーズ:和風のコクを出す。

にんじん + ケチャップ + みりん/醤油:洋風の風味をプラスする。


このソースを塗って焼くことで、人参のオレンジ色が魚の表面に広がり、

鮮やかな「紅葉色」の焼き物に仕上がります。また、マヨネーズや味噌を加えることで、

魚のパサつきを防ぎ、ふっくらと焼き上がるという効果もあります。


 紅葉焼きに使われる主な食材

紅葉焼きは、主に魚料理として用いられます。

鮭(さけ/しゃけ):身の色も赤みがあり、紅葉のイメージに合致するため、最もポピュラーな食材です。

白身魚:タラ、カレイ、ホキ、タイなどの淡白な白身魚にもよく合います。

ソースの味と香りが魚の臭みを消し、魚嫌いな人でも食べやすくなります。

鶏肉:ごく稀に、鶏のミンチや切り身を使って作られることもあります。


 献立としての紅葉焼き

紅葉焼きは、特に学校給食や病院・介護食などで人気の高いメニューです。

彩り:食卓に美しい秋の彩りを添えられます。

栄養価:魚に加えて、にんじんの持つビタミンA(カロテン)などの栄養素を手軽に摂取できます。

食べやすさ:マヨネーズや味噌などのソースにより、魚がパサつかず、口当たりが良くなります。


今日は、日本が誇る和食メニューでした。

五感で楽しめる給食メニューに感謝の気持ちを忘れずに、

また長い年月を経て伝統が継承され、進化を遂げる和食を

大切にできる大人になってほしいと思います。



       記事 風見 一統