最近「ルフィ」という名前が世間を賑わせています。その名をかたった男たちが、特殊詐欺や連続強盗に関わったとされています。ファンは腹立たしいかと思いますが、「ルフィ」は人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の主人公の名前です。
以前、漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』のコミックスを全巻持っていると話しましたが、実はこの『 ONE PIECE 』も本日現在で全104巻を持っています。とはいえ持ち主はすでに独立している娘で、自宅に置き場がないからと言って実家である私の家に保管しているのです。
ただその関係で、私も愛読者の1人となりました。さらにはコミックスだけでなく、関連本も何冊か読みました。その中に『ルフィの仲間力』(安田 雪)という本があります。
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「世界一売れたコミックス」としてギネスブックにも認定される『ONE PIECE 』は、「海賊王」を夢見る少年ルフィと8人の仲間(麦わらの一味)が、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求めて旅する冒険を描いています。
『ルフィの仲間力』は、そんな物語に隠された「かけがえのない仲間とは」「どうすれば仲間をつくれるか」等のヒントを教えてくれる本です。
その「かけがえのない仲間」について著者の安田さんは【仲間集めを目的にしても、仲間は集まらない】と言います。では、どうすれば仲間は集まるのでしょうか?
簡単に言うと「1人では到底かなえられない夢を共有すること」が、大事なのだそうです。別の言い方をすれば、集まって何をしたいのかという夢があって、初めてかけがえのない仲間となり得るのです。
そう言われてみれば、私より『 ONE PIECE 』に詳しい皆さんはすぐに気づいたと思います。ゾロ、ナミ、サンジ、チョッパー、ウソップ…。「豊かな」どころか「かなりディープな」個性の登場人物たちが、それでも仲間となり得ている理由はただ1つ。「海賊王に、おれはなる!」というルフィの夢を共有しているからなのです。
さて、例年2学期末、9年生に入試の面接練習を行います。その際、私は「あなたの通う板橋第三中学校は、どんな学校ですか?」と質問します。それに対し、3年ほど前まで多く聞かれたのは「校舎がきれいな学校です」という回答でした。
それがこの2〜3年の間に、別の2つの回答に変わってきました。1つは「校則が『Be Gentleman(紳士であれ)』しかありません」もう1つが「皆で『東京で1番の学校』を目指しています」という回答です。
改めて確認しておきましょう。「東京で1番の学校は、どこですか?」と尋ねられた時、そこに通う全ての生徒が、そこに子どもを通わせる全ての保護者・地域の皆様が、そこに勤務する全ての教職員が、胸を張って「板橋第三中学校です」と即答できる学校…。『東京で1番の学校』とは、そういう意味です。
それは、まさに『ルフィの仲間力』でいう「1人では到底かなえられない夢」だと思いませんか。少なくとも私は、校長1人の力で『東京で1番』は絶対かなえられないし、そんな夢を共有してくれる生徒や保護者の皆様、先生方のことを、かけがえのない仲間だと思っています。
『東京で1番』だけではありません。あなたの所属する学年・クラスには、学年目標やクラス目標があります。それらも言い方を変えれば「1人では到底かなえられない夢」です。間もなく9年生は高校に進学、7・8年生は新しい学年・クラスへと進級します。
そこで出会う先生や友達とは、ぜひ学校生活という場所と時間の共有だけでなく「1人では到底かなえられない夢」も共有してください。そして、その夢の実現に向けて助け合い、支え合い、認め合う関係が築けた時、あなたと先生・友達はワンピース(ひとつながり)になり、「かけがえのない仲間」となり得るのだと思います。