本日の朝礼は、予定を変更し1週間前倒しして行いました。
理由は、急激なコロナウイルス感染拡大です。本来であれば次回の朝礼は2月7日(月)の予定でした。その朝礼で改めてコロナ感染予防について取り上げ、同時に校長通信も配付して周知を図ろうと思っていました。
しかし、この1週間の感染拡大のスピードは予想を上回っており、なるべく早く生徒への啓発も行った方が良いと考えたのです。そのため2週連続の朝礼と、校長通信の発行となりました。
通信の4面記事『感染は止める,学びは止めない』では、保護者の皆様にも知っておいていただきたい本校の取り組みやお願いも掲載しております。ぜひ、1面の講話とともにお読みくださいますようお願い申し上げます。
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※講話の内容は、下の『おりたたみ記事』をクリックしてください。
あの日、昨年の10月11日から、まだ3ヶ月半です。
あの日の朝礼で私は、兼好法師の随筆『徒然草』より『高名の木登り』という段を紹介しました。覚えているでしょうか?
「木登りの名人」と呼ばれる人が、弟子に高木の剪定を教えていた時のことです。弟子が高くて危険な場所で作業している時、名人はただ黙って見ているだけでした。
ところが、弟子が作業を終えて低い位置まで降りてくると、名人は初めて「気をつけろ」と指示します。それを不思議に思う弟子に、名人はこう答えたのでした。【あやまちは、やすき所になりて、必ず仕ることに候ふ】(失敗は、もう大丈夫だと思った時、必ずしでかすものです)
危険な場所での作業は、人から言われなくても緊張感をもって慎重に行動する。一方、安心して緊張の糸が緩んだ時こそ失敗するので、注意が必要である…。そんな名人の教えを簡単に四字熟語でいえば【油断大敵】となるかもしれません。
さて、あの日の朝礼で私が伝えたかったことを、当日同じタイトルで発行した校長通信を引用する形で、改めてお話しします。
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【9月末をもって、緊急事態宣言が解除されました。爆発的に感染者数が増加した夏の第5波が、秋の訪れとともに急激に減少したからです。その要因として「ワクチン接種が進んだ効果」や「人々の行動自粛」などが挙げられていますが、多くの専門家が決定的な要因は「不明」としています。】
【感染の収まりつつある要因がわからないということは、いつまた、何をきっかけに感染が拡大するかもわからないということです。だからこそ私たちは、先の「高名の木登り」の教訓を心に留め置くべきではないでしょうか。】
【緊急事態宣言が解除され、これまで「やってはいけない」とされていた活動が「やってもよい」へと切り替わりました。ただし、全ての「やってもよい」の前には「感染症対策を徹底したうえで」という条件があることを忘れてはいけません。】
【これからも板三中の学びを止めないために、形を変えて必ずやってくるであろう第6波に備えてください。それは、難しいことではありません。マスクの着用(外した際の発話禁止)、3密の回避、手洗いや消毒の励行など、今までと同じことを、同じ緊張感をもって実行してくれればよいのです。】( 以下略 )
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私は今、反省しています。
【今までと同じことを、同じ緊張感をもって実行】などと言っておきながら、あれから3ヶ月半、夏の第5波の時と同じ緊張感・危機感を持ち続けていたかどうか…?
社会全体の「もう大丈夫」と言いたげな空気に流され、皆さんに「気をつけろ」と声を上げるべき場面で、その言葉をのみ込むことはなかったか…?
そんな反省を踏まえ、皆さんに考えてもらいたいことがあります。
現在猛威を振るっているオミクロン株によるコロナ感染は、比較的軽症者が多いとのデータもあるようです。そのためか、「オミクロン株感染症は、風邪と同じようなもの」という風説も耳にします。
オミクロンは、風邪と同じ?
私は専門家ではありませんが、究明途上の未知の感染症(新型コロナ)を、既知の感染症(風邪)と同一視する言い方は、危険な誤解を生むと思っています。その誤解を木登りにたとえるなら、「木から落ちても、たいした怪我はしない」という根拠なき楽観的観測に言い換えられるでしょう。
椅子の高さから落ちたって、打ち所が悪ければ重傷(重症)や死に至ることもあるのです。それでもまだ「風邪と同じ」と言いたい人には、こんな諺もあります。
【風邪は万病のもと】
意味は、あえて言いません。MT(ミーニング・タイム)だと思って、国語辞典やChromebookで調べてみてください。