では、皆さんにもう１つ問題を出します。今後、もし第３次世界大戦が勃発すれば、それは「核兵器による戦争になる」と考えられます。さらに、その後第４次世界大戦があれば、それは「【　　　】や【　　　】などを兵器にした戦いになる」と言われています。

　【　　　】の中にはどんな兵器が入るか、その理由とともに説明してください。

　さて、皆さんの頭に思い浮かんだ兵器は何でしょう？　ＡＩ（人工知能）、ロボットやドローンといった無人兵器、化学（細菌）兵器、サイバー攻撃、さらには宇宙ロケットや宇宙ステーションを利用した兵器など、ＳＦ映画に出てきそうな兵器を思い浮かべたのではないでしょうか。その理由は、「科学技術の進歩に伴って、兵器も核兵器以上に進歩しているから」といったところかと思います。仮説としては、正しいと思います。

　一方、私からは視点を変えた仮説を例示します。第４次世界大戦で人類が使用する兵器。それは【石】や【棒】です。理由は、以下のとおりです。

　「核兵器による第３次世界大戦が行われれば、人類は壊滅的な打撃を受け（もしくは全滅し）、地球は全ての文明が破壊しつくされ、原始時代に逆戻りしたような状態になる。したがって、仮に生き残った人類が第４次世界大戦を起こしたとしても、石や棒きれを兵器にした原始時代のような戦いにしかならないから」

　以上も、仮説の１つにすぎませんが、説得力はあると思います。

　では、本日最後の問題です。第４次はもちろん次の第３次世界大戦を起こさないために自分にできること、世界平和のために自分にできることは何ですか。

　答えは、今出さなくて結構です。これも仮説はたくさんあるので、少し時間をかけて考えてください。ただ、その際に参考になる言葉を紹介します。それは、今から６年前、私が「板橋区中学生平和の旅」の団長として広島を訪れた際、記念式典で地元の小学生が述べた「平和の誓い」の一節です。

　「ありがとう」や「ごめんね」の言葉で認め合い許し合うこと。寄り添い、助け合うこと。相手を知り、違いを知ろうと努力すること…。自分の回りを平和にすることは、私たち子どもにもできることです。

　どうか皆さん、この小学生の言葉を自分の日常生活に当てはめて考えてください。このように世界平和は、まず自分の回りの平和から始まると考えれば、「自分にできること」は格段に増えるのではないでしょうか。

　皆さん一人ひとりが、自分にも築ける身近な平和について考え、それを実践し、いつか世界の平和へとつなげていってくれるよう願っています。