おいしい給食「さつまいものシチュー」
- 公開日
- 2025/11/17
- 更新日
- 2025/11/17
日々の様子
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11月17日(月)
今日のメニューは、二色サンド、さつまいものシチュー、オレンジ、牛乳です。
さつまいも
さつまいもの起源・歴史・日本への伝播について
さつまいも(薩摩芋、甘藷、ヒルガオ科)は、その歴史において、世界各地で人々の食糧となり、
特に飢饉の際には多くの命を救ってきた重要な作物です。
1. 起源と世界への広がり
さつまいもの原産地は、中央アメリカからメキシコ南部、ペルーにかけての熱帯アメリカとされています。
起源(紀元前)約1万年〜1万2千年前に野生植物から作物になり、約7,000年前には栽培が始まったと考えられています。
紀元前のうちにアンデス地方などアメリカ大陸の文明全体に広まりました。
ペルー北海岸では、さつまいもをかたどった土器も見つかっています。
世界への伝播(15世紀末以降)
大航海時代の15世紀末頃、探検家コロンブスによってヨーロッパ(スペイン・ポルトガル)に持ち込まれました。
ヨーロッパでは寒冷な気候のためあまり普及しませんでしたが、
その後、ヨーロッパ諸国の植民地であったアフリカ、インド、東南アジアなど、
温暖な地域へ広まっていきました。
アジアへは、フィリピンを経て1594年に中国の福建省へ伝わったという記録が有力です。
2. 日本への伝来と普及
日本へは、主に中国・福建省から琉球(りゅうきゅう/現在の沖縄県)を経由して伝わりました。
琉球(沖縄)への伝来 (1605年頃)1605年(慶長10年)頃、琉球の進貢船の責任者であった野國總管(のぐに そうかん)が、
中国・福建省からさつまいもを鉢植えの状態で持ち帰ったのが定説とされています。
彼は後に「芋大主(いもおうす)」と呼ばれ尊敬されました。
薩摩(鹿児島)への伝来 (17世紀末〜18世紀初頭)
琉球から薩摩国(現在の鹿児島県)へ伝わるルートには諸説ありますが、
最も知られているのは、18世紀初頭に前田利右衛門(まえだ りえもん)という船乗りが
琉球から持ち帰り、薩摩の地に広めたというものです。
この経緯から、「薩摩国から伝わった芋」という意味で「さつまいも」という名前が広まりました。
九州では「唐(中国)から伝わった芋」という意味で唐芋(からいも)とも呼ばれます。
東日本への普及 (18世紀半ば)
1732年(享保17年)の享保の大飢饉では、
さつまいもを栽培していた薩摩地域で餓死者がほとんど出なかったことが知られ、救荒作物としての真価が認められました。
時の将軍徳川吉宗の命により、蘭学者・儒学者であった青木昆陽(あおき こんよう)が
さつまいもの栽培方法を研究し、1735年(享保20年)に『蕃藷考(ばんしょこう)』を著して栽培を奨励しました。
これにより、さつまいもの栽培が東日本を含め全国に広がり、青木昆陽は「甘藷先生」とも呼ばれています。
さつまいもは、痩せ地や干ばつにも強く、栽培しやすい特性から、江戸時代の三大飢饉をはじめとする食糧難の時代に、
多くの人々の命を救う「救荒作物」として不可欠な役割を果たしました。
3. 主な特徴
さつまいも
琉球から薩摩国(鹿児島)を経由して全国に広まった芋。
甘藷かんしょ
甘味のある芋、中国での植物名。
唐芋からいも唐(中国)から伝来した芋。主に九州での呼び名。
蕃藷ばんしょ外国(異蕃)から伝来した芋。青木昆陽の著書名にも使われた。
さつまいもは、現在も食用のほか、デンプン原料、焼酎などの酒類原料、家畜の飼料など、様々な用途で利用されています。
さつまいもの主な栄養価と期待される効果
さつまいもは、主成分である炭水化物(糖質・でんぷん)をエネルギー源とするだけでなく、ビタミン、ミネラル、
そして特に豊富な食物繊維とヤラピンなどの機能性成分を含んだ、栄養バランスに優れた食材です。
1. 特に豊富な注目栄養素
腸内環境の改善(便秘解消)、血糖値の上昇抑制、コレステロール低下イモ類の中でトップクラスの含有量。
不溶性・水溶性の両方がバランス良く含まれます。
ヤラピン腸のぜん動運動促進、便をやわらかくするさつまいもの切り口から出る白い乳液状の成分。
さつまいも特有の成分で、食物繊維との相乗効果で便通を助けます。
ビタミンC美肌効果(コラーゲン生成)、抗酸化作用、免疫力向上加熱に弱いビタミンCですが、
さつまいもの場合はデンプンに保護されているため、加熱しても壊れにくいのが特徴です。
カリウムむくみ解消、高血圧予防体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を助けるミネラルで、
他の野菜と比較しても豊富に含まれています。
2. その他の重要な栄養素糖質(炭水化物):主要なエネルギー源です。
でんぷんが主成分ですが、加熱により麦芽糖などに変わり、強い甘みになります。
ビタミンE:抗酸化作用を持ち、細胞の健康維持や老化の原因となる活性酸素を抑える働きが期待できます。
ビタミンB群 (B1, B2, B6):糖質や脂質のエネルギー代謝を助け、疲労回復や皮膚・粘膜の健康維持に役立ちます。
ポリフェノール:特に皮や紫色の品種(紫芋など)に含まれるアントシアニンやクロロゲン酸は強い抗酸化作用があり、
目の健康維持やアンチエイジングに役立ちます。
3. 栄養を逃さない食べ方のポイント
さつまいもは調理法を工夫することで、栄養素を効率よく摂ることができます。
皮ごと食べる:食物繊維、カリウム、カルシウム、そしてポリフェノール(特にアントシアニンやクロロゲン酸)は
皮と実の間に多く含まれているため、よく洗って皮ごと食べるのがおすすめです。
加熱調理:前述の通り、ビタミンCはでんぷんに守られるため、加熱しても失われにくいです。
また、蒸したり焼いたりしてゆっくり加熱することで、でんぷんが糖に変わり(β-アミラーゼの働き)、甘みが増します。
脂質と一緒に摂る:品種によってはβ-カロテン(体内でビタミンAに変換)やビタミンEなどの脂溶性ビタミンが豊富です。
これらの栄養素は、油と一緒に摂ることで吸収率がアップするため、天ぷらや炒め物などにすると効果的です。
さつまいもは、美味しく満腹感も得られる上に、美容と健康をサポートしてくれる素晴らしい食材と言えます。
今日は、午後からの登校日でした。
登校して、まずは給食からというのは、非常にありがたいですね。
定時制の高校だと、18時頃に登校して、給食から1日が始まります。
みなさんの登校は遅くとも、給食室は、早朝から給食の準備をしてくださいました。
今日も感謝の気持ちを忘れずに、頂きましょう。
期末考査も返却されます。自分との対話を忘れずに、次へのステップにつなげましょう。
今日は、教育実習生も最終日です。
お昼の放送で頂いたメッセージを心に、これからのご活躍を応援しましょう。
記事 風見 一統