中間考査が終わり、答案返却や解き直しが行われています。さらに今後は個票が配られ、考査の振り返り(反省)も行われます。その際には、個別に先生から自分の学年順位を教えてもらう人も、いることでしょう。
順位は、全体の中の自分の位置を示します。言い方を換えれば、他者との比較です。その順位を上げることが、勉強へのモチベーション(やる気)につながるという人や、良きライバルと順位を競い合うことで、お互いを高め合っているという人が、いるかもしれません。
ただし、順位に一喜一憂したり、他者との優劣にとらわれたりしてはいけません。
※ 続きは、下の『おりたたみ記事』をクリックしてください。
皆さんは、イソップ童話や「♪ もしもしカメよ…」の童謡で知られる『ウサギとカメ』の話を知っていますね。足の速いウサギと遅いカメが駆け比べ(競走)し、カメが勝つという話です。
改めて皆さんに尋ねますが、なぜ足の速いウサギはカメに負けたのでしょうか。「自分の力を過信して、居眠りをしてしまったから」「カメのことを馬鹿にして、油断してしまったから」…いずれも正解です。
では、質問の仕方を変えます。なぜ足の遅いカメは、ウサギに勝てたのでしょうか。「最後まであきらめずに、ゴールを目指したから」「地道にこつこつと努力を積み重ねたから」などと、答え方が変わると思います。
以上のことを踏まえ、改めて考えてみてください。なぜ足の速いウサギはカメに負け、足の遅いカメはウサギに勝つことができたのでしょうか…? 私は、次のように言えるのではないかと思います。
「ウサギは常に競走相手であるカメを見ていたが、カメはゴールである山の麓だけを見ていたから」
自分以外の誰かの存在を気にしたり、その誰かと自分との比較にとらわれたりすることが、慢心や焦りを生み出す。そして、慢心は油断に、焦りは自分を見失うことに繋がり、本来の力を発揮できずに終わってしまう…。これがウサギの走り方だと言えるでしょう。
それに対して、ただ自分が目指すゴールだけを見て、今自分がやるべきことに集中して取り組む。自分と誰かとの比較ではなく、今自分にできることに全力を尽くす…。これがカメの走り方です。
そして、ゴールを「めあて」に置き換えれば、同じことは駆け比べに限らず授業やテストにも言えます。
板三中の先生方は、どの授業でも必ず授業のめあてを明示されています。しかも、そのめあては「…を頑張る」のような精神論や抽象的な言い方ではありません。「…がわかる」「…ができる」のように、授業で皆さんに「わかってもらいたいこと・できるようになってほしいこと」が具体的に書かれています。
それこそが、皆さんが授業で目指すゴールです。カメが、ゴールである山だけを見据え、一歩一歩前に進んでいったように、皆さんもそれが「わかる・できる」ようになることだけを考え、授業に集中してください。
中間考査など、テストのめあても同じです。「学年順位○位以内に入る」といっためあても悪くないのですが、その場合めあての達成は他者に左右されます。そこで私は、自分の現状を分析した上で設ける「○点以上取る」のようなめあてを勧めます。
さらに付け足せば、現状に即した「最低○点以上」という必達目標(めあて)と、現状より少し上の「できれば○点以上」という努力目標(めあて)の2つを用意しておくと良いでしょう。そうすることで、めあてを達成するための計画も、達成できなかったときの改善策も、より具体的に立てられるからです。
カメの目指した山がそうだったように、めあては明確に設定しましょう。そして、カメがその山だけを見据えて走り続けたように、常にめあてを意識して具体的な行動をとり続けましょう。
そうすれば、必ず山に行き着ける、つまり、めあては必ず達成できるはずです。