明日10月27日〜11月9日までの2週間は『読書週間』です。11月3日の祝日『文化の日』をはさむ前後2週間となっているので、毎年日程が変わることはありません。
では、そもそも『読書週間』とは、どんな日なのでしょうか。以下、主催団体である読書推進運動協議会のHPより、その歴史と趣旨について一部引用します。
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終戦まもない昭和22年、まだ戦火の傷痕が至るところに残っている中で「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取次会社・書店と公共図書館、そして新聞・放送のマスコミ機関も加わって、11月17日から第1回『読書週間』が開催されました。
翌年の第2回からは期間も10月27日〜11月9日と定められ、この運動は全国に拡がっていきました。『読書週間』は、日本の国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民の国」になりました。
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また、「読書の秋」という言葉もありますね。
今から約1200年前の中国(唐の時代)に、学者で詩人の韓愈(かんゆ)という人がいました。その韓愈の残した文の中に【燈火親しむべし】という一節があります。「秋になると涼しく、また、夜も長くなるため、燈火(とうか=灯り)の下で読書をするのに適している」といった意味ですが、「読書の秋」はこの言葉を由来として言われるようになったそうです。
さて、読書の効能については、今さら私が言うまでもないと思います。「幅広い知識の習得」「豊かな人間性の涵養」「読解力の向上」「ストレス解消」…。それ以外にも、皆さん一人ひとりに、一人ひとりの読書の効能や目的があることでしょう。
以前、小学生時代の私が「持ち物忘れ・宿題忘れ・図書館から借りた本の数」の3冠王だった話をしました。そんな小学生時代を振り返って、個人的に一番の読書の効能と思っていることがあります。
それは「人との出会い」です。
人が一生のうちに出会える「人」は、いったい何人いるでしょうか? しかも、「自分の生き方・考え方に影響を与えた人」となると、そうたくさんいるものではないと思います。
しかし、私は小学生にして、そんな人100人と出会うことができました。それは「伝記」を読んだからです。
言うまでもなく「伝記」は、ある人物の生涯を綴った読み物です。多少の誇張や作者の歴史観が反映されることもありますが、史実に基づきながらその人の生き方や考え方が描かれています。
小学生時代の私は、図書館にあった約60冊の伝記シリーズを全巻読破し、それ以外に読んだ単発のものを含めると約100冊に及びます。
聖徳太子、エジソン、野口英世、リンカーン、坂本龍馬…。古今東西を問わず「偉人」と呼ばれる人や歴史に名を残す人が、何を考え、どのように生きたのかを小学生なりに知ることができたのは、その後の私の財産になりました。
なぜなら、様々な人生の局面や節目に、伝記で読んだ100人誰かしらの顔を思い浮かべ、例えば「坂本龍馬なら、こんな時どう判断するだろうか」などと考えるよりどころになったからです。
少し大げさですが、小学生の私が「自分の生き方・考え方に影響を与えた100人と出会った」というのは、そういう意味です。伝記を読んだことによる100人との出会いが、本来優柔不断な私の大きな支えになっているのです。
「伝記」や「歴史小説」に限らず、さらにはフィクション・ノンフィクション等のジャンルに関係なく、多くの書物に多くの人の生き方・考え方が描かれています。その人は、もしかしたら皆さんに生きるヒント・考えるヒントを与えてくれる人かもしれません。
せっかくの「読書の秋」です。
せっかくの「読書週間」です。
どうか、良き出会いを。