校長日記

2月20日(月)本日の授業風景(3)

公開日
2023/02/20
更新日
2023/02/20

校長日記

 8年4組・国語の授業の様子です。

 小説『走れメロス』(太宰治)のまとめ学習です。小説の主題(テーマ)について自分の考えをまとめ、友達の考えを共有しました。当然のことながら、多くの人が「信頼」「友情」といった言葉を挙げていました。そんな小説の主題とは別に、皆さんに興味深い話を教えましょう。

 作者の太宰治には『熱海事件』という逸話があります。作家仲間の檀一雄(だん かずお)と熱海で豪遊した太宰は、借金が返せなくなりました。そこで、太宰は檀を「人質」として熱海に残し、お金を工面するため1人東京へ帰ります。しかし、何日たっても太宰は熱海に戻りません。

 やむを得ず借金取りと共に東京の太宰のもとに向かった檀は、太宰が別の友達とのんきに将棋を指している姿を見て激怒します。そんな檀に、太宰は「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね」と呟いたという話です。同じ「待たせる身」でも、メロスとのギャップが面白いですね。

                          校長 武田幸雄