校長日記

12月29日(月)校長雑感・今年の漢字【熊】

公開日
2025/12/29
更新日
2025/12/29

校長日記

 漢検協会が「その年の世相を表す漢字」を募集し、最も多かったものを『今年の漢字』として発表しています。2025年の漢字は【熊】でした。実は夏まで、私は勝手に「今年の漢字は【米】」と決めつけていました。


 「米価格の高騰」や「備蓄米の放出」、さらにはトランプ関税ともいわれた「米大統領の貿易政策」等が話題をさらっていたためです。しかし、特に夏以降「熊による人身被害」が深刻化し、僅差で1位【熊】2位【米】となったようです。


 以前朝礼の校長講話で、映画『もののけ姫』の主人公・アシタカのセリフを取り上げました。今年の漢字にもなった「熊問題」を考えたとき、やはり思い出すアシタカのセリフがあります。


 それは「森と人間が争わずに済む道はないのか?」と、神の森を守る山犬に問うセリフです。熊が人を襲ったとか、猟銃で熊を駆除したとか罠を仕掛けたとかいった報道に触れるたびに、私はそのセリフを思い浮かべていました。


 「これは熊と人間ではなく、熊の暮らす環境(森)と人間の問題なのではないか」 熊問題の中長期的な解決策は、猟銃や罠に頼るだけでなく、熊問題というより環境問題として考えなければならないような気がしています。


                                         校長 武田幸雄