学校日記

子供の学びについて考える

公開日
2021/05/26
更新日
2021/05/26

校長通信

子どもたちが「学ぶ」ことは、知識を総動員して自分の頭で考えることです。
しかし、単に想像するだけでは学習が深まりません。
そこには根拠となるデータや、今までの知識の蓄えが必要となります。
特に社会科の学習では、地図やグラフ、写真といった資料を根拠として考えることが大切です。

6年生の社会科・政治単元を例にして、子どもの学びについて考えます。

今日の学習は次のように進みました。
1.板橋区の総人口や人口構成を提示します。
2.子どもたちの予想を反し、10代は案外少ないことが分かりました。
3.板橋区は子育てしやすい地域として、住民アンケートでは全国第7位と抜群の成績を収めていることを示します。
4.なぜ板橋区は「子育てしやすい」と感じる大人が多いのか、何枚かの写真を配り、これをヒントにノートに書いていきます。
5.写真は「あいキッズで遊ぶ子どもたち」「中央図書館」「中学校までの無料となる医療カード」「母子手帳」などです。

左の写真は6年2組の子どもが書いたノートです。
黒い字は自分で書いた部分、青い字は友達の意見を書いています。

右の写真は、最後のまとめの部分です。
子どもたちが写真を根拠にして、どのような政策が子育て支援になっているのか、子どもたちの発言を聞いてつないでいきます。

誰一人、勝手におしゃべるすることなく、最後まで全員が集中して取り組んでいました。

さて、なぜ子どもたちが集中できたのでしょうか。

それは、初めに提示された資料が板橋区という身近なデータであり、その次のデータが自分の親が「子育てしやすい」と感じるのはなぜだろうかという問いかけだったからです。

まとめの学習では、このような支援は誰が決めたのだろうかという疑問につながり、子どもたちは区長さんや議員さん、そして有権者の大人の要望から議員さんが決めたという結論に至りました。
つまり、板橋区の施策は一部で勝手に決めたものではなく、区民の要望を受けて、区議会が動いたことに気付いたことになります。
これこそ、政治単元の大きな目標です。

身近で分かりやすい、具体的な資料を基にして、事実を洗い出し、そこから分かることを子どもの言葉をつなげてまとめていく。

子どもたちは自分の頭で考えて、みんなで一定の結論に至ったという実感をもつことのできた授業でした。