昨年４月に校長として着任した　岡部　誠　と申します。伝統と開拓が融合した歴史ある学校への着任に気が引き締まる思いです。今年度は２２５名の新入生をむかえ、全校生徒６２０名を超える大規模な学校です。
　さて、昨年度の新生児が過去最低の７５万人台となったとの報道は記憶に新しいところです。われわれ団塊ジュニア世代が２００万人であることを考えると、若年世代が大人になったとき、半分以下の人口で今の国力を維持・発展させていくことが求められることになります。人口減少社会がもたらす環境の変化に対する知恵が試される機会は、日本の長い歴史の中でも経験のないことです。
　だからこそ学校教育には、基礎的基本的な知識・技能を踏まえて多様な他者と共に協働し、自分と異なる価値観に触れることで新しい知恵を育む経験（思考力・判断力・表現力等）が必要になります。『個に閉じた学力形成』から『社会に開かれた知恵の創造』への転換。互いに関わり合い、補い合い、助け合い、高め合う教育活動を丁寧に探究していくことで、本校生徒たちの豊かな未来を紡いでいく所存です。
　また、昨年度より「児童生徒及び教職員については、学校教育活動に当たって、マスクの着用を求めないことを基本とする」こととなりました。制約ある社会生活でも、子どもたちは実に頼もしく、そして繊細に時を重ねてきました。マスク越しに聞こえる友の声にしっかりと耳と心を傾け、他者の表情を想像しながら適度な距離感を保って人間関係を育み、大人が定めた基準を従順に守りながら健気に生活してきました。本校での教育活動を通じて、子どもたちが未来への夢や希望をもって一歩を踏み出す、そんな気持ちを養っていけたらと思います。
　保護者・地域の皆様には、これまでと変わらず、本校の教育活動にご理解とご協力をいただけますようお願いいたします。

板橋区立志村第一中学校
校　長　　岡　部　　誠