本日はコロナ禍にありながら、本校PTA会長・保田様をご来賓にお迎えし、第75回入学式を挙行できますことを心より嬉しく思います。
一方で、感染症予防対策により、在校生は各教室でリモート配信により参列しております。また、その関係で教職員も全員が臨席できておりませんことを、保護者の皆様にお詫び申し上げます。
とはいえ、まずはお子様のご入学まことにおめでとうございます。当分はウィズ・コロナの学校生活が続く中、お子様にも我慢や不自由を強いる場面も多いかと思います。
しかしながら私たち教職員一同は、これから3年間、お預かりしたお子様の指導・支援に全力であたっていく所存です。今後とも、宜しくお願い申し上げます。
※ 続きは、下の『おりたたみ記事』をクリックしてください。
さて、新入生の皆さん。改めて入学おめでとうございます。
皆さんが入学したこの板橋第三中学校には、学校の特色とも言える数字の【1】が、3つあります。
まず最初の【1】は、これ、皆さんもよく知っている「学びのエリア」のマスコットキャラクター「いっきゅうさん」の【1】です。
小中一貫教育を推進する板橋区では、皆さんは中学1年生であると同時にエリア7年生でもあります。本校と板一小・板八小・中根橋小からなる「小中一貫・板三エリア」では、全ての教室にこの「いっきゅうさん」の教室表示があったはずです。
名前の由来は「小中一貫」の「一」、「九年間で育てる板三エリアの子どもたち」から「九」と「三」をとって「いっきゅうさん(一九三)」です。「いっきゅうさん」の頭に生えている双葉は、本校の校歌の歌詞に出てくるユウカリの葉です。
学年が上がるにつれて大きくなるこのユウカリの葉は、皆さんの成長を意味しています。ぜひ、3年間かけて、この絵の大きな双葉のように、たくましく成長していってください。
次の【1】は、本校の先生や生徒はもちろん、保護者・地域の皆さんで共有している夢と関連があります。その夢とは「板橋第三中学校を、東京で一番の学校にする」という夢です。
ただし、「東京で一番」といっても、他の学校と何かを比較して「一番」とか、大会やコンクールなどで「一番」といった意味ではありません。
簡単に言うと「東京で一番の学校は、どこですか?」と尋ねられたとき、そこに通う全ての生徒が、そこで働く全ての教職員が、そこに我が子を通わせる全ての保護者・地域の皆様が、胸を張って「板橋第三中学校です」と即答できる学校という意味です。したがって、言い方を変えれば「東京で一番の学校」とは、満足度の極めて高い学校、自己肯定感の極めて高い学校ということになるでしょう。
今日から皆さんは、共に同じ夢をもつ仲間です。ぜひ力を合わせて、本校を「東京で一番の学校」にしていきましょう。
もう一つの【1】は、校則です。本校に校則は、たった1つしかありません。それは『 Be Gentleman(ビィ・ジェントルマン=紳士であれ)』という校則です。これは、アメリカの教育者クラーク博士の言葉を引用しています。
「 Boys,Be ambitious 」(ボーイズ・ビィ・アンビシャス=少年よ、大志を抱け)の言葉で知られるクラーク博士は、1876年(明治9)、開校したばかりの札幌農学校(現在の北海道大学)に、初代教頭として着任しました。その際、開校にあたって定められた細かな校則を見て、クラーク博士はこう言ったそうです。
「規則で人間をつくることはできない。この学校に、校則はたった一つあればいい。それは『 Be Gentleman 』だ」
『 Be Gentleman 』意味は先ほども言ったとおり「紳士であれ」。本来ジェントルマン(紳士)は男性を指す言葉ですが、これは札幌農学校が当時は男子校だったからで、板三中の校則においては「男女に関係なく、知性に富み、礼儀正しく、思いやりにあふれる人」と解釈してください。
本校の8・9年生は、常に「ジェントルマンとは何か」「ジェントルマンになるために、自分はどうあるべきか」を考えて行動しています。校則が1つしかないからといって、自分勝手な振る舞いをする人など一人もいません。それどころか校則が1つしかないことで、自律の精神を養っているのです。
この3年間皆さんも、細かなルールや規則に縛られるのでなく、紳士としてとるべき行動の物差しを自分たちでつくり、自ら守っていかなければなりません。そのために先生方も力を惜しまず、皆さんに助言や支援をするつもりです。
では、今この瞬間、皆さんはお客さんではなく、共に新しい板三中を創る仲間になりました。その自覚を強く胸に刻んでくれるようお願いして、私の式辞とします。
令和3年4月7日 板橋区立板橋第三中学校長 武田幸雄