校長日記

2月9日(月)本日の授業風景(1)

公開日
2026/02/09
更新日
2026/02/09

校長日記

 9年2組・道徳の授業の様子です。


 【思いやり・感謝】をテーマに、教科書より『電車の中で』という読み物を使用しています。「電車の中で高齢者に席を譲る」という行為について、複雑な思いを抱く中学生を描いた読み物です。


 授業では、座った席を譲りお礼を言われる場面と、座らずに席を空けておいてお礼を言われる場面を友達と演じ合い(写真・上)、どんな印象を持つかを考えました。そして、思いやりを行動に移すために必要なことについて考えました。


 その「席を譲る・譲らない」をモチーフにした『夕焼け』(吉野弘)という詩があります。国語の学習ではないので詳しい解説はしませんが、詩の中に出てくる【娘】=【やさしい心の持主】の心情を読み解いて、さらに考えを深めてくれたら幸いです。

                                         校長 武田幸雄

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        夕焼け  吉野 弘


    いつものことだが

    電車は満員だった。

    そして

    いつものことだが

    若者と娘が腰をおろし

    としよりが立っていた。

    うつむいていた娘が立って

    としよりに席をゆずった。

    そそくさととしよりが坐った。

    礼も言わずにとしよりは次の駅で降りた。

    娘は坐った。

    別のとしよりが娘の前に

    横あいから押されてきた。

    娘はうつむいた。

    しかし

    又立って

    席を

    そのとしよりにゆずった。

    としよりは次の駅で礼を言って降りた。

    娘は坐った。

    二度あることは と言う通り

    別のとしよりが娘の前に

    押し出された。

    可哀想に。

    娘はうつむいて

    そして今度は席を立たなかった。

    次の駅も

    次の駅も

    下唇をギュッと噛んで

    身体をこわばらせて・・・。

    僕は電車を降りた。

    固くなってうつむいて

    娘はどこまで行ったろう。
  
    やさしい心の持主は

    いつでもどこでも

    われにもあらず受難者となる。

    何故って

    やさしい心の持主は

    他人のつらさを自分のつらさのように

    感じるから。

    やさしい心に責められながら

    娘はどこまでゆけるだろう。

    下唇を噛んで

    つらい気持ちで

    美しい夕焼けも見ないで。