GoToトラベル、GoToイート、GoToイベント、GoTo商店街…。現在、様々なGoToキャンペーンが展開、あるいは予定されています。皆さんも知っているようにそれらは、コロナ禍により低迷している景気の回復を目的とした経済政策です。
旅行や外出・外食の機会が増えれば増えるほど、コロナ感染のリスクは高まります。しかし、これ以上経済活動を停滞させるわけにはいきません。そこで、感染症対策はしっかり行うという条件下で、こうした事業を実施しているわけです。
それが奏功したのか、TVニュース等では、混雑が戻ってきた観光地や飲食店の様子も、見かけるようになりました。
※ 続きは、下の『おりたたみ記事』をクリックしてください。
一方、今月6日のある新聞1面には、こんな見出しがありました。
【イタリア、再び都市封鎖】【アメリカ、1日10万人感染】【欧米コロナ拡大猛威】
また、同紙の社会面では、前日の国内感染者が1049人となり、約2ヶ月半ぶりに千人を超えたことも伝えていました。さらに先週は、一日の国内感染者数が1500人を超える日も出てきています。
さて、緊急事態宣言が発令されて半年たった先月7日、ある調査報告書がまとめられました。タイトルは『新型コロナ対応・民間臨時調査会』。簡単に言うと、弁護士や大学教授などでつくる民間グループが、コロナ対応に関わった政治家や官僚、専門家たちに聴き取りを行い、その対応策を検証したものです。
現在、同じタイトルで書籍化された本が、書店に並んでいます。まだ私は読んでいませんが、総括、つまり「まとめ」の中で述べられている次の一節は、私の脳裏に刻み込まれています。
【同じ危機は、二度と同じようには起きない。しかし、形を変えて、危機は必ずまたやってくる。学ぶことを学ぶ責任が、私たちにはある。】
GoToキャンペーンで経済活動が復興しつつあるように、教育活動も徐々に正常化に向かっています。『三密』を避けるなどの感染予防策を講じつつ、これまで中止や自粛を余儀なくされていた行事も、各校で再開され始めました。
本校でも8年生や9年生が、板橋区のガイドラインに沿う形で校外学習を考えています。また、3学期の展示発表会も、なんとか実施する方向で検討しています。
ただ、そういう時期だからこそ、あえて私は皆さんに言っておきたいのです。コロナ禍は、けっして収束していません。それどころか、国内の感染状況は、再び増加傾向にあります。欧米に至っては、第1波とは比べものにならないほど感染が拡大しています。
見えないだけで、今もコロナは私たちの目の前にいるのです。
私も、学校行事の意義は十分理解していますし、皆さんが楽しみにしていることも痛いほど分かっています。しかし、「今、目の前にある危機」を意識したとき、行事の再開以上に心に期するものがあります。
それは「生徒の学びを、二度と止めない」という覚悟です。そして、その思いは、板三中の全ての先生方が共有しています。
だからこそ、当初は2学期で終了させる予定だった月1回の「土曜ICT学習支援日」を3学期も継続させることにしました。それは、在宅で学習支援を受けられるようになったシステムやスキルを、いっそう定着させたいからです。また、今なお先生方は、いつ休校になっても対応できるよう、家庭学習課題の更新を続けています。
今後も、可能な範囲で少しずつ行事を再開させていきます。
ただし「GoTo行事」より優先させるべきGoToは「GoTo感染予防」であり「GoTo学びの継続」であるという大原則は、改めて心に留めておいてください。
【同じ危機は、二度と同じようには起きない。しかし、形を変えて、危機は必ずまたやってくる。学ぶことを学ぶ責任が、私たちにはある。】