現在8年生が、夏休みに行われる職場体験の準備を進めているところです。今週13日には、お世話になる多くの事業所に、事前打ち合わせに伺うことになっています。
文字どおり職場体験では、様々な仕事に携わっている方と接し、その仕事を体験させていただきます。そうした取り組みを通し、働くことの意義や勤労の尊さに気づいたり、社会人としての心構えやマナーを学んだりすることが目的です。
私には、仕事といえば思い出す缶コーヒーのテレビCMがあります。と言うと8・9年生の皆さんは、昨年朝礼で取り上げた「宇宙人・ジョーンズ」シリーズかと思うかもしれませんが、本日は別メーカーのCMです。
缶コーヒーには「仕事の合間の息抜き」というイメージがあるためか、メーカーを問わず「働く人」をターゲットにした広告戦略があるのかもしれません。
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今回紹介するのは、山田孝之さんや広瀬アリスさんなどが様々な職業人に扮して登場し、最後に【世界は誰かの仕事でできている】というキャッチコピーが流れるCMシリーズです。私の記憶に新しいのは、少し前に視聴した東京オリンピックバージョンです。
子連れのお父さんが自販機で缶コーヒーを買おうとした時、一緒にいた子どもがふと「オリンピックって、いつから始まるの?」と尋ねます。お父さんが思い出すように「…確か、7月だったかな?」と呟いた瞬間、完成間近の国立競技場が映し出され、工事現場監督が「オリンピックを支える戦いなら、もうとっくに始まってるよ」と語りかけます。
それを皮切りに、陸上競技のスパイク作り職人、グラウンドキーパー、ホテルマン、選手村の調理員、開会式用の花火職人、手話通訳、タクシー運転手など様々な職種の人が、自分の仕事にかける意気込みを語るのです。
そして、最後はお決まりの【世界は誰かの仕事でできている】(このバージョンは『TOKYO 2020も誰かの仕事でできている』)が流れるというCMでした。
私がこのCMシリーズを好きな理由は、至って簡単です。この【世界は誰かの仕事でできている】というキャッチコピーに共感するからです。
考えてみれば、当たり前のことだと思いませんか? 世の中の全てのモノとコトの背後には、必ず誰かの仕事があるのです。例えば、皆さんの学校生活。その中で一番多くの時間をつかう授業は、教えるコトを担当する先生の仕事によって成り立っています。
しかし、それだけでは成り立ちません。
そのコトを支えるモノがたくさんあります。Chromebookや電子黒板などICT機器、チョーク、黒板、皆さんの使う文房具類、机や椅子、標準服…。それら数え上げたらきりのないモノは、それぞれ別の職種の人の仕事でできています。
さらに言えば、授業を行うこの校舎も、建設するコトに従事した人の仕事と、建設に必要なモノをつくった人の仕事で落成しました。その職種がどれだけ多岐にわたるのか、私には想像もつきません。
このようにたった1時間の授業でさえ、その背後に数え切れないほどの仕事があって成り立っているのです。まさに【世界は誰かの仕事でできている】のであり、それは言い方を変えれば「働いている人は、必ず世界に役立っている」ということになると思います。
その職種が何であれ、皆さんのお父さんやお母さんも含め「働く人」は全て「どこかで世界に役立っている人」です。そんな意識を頭の片隅に置きながら、8年生は職場体験、7年生は身近な職業調べ、9年生は社会科公民分野の単元『私たちの生活と経済』の学習に取り組んでください。
そして、いつか皆さんが「働く人」として、どこかで世界に役立つための礎を築いておいてください。