第1回研究授業・協議会報告
- 公開日
- 2024/07/22
- 更新日
- 2024/07/22
道徳教育研究部
今年度の道徳部は、「自分を見つめ、よりよく生きようとする児童の育成〜自分自身のことと捉え、向き合う授業を目指して〜」という研究主題で事前検討や研究授業を行っていきます。
5月15日に行われた第1回では、「ぼくだって」(相互理解、寛容)という教材で研究授業を行いました。今回の見所は、思考ツールであるマトリクスを多岐にわたって活用した点です(※写真左)。まず、マトリクスを使って、児童に事前アンケートを行いました。アンケートの内容は「友達のミスで失敗に終わった時、どのような気持ちになるか」という場面を設定し、「許す・許さない」「責める・責めない」という軸に自分の気持ちを表しました。導入では、この事前アンケートを活用することで、これから学習することは自分にも関係あることだと児童に捉えさせ、児童の学習意欲を高めることができました。展開では、登場人物の【ぼく】の気持ちの変容をマトリクスで板書に掲示し、【ぼく】と自分の気持ちを比べながら【ぼく】の気持ちを考えられるようにしました。
協議会では、マトリクスが効果的だったというご意見をたくさんいただきました。講師の元東京都道徳教育研究会会長である北村博先生からも、マトリクスが効果的だったとご講評いただきました。また、今回の座標軸は「許す・許さない」(たて)「責める・責めない」(よこ)に設定しましたが、「問う・問わない」(よこ)等、文言を変えても良かったのではないか、展開後段の自己の振り返りでもマトリクスを使えば良かったのではないかというご指導もいただきました。
授業後、授業者の原先生が再度マトリクスのアンケートを行った結果、最初のアンケートでは「責めるけど許す」が多かったそうですが、事後のアンケートでは児童の変容が見られたそうです。今回のマトリクスは、たて軸やよこ軸を変えれば、道徳の授業だけではなく、さまざまな学習の中で活用できると思います。児童の学習意欲を高めるため、児童の変容を児童自身や教師が見取るため、ぜひマトリクスを使ってみてはいかがでしょうか。