学校日記

【校長日記】6年1組の皆さんへ ノーチャイム制のこと

公開日
2025/06/21
更新日
2025/06/21

校長日記

 ノーチャイム制について6年1組で話合いがありました。6年1組の子どもたちへのメッセージをここで御紹介します。

6年1組の皆さんへ


 令和7年度から高島第六小学校はノーチャイム制を始めます。学校ではチャイムがなりますが、学校以外の生活ではチャイムがなりません。それでも、多くの人が時刻を意識し、生活しています。昔からノーチャイム制に取り組んでいる学校はいくつもありますし、板橋区内でも実例があります。


 チャイムが鳴らないと子どもたちは時刻を意識し、生活できるようになります。教職員も同様です。授業の開始や終了のチャイムが鳴らないから、授業の開始時刻や終了時刻を意識して先生たちは授業をするようになりました。

 以前、高六小では会議をする前に放送をかけて先生たちが集合し、会議が始まることがありました。でも、それが今はほとんどありません。職員室では、会議の開始時刻と開催場所などがはっきり決まっており、あらかじめ予定表や職員室のホワイトボードに書いてあるので、先生たちは放送がかからなくても会議に集合できるのです。


 子どもたちも同様です。あらかじめ予定が分かっていれば、チャイムがなくても生活できます。もちろん、チャイムがあった方が楽です。時刻を意識しなくても、チャイムがなれば教室に戻る時刻だと気付くからです。でも、それだけで本当によいのでしょうか。チャイムがならなくても、見通しをもって生活し、時刻を守って生活することができるようになれば、それは大きな力になります。子どもたちの成長につながります。

 「時は金なり」という言葉があります。時間は貴重なのです。自分の時間も人の時間も大切なのです。6月23日の全校朝会の開始が1分間遅れました。この時に校長先生がなんと話したか覚えていますか。1人1分間。全校児童395人なので、全部で395分間の時間が無駄になったということを。

 6年生の皆さんは、日光移動教室で5分前行動を意識していた人たちも多くいました。時刻を守り、時間を大切にするということは、人の時間を大切にする、人のことを大切にするということにつながるのです。


 6月21日土曜日1時間目、6年1組の皆さんは「ノーチャーム制」について話し合ったと担任の先生から聞きました。皆さんがかいた付箋(いろいろな意見)に全部、目を通しました。


 高学年が中心に声をかけていくことが大切という前向きな意見もありましたが、「声の掛け合いはできない」「チャイムがあった方がいい」「ノーチャイム制をなくしてほしい」という意見も多くありました。

 「ノーチャイム制で時間を守る人が少ないだろう」「初めてだから不安」「先生たちがたくさんの人に声を掛けないといけない」「先生の仕事が増える」「時刻なんて気にしないで遊びたい人がたくさんいる」「ノーチャイム制をなくした方が平和になる」「自分たちの意見もきいてほしい」「デジタル時計があるといい」「校庭に時計を増やしてほしい」などなど、心配な声がたくさんありました。

 ノーチャイム制は、校長先生が一人で決めたわけではありません。先生たちと話し合いをたくさんして決めたことです。最初、校長先生は、4月から完全にノーチャイム制にすることができると思っていました。でも、先生たちの中から、「4月からいきなりは難しいから、1学期の間は休み時間の予鈴だけならしませんか」という意見が出ました。そんな意見があったので、完全ノーチャイム制は2学期から始めることにしたのです。

 3月の保護者会や新1年生保護者会で保護者の方には説明しました。全校児童のみなさんには3月の全校児童朝会、4月の始業式や全校朝会で数回にわたって、ノーチャイム制にする意味について話をしました。

 今回、6年1組の児童のみなさんの付箋に書かれた意見や感想を全部読み、伝わっている人とそうでない人がいることが分かりました。他の学年、クラスでも担任の先生たちからノーチャイム制のことについていろいろな形で御指導いただいていると思います。

 ノーチャイム制の成功には、6年生の活躍、協力が必要です。もう一度、なんのための学校生活か、考えてみてください。楽しむため?楽をするため?違います。成長をするための学校生活です。学校は、成長をするところです。学校をよりよくするのは、すべてが成長のためです。子どもたちがますます成長するための高島第六小学校にするために、高六小の子どもだちの成長のために、6年生の成長のために、今、最高学年の6年生として、何ができるか、何をするべきか、ぜひ考えてください。

 6年生の活躍に心から期待しています。

 トップダウンとボトムアップの調和という言葉をプレゼントしましょう。言われたことのみに対して活動するのではいけません。自分たちで、自分たちから、前向きに主体的に、学校をよりよくするために、みんなが成長するために、力を付けていくために、6年1組の児童として今、何をするべきか、主体的に、前向きに考えられることを期待します。


校長 寺内 崇