校長あいさつ
校長 堀内 祐子
私たちの通う板橋区立板橋第四小学校は昭和3年に開校し、96年の歴史をもつ学校です。
学区域は、板橋区の東部にあり、豊島区、北区に接しています。
国道17号線が通り、JR板橋駅、都営三田線新板橋駅、東武東上線下板橋駅の3つの駅が近く、交通にも便利な場所にあります。
このあたりは、江戸時代、板橋の宿として栄えた地域です。
旧中山道沿いは、現在商店街となっています。
そして、学校が建っているあたりは、以前加賀蕃の下屋敷があったそうです。
また、都心とのアクセスがよいことから開発が進み、大きなマンションの建設が進められるようになりました。
私たちの学校は、児童数約500人の18学級です。
板橋区立小学校では、唯一PTA推奨服のある学校です。
令和7年度は学校の教育目標を約半世紀ぶりに次のように改定しました。
〇 自分もみんなも幸せにする子
最近「well-being(ウェルビーイング)」という言葉をよく聞くことがあります。直訳すると「幸福」「健康」という意味になります。肉体的にも精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた幸せな状態にあることをいいます。教育においても重視されている考え方です。
経済協力開発機構(OECD)によると「教育の目的は、個人のウェルビーイングと社会のウェルビーイングの二つを実現することである」としています。つまり、教育は、「子どもたち一人一人と社会全体が、現在から将来にわたって幸せで満ち足りた状態となるため」に行われるものでなければなりません。
では、人間は、どのようなときに幸せを感じるのでしょうか。それを明らかにするために、慶應義塾大学大学院
教授の前野 隆司氏の研究グループはアンケート調査の結果からコンピューターによる因子分析を実施し、幸福感と深い相関関係がある以下の四つの因子の存在を明らかにしました。
一つ目が、「やってみよう」因子(自己実現と成長の因子)夢や目標ややりがいをもって、「本当になりたい自分」をめざして成長していくとき、人間は幸せを感じるといいます。
二つ目は、「ありがとう」因子(つながりと感謝の因子)多様な人とつながりをもち、人を喜ばせたり、人に親切にしたり、感謝したりすることが幸せをもたらすといいます。
三つ目は、「なんとかなる」因子(前向きと楽観の因子)いつも前向きで、「自分のいいところも悪いところも受け入れる」という自己受容ができており、「どんなことがあっても何とかなるだろう」と感じる楽観的な人は、幸せになりやすいといいます。
四つ目は、「ありのままに」因子(独立と自分らしさの因子)人目を気にせず、自分らしく生きていける人は、そうでない人と比べて幸福感を覚えやすい傾向があるといいます。
本年度、新教育目標の下で、この四つの因子を意識しながら、一人でも多くの子どもが「頑張ったらできるようになった。」「友達を喜ばせることができた。」「失敗したけれど次も頑張ろう」「頑張った自分を誇りに思う。」と思えるような経験を積み重ねさせていきたいと思います。