本日は部活動についてお話しさせていただきます。
部活動は「教育課程外」の活動ではありますが、学校教育の一環として位置づけられています。生徒の自主的・自発的な参加を促し、スポーツや文化活動に親しむ中で、学習意欲の向上や責任感、連帯感などを育むことを目的としています。
この部活動のあり方は、平成30年度以降、大きな転換期を迎えました。文部科学省から「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が示され、生徒の健康管理や教職員の負担軽減の観点から、活動時間や活動日数の上限が明確に定められました。具体的には、平日は2時間程度、休業日は3時間程度、さらに平日1日・土日1日以上の休養日を確保することが求められています。
また、教員の働き方改革の一環として、部活動の持続可能な運営を目指し、「地域連携・地域移行・地域展開」という方針も打ち出されました。令和4年には、スポーツ庁と文化庁が「地域連携・学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を策定し、地域全体で部活動を支える仕組みづくりが進められています。
この「地域移行・地域展開」とは、これまで学校が担ってきた部活動を、地域の人材や団体、複数校の連携などにより、持続可能な形へと変えていく取り組みです。
本年度、板橋区においてもその一環として、野球部がすべて地域クラブへと移行しました。本校にはもともと野球部がなかったため、大きな混乱はありませんでしたが、他校では新たな体制への移行にご苦労があったことと思います。今後、区の方針によっては、現在お子様が所属している部活動も、地域クラブへと移行する可能性があります。
現状では、学校の部活動は多くの場合、教員の献身的な協力によって支えられています。
たとえば、教員は給食指導の関係で昼休憩を取ることができず、午後3時45分から4時30分を休憩時間としていますが、この時間帯はちょうど部活動と重なります。さらに、午後4時45分の勤務時間終了後も、午後6時ごろまで部活動の指導にあたることがあります。加えて、休日にはわずかな手当で大会や練習試合の引率を行うなど、実質的にはボランティアとして対応しているのが実情です。
教員が過重な負担によって心身ともに疲弊してしまっては、よい授業を行うことも難しくなります。こうした実態をご理解いただき、保護者の皆様にはお子様を支えるとともに、顧問教員にも温かいご支援を賜れますと幸いです。
部活動は、生徒にとって大きな成長と達成感を得られる貴重な経験であり、中学校生活のかけがえのない思い出となります。一方で、決して強制されるものではなく、自分に合わなければ無理に続ける必要はありません。お子様の意思を尊重し、温かく見守りながら、側面から支えていただけますようお願い申し上げます。