校長あいさつ

校長あいさつ

校 長 福井 みどり

  • ピースさくら

「子どもが主役」の学校 

~リーダー・イン・ミー教育の実践を通して~

 令和7年度がスタートしました。板橋区立志村第三小学校の校長として3年目を迎えます。校長の福井みどりです。今年度も志村第三小学校の可愛い子どもたち、支えて下さる保護者の皆様、温かい地域の皆様、そして信頼できる大好きな教職員と共に、教育活動が出来ることを嬉しく思います。どうぞ、よろしくお願い致します。 

 令和7年度のスタートにあたり星野富弘さんのお話を紹介致します。(令和6年度の卒業式でもお話させていただいた内容です)星野富弘さんは中学校の体育の先生でしたが、部活の指導中の事故で頭から転落し頸髄損傷し、手足の自由を失ってしまった方です。首からしたが全く動かず、ベッドと車いすの生活でした。星野富弘さんは、唯一動く口を使って、たくさんの花や景色を描き、その絵に添えられた優しい言葉で、たくさんの人の心を救った方です。実は私自身、23歳の時に大病を患い、1年間ベッドの上で生活を余儀なくされた時期があります。そんな時、私の小学校時代の担任の先生が、差し入れして下さった本が、この星野富弘さんの本でした。当時の私は生きることに希望をもてず、その先の未来があることも考えられない程でした。真っ暗闇の深い穴に落ちてしまったような、そんな時に、この星野富弘さんの本に出合わせていただいたのです。そんな富弘さんの作品の中で一番好きな作品を紹介します。「はなしょうぶ」という作品です。「黒い土に根を張りどぶ水を吸って、なぜ、きれいに咲けるのだろう。 私は大勢の人の愛の中にいて、なぜみにくいことばかり 考えるのだろう。」闘病生活を嘆き、どうして自分がこんな目に合わなければいけないのか、ということばかりに縛られていた私でした。しかし、星野富弘さんのこの言葉が、私の心に深く刺さったのです。「私を愛してくれる家族がいる。私を心のそこから心配してくれる友人がいる。多くの人が、みんな私が元気になることを望み、応援してくれているのに、私は後ろばかり向いて、なんてダメなのだろう。私も、この花のように、きれいな花を咲かせる努力をしよう。明日に希望をつなげていこう。」そう、思えたから、今があります。星野富弘さんは、動かない体を嘆くのではなく、動ける口を使って、たくさんの絵を描きました。その絵と添えられた言葉は温かく、私のこころに優しい風を吹き込んでくれたのです。きっと多くの方がなぜ?どうして?と自分の置かれている場や環境を嘆くこともあるでしょう。でも、置かれている場で一生懸命生き、花を咲かせようと努力することが「生きる」ということなのだと私は思いました。

 今年度も私の学校経営の柱は「子どもが主役」の学校です。全ての判断基準の第一は子どもです。子どもにとって最善を尽くしてまいります。子どもにとって良いと思われることは積極的に行います。常に「これは子どもにとって良いことなのか、最善なのか。」と考える志村第三小学校であり続けたいと思っています。

また、今年度よりリーダー・イン・ミー教育を実施致します。「自分のリーダーは自分」と、主体的に生きる子どもたちを育てたいという思いで実践します。保護者や地域の皆様も一緒に取り組んでいただけたら幸いです。

これからも保護者の方々、地域の皆様にご協力いただきながら、新たなメンバーと共に教職員一同、心を一つにして「子どもが主役」の学校作りを進めて参ります。ご理解、ご支援のほどよろしくお願いいたします。